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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

女性に対する不適切行為疑惑で解雇 スターWRアントニオ・ブラウン

2019.9.25 11:55 生沢 浩 いけざわ・ひろし
ペイトリオッツの一員としてドルフィンズ戦に出場したWRアントニオ・ブラウン(AP=共同)
ペイトリオッツの一員としてドルフィンズ戦に出場したWRアントニオ・ブラウン(AP=共同)

 

 WRアントニオ・ブラウンを巡る騒動はまだ終わってはいなかった。

 

 開幕直前にペイトリオッツに電撃移籍してNFLを騒がせたブラウンは、わずか1試合に出場しただけで解雇になった。

 

 解雇の理由は女性に対する不適切行為が有力スポーツ雑誌で告発されたことだ。

 

 これより前に別の女性から性的暴行で訴えられており、それはペイトリオッツも認知していたが、2件目が発覚し解雇した。

 

 ブラウンはこのオフにスティーラーズとの確執からチームを追い出される形でレイダーズにトレードされた。

 

 レイダーズとは総額5000万ドルにも及ぶ3年契約を結んだが、脚のけがや使用ヘルメットをめぐるNFLとの争いなどでキャンプに参加せず、それらの行動が問題視されて解雇された。

 

 その数時間後にはペイトリオッツと契約するという目まぐるしい動きが話題となった。

 

 この頃にブラウンは彼の元トレーナーだったという女性から性的暴行で告訴され、NFLも調査に乗り出していた。ペイトリオッツでは第2週のドルフィンズ戦に出場し、1TDを記録した。

 

 ところが、9月発売のスポーツ誌に告発記事が掲載されたことで事態がさらに急展開を迎える。

 

 記事によればブラウンは自宅の壁に絵を描く目的で女性アーティストを雇ったが、その女性の前でタオル一枚を身に付けただけの裸身を見せるなどセクハラと受け取られる行為をしたという。ブラウンはいずれの件も否定している。

 

 解雇を通達されたブラウンはツイートで「もうNFLでプレーすることはない」と投稿、引退をほのめかしている。

 

 また、別の投稿ではペイトリオッツのボブ・クラフト・オーナーと元チームメートのQBベン・ロスリスバーガーの名前を引き合いに出して、自分の処分に対する不満も書き込んでいる。

 

 クラフト氏は買春行為の嫌疑がかけられたが処分は受けず、ロスリスバーガーが過去に女性へのハラスメントで訴えられた際も4試合の出場停止処分だけで終わったことを例に挙げて、暗に自分が不当に罰を受けているかのように主張したのだ。

 

 ブラウンは2010年にドラフト6巡でスティーラーズに入団した。2年目からスターターとなり、昨年までの9年間で7回の1000ヤードレシーブを達成、オールプロにも3回選出された。

 

 1年前までは紛れもなくNFLを代表するトップレシーバーの一人だった。

 

 2件の告発内容の真偽はまだ不明だが、それを除外してもスティーラーズやレイダーズでのチームとの諍い、ペイトリオッツを解雇された後のツイートなどは彼の栄光に傷をつける行為だ。

 

 華麗なパスレシーブとランアフターキャッチが彼のイメージだっただけに、これら一連の行動は不釣り合いすぎてにわかには信じられない。ただただ残念だ。

 

生沢 浩 いけざわ・ひろし

名前 :生沢 浩 いけざわ・ひろし

プロフィール:1965年生まれ。上智大卒。1991年にジャパンタイムズ入社。大学時代のアメリカンフットボール経験を生かし、フットボールライターとしても活動。NHKーBSや日テレG+でNFL解説者を務める。「Pro Football Writersof America」会員。

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