メニュー 閉じる メニュー
スポーツ

スポーツ

週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

【編集後記】Vol.297

2019.8.29 11:06 宍戸 博昭 ししど・ひろあき
記者会見に出席した日大の橋詰功監督と贄田時矢主将
記者会見に出席した日大の橋詰功監督と贄田時矢主将

 

 記者会見場に入ってきた二人は、不安と期待が入り交じった複雑な表情をしていた。

 8月27日、東京都内で行われた関東大学リーグ1部TOP8とBIG8の記者会見。2シーズンぶりにBIG8で秋のリーグ戦に復帰する日大の橋詰功監督と贄田時矢主将が、久しぶりに公の場に姿を現した。

 

 昨年5月の関学大との定期戦で起きた「危険な反則タックル問題」で、日大は昨秋のリーグ戦には出場できなかった。

 出場資格停止処分が解け新体制で臨む今季、初めて公式戦で采配を振るう橋詰監督は「ゼロからのスタートになるが、一昨年の(学生)チャンピオンチームであるというプライドも持ってチーム作りをしてきた。一戦一戦、謙虚に戦っていきたい」と話した。

 

 今年の夏合宿は45年ぶりに東京を離れ、長野県の菅平高原で実施した。

 涼しい高地で効率よく練習できたそうで、橋詰監督は「全員が寝食を共にすることで、連帯感が生まれた」と、その成果を語る。

 

 菅平では、大学ラグビー界の強豪・帝京大と宿舎が同じだった。

 「(帝京大の)岩出(雅之)監督と、いろいろ話ができたのも良かった」。昨年9月に就任した指揮官にとっても、得るものは多かったようだ。

 

 危険なタックルをし、警視庁から傷害容疑で書類送検されているDL宮川泰介選手(4年)について橋詰監督は、検察の最終判断を待って試合に出場させるかを決めるという。

 「宮川は、間違いなく大きな戦力。大学フットボール界を代表する選手に育っている。彼のプレーを見たいというのが、僕自身の希望でもある」

 

 実質2部のBIG8は、リーグ戦の成績が「甲子園ボウル」に繋がらない。

 名門だからこそ、モチベーションの維持が難しい状況だが、150人の部員の先頭に立つ贄田主将はこう言った。

 「去年の出来事は、なんで自分がフェニックスでフットボールをするのかを、あらためて考えるきっかけになった。このチームで勝ちたいという気持ちが、自然とわき上がってきた。自分の覚悟が試されるのが秋のシーズン。自分と真摯に向き合っていきたい」

 

 新生フェニックスは、9月7日に青学大との初戦を迎える。(編集長・宍戸博昭)

宍戸 博昭 ししど・ひろあき

名前 :宍戸 博昭 ししど・ひろあき

プロフィール:1982年共同通信社入社。運動記者として、アトランタ五輪、テニスのウィンブルドン選手権、ボクシングなどスポーツ全般を取材。日本大学時代、「甲子園ボウル」にディフェンスバック、キックオフ、パントリターナーとして3度出場し、2度優勝。日本学生選抜選出。NHK―BSでNFL解説を20年以上務めている。

最新記事