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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

QBロスリスバーガー、ブリーズが負傷 苦境に立たされたスティーラーズとセインツ

2019.9.18 13:02 生沢 浩 いけざわ・ひろし
サイドラインでスコアボードを見つめるスティーラーズのQBロスリスバーガー(AP=共同)
サイドラインでスコアボードを見つめるスティーラーズのQBロスリスバーガー(AP=共同)

 

 NFL第2週はベテランQBにとって受難の週となった。

 スティーラーズのベン・ロスリスバーガーはシーホークス戦で右ひじを負傷し、手術を受けることになった。これにより、ロスリスバーガーは今季の出場は絶望的とみられる。

 

 また、セインツではドルー・ブリーズがパスを投げた後の右手がディフェンダーに当たってしまい、親指の靱帯を断裂する重傷を負った。

 優勝候補の一角をなすセインツだが、大黒柱のブリーズは約6週間の戦列離脱が見込まれ、10年ぶりのスーパーボウル出場への道が険しくなった。

 

 スティーラーズの戦力ダウンは深刻だ。ただでさえ今年のオフには昨年までのエースWRアントニオ・ブラウン(現ペイトリオッツ)とRBレベオン・ベル(現ジェッツ)が退団し、ペイトリオッツとの開幕戦ではTDを挙げられずに大敗した。

 ロスリスバーガーの故障欠場は3年ぶりだ。最近は故障に強かったことが災いして、バックアップQBが育っていない。

 先発を任されるメイソン・ルドルフはロスリスバーガーに代わって出場したシーホークス戦が実戦デビューだった。

 新人のデビン・ホッジスが2番手となるが、こちらももちろん公式戦経験はない。

 

 16年のキャリアで、ロスリスバーガーがシーズン絶望の危機を迎えるのは初めてのことだ。

 スティーラーズのオフェンスはロスリスバーガーの肩の強さとパスコントロールの良さを前提として組み立てているから、プレーブックの大幅な変更は避けられないかもしれない。

 

 経験の浅いQBが出場するときに頼りになるはずのRBだが、ジェームズ・コナーもシーホークス戦で故障した。

 開幕から2連敗を喫し、2年ぶりのプレーオフ出場に早くも危険信号が灯った。

 

 セインツにとってもブリーズの長期離脱は計算外だった。

 ブリーズはこれまで故障による欠場はわずかに1試合だけ。常に最高のコンディションで試合に臨んできたブリーズにとっても不運なけがだった。

ラムズに敗れフィールドを去るセインツのQBブリーズ(AP=共同)
ラムズに敗れフィールドを去るセインツのQBブリーズ(AP=共同)

 

 ブリーズ不在の間はテディ・ブリッジウオーターが代役を務める。元ドラフト1巡指名のブリッジウオーターだが、2016年のプレシーズンゲームで膝の靱帯を断裂する重傷を負ってからは不振続きで、復調したとは言い難い。

 もう一人の控えQBでモバイル系のタイソム・ヒルにもチャンスはあるかもしれない。

 

 セインツの場合はオフェンスに人材がそろっており、RBアルビン・カマラ、WRマイケル・トーマスらにボールを集めればそれなりのオフェンスは展開できる。

 ただし、やはりブリーズの抜けた穴は大きく、復帰するまでせめて勝率5割で乗り切りたい。

 

 ロスリスバーガーもブリーズも長期離脱の経験がなかっただけに、チームもどこかで安心しきっていたところがあるのは仕方ない。

 幸いにもシーズンはまだ始まったばかり。このピンチをどう乗り切るか。本当のチーム力が試される。

生沢 浩 いけざわ・ひろし

名前 :生沢 浩 いけざわ・ひろし

プロフィール:1965年生まれ。上智大卒。1991年にジャパンタイムズ入社。大学時代のアメリカンフットボール経験を生かし、フットボールライターとしても活動。NHKーBSや日テレG+でNFL解説者を務める。「Pro Football Writersof America」会員。

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