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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

ジョージア大はノートルダム大下す 米大学フットボール

2019.9.25 11:23 丹生 恭治 にぶ・きょうじ
ノートルダム大の守備選手を飛び越えて前進するジョージア大のRBスウィフト(AP=共同)
ノートルダム大の守備選手を飛び越えて前進するジョージア大のRBスウィフト(AP=共同)

 

 静かだった1週間前に比べると、激動の第4週だった。

 まず、ランキング外の南加大がランク10位のユタ大を30―23で破ったのに続き、ピッツバーグ大がランク15位のセントラルフロリダ大に35―34と1点差の勝利。西ではカリフォルニア大ロサンゼルス(UCLA)が19位のワシントン州立大と点の取り合いを演じた末、67―63で殊勲の星を挙げた。

 また、コロラド大も24位のアリゾナ州立大を接戦の末34―31で破り、サザンメソジスト大は41―38で25位のテキサスクリスチャン大を下した。

 

 最初に波乱の試合に触れたが、この週はランク校同士の対戦も多く3試合を数えた。

 中でも注目されたのがランク3位のジョージア大に7位のノートルダム大が挑んだ一戦。結果はジョージア大が23―17でノートルダム大を退けた。

 

 8位オーバーン大と17位テキサス大は28―20でオーバーン大が制し、11位ミシガン大に13位ウィスコンシン大が挑戦した試合はウィスコンシン大が35―14で快勝する番狂わせとなった。

 

 所属ではないが、ノートルダム大には「独立校」という分類語をつけている。

 米国でも「インデペンデンス」といった呼び方をしているので、これで正しいのだが、ノートルダム大に限って言うと全国区、つまりアメリカ合衆国全体の支持層に支えられているとしか思えないのが特徴である。

 

 この試合は南東リーグ(SEC)東地区のジョージア大の本拠地ジョージア州アセンズのサンフォード・スタジアムで行われたが、9万3000人の収容人員を誇る巨大な観客席は、両校の観衆であっという間に埋まり超満員。しかも収容人員の新記録だったというから、この辺りも「ノートルダム」効果と言えそうだ。

 もっとも、予想ではノートルダム大のパワー不足が指摘され、ランク以上の開きがあるとまで言われていた。

 

 だが互いに無得点の後、ジョージア大はパントをフェアキャッチしようとして落球。これをノートルダム大が抑えて、ゴール前1ヤードからQBイアン・ブックがTEコール・ケーマットにTDパスを決めて先行した。

 ジョージア大は動じず、75ヤードのドライブの末、RBダンドリー・スウィフトが3ヤードの突進でTDを挙げた。

 しかしノートルダム大は前半の最終プレーで27ヤードのFGを決めて10―7で折り返した。

 

 ジョージア大は後半気分を一新。守備陣がノートルダム大を封じるとともに、ロドリーゴ・ブランケンシップがFGを2本決めて13―10と逆転し、第4QにはQBジェイク・フロムがローレンス・ケーガーに15ヤードのTDパスを通し、さらに1FGで23―10として勝負をつけた。

 ノートルダム大はこの後TDを返したが、及ばなかった。

 

 オーバーン大がテキサス農工大の挑戦を受けたSEC西地区の決戦は、オーバーン大がいきなり10万余の大観衆の前で、鮮やかなトリックプレーを決めた。

 この先取点で相手の度肝を抜いたオーバーン大が試合の主導権を握り、見事なパス攻撃もあって、第3Qを終えて21―3と優位に立った。

 しかしテキサス農工大は第4Qに猛反撃2TD1FGの17点を挙げて差を詰めたが、四つ目のTDを許して涙をのんだ。

 

 ビッグ10同士の対決は接戦の予想を大きく覆して、西地区のウィスコンシン大が東地区のミシガン大を圧倒した。前半で4TD、28点を奪って大勝した。

 決め手はRBジョナサン・テイラー。203ヤードを稼ぎ出し、TDは72ヤードの独走を含めて2本を挙げた。

 実はこれが前半だけの記録。もし後半もプレーしていればもっと稼げただろうが、第3Qになって、突然激しいけいれんに襲われて休憩を余儀なくされた。とにかくこの日のウィスコンシン大は、攻守ともにミシガン大を上回る出来だった。

 

 太平洋12大学(Pac12)では南地区の主導権争いが展開され、地元の南加大がランク外ながら10位のユタ大を30―23で退け、伝統校の貫禄を見せた。

 南加大は控えのQBマット・フィンクが351ヤードを投げる見事なパス攻撃でユタ大を圧倒。レシーバーではマイケル・ピットマンが10キャッチで232ヤードを記録して勝利の原動力となった。 

TDパスをキャッチする南加大のWRボーンズ(21)(AP=共同)
TDパスをキャッチする南加大のWRボーンズ(21)(AP=共同)

 

 さてPac12ではまれに見る点取り合戦が演じられた。その舞台に登場したのは南地区のUCLAと北地区のワシントン州立大である。

 何と互いに60点を超える大量点を奪い合った末にUCLAが勝利をつかんだ。

 試合は第2Qに4TD28点を奪ったワシントン州立大が、優位に立ち前半を35―17で折り返した。

 第3Qもワシントン州立大は勢いに乗り、2本のTDパスをたたみ掛けて一時は49―17と32点差をつけた。

 

 しかし、UCLAはここから反撃に転じた。QBドリアン・トンプソン・ロビンソンがパスを連続で決めて3点差とした。

 両校ともここからさらに厳しく攻め合い、代わる代わるTDを重ねた。UCLAはここでパントリターンTDの7点でついに60―56と逆転に成功した。

 しかしワシントン州立大も残り6分11秒にパスで再逆転。そして試合終了の1分7秒前、ÜCLAはゴール前15ヤードからWRデメトリック・フェルトンへとどめのTDパスを決めて、大勝負にピリオドを打った。

 

 このほかピッツバーグ大が本拠地にランク15位のセントラルフロリダ大を迎え、35―34の1点差で急成長のランク校を倒して見せたあたりは古豪の貫禄が見えた。

丹生 恭治 にぶ・きょうじ

名前 :丹生 恭治 にぶ・きょうじ

プロフィール:1934年生まれ。関西学院大学卒業後、東京新聞社で運動記者としてスタートし、1962年に共同通信社へ移籍。著書に、中学時代から関学で親しんだアメリカンフットボール生活を描いた「いざいざいざ」がある。甲子園ボウルには高校時代と合わせて6度優勝。

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