クレムソンに高い評価、追うアラバマ 米大学フットボール2019

今年も「シーズン」がやってきた。全米の大学フットボールチームが8月の終わりから新春にかけて、各地で青春を燃やし尽くす。
私たちは海を隔ててそのさまを味わう。素敵な季節の到来である。
4年制の大学チームはざっと700校と言われておりそれが1部、2部と分かれる。
この中でファンが興味を持ち、報道関係が取り上げるのは1部校で、130校前後を数える。2019年もこの数字は変わっていない。
ではどこが強いのか。そのあたりをわかりやすく説明する「データ」がランキングである。
専門家、チーム関係者、担当記者、監督コーチが見たまま感じたまま順番をつけてファンに披露する。
以前はせいぜい10校ほどだったのだろうが、大学チームの増加とともに、それが15校になり、20校になり今では25校になった。
当初は順番付けも高名な識者一人ぐらいだったが、そのうちに何人かの専門家に依頼して、各の「ランク」を集め、それを集計したランキングを披露するようになって、今の形が出来上がっていった。
やがては雑誌ごとの、あるいは新聞ごとの、放送局ごとのランキングもというようになったが、そうしたものをすべて披露するとかえって煩わしい。
きちんとしたものを二つ三つと考えた私は現在、AP通信とUSAトゥデー紙のランキングを取り上げることにしている。
もう少し説明すると、APはベテランのフットボール記者の投票をまとめたもので、現在は約60人がその依頼に応じている。今季1回目の投票は、62人だった。
シーズンが深まるにつれ、多少の増減はあるかもしれない。トゥデー紙は有力校の監督に依頼する形で、今季は65人が参加した。
開幕前の順位は、1位が大西洋岸リーグ(ACC)のクレムソン大だった。得点はAPでは1位票52を獲得し、1540点。トゥデー紙では59の1位票で1619点を得た。
2位は南部の名門、南東リーグ(SEC)のアラバマ大が入り、APでは1位票10票で1496点。トゥデー紙では1位票6票の1566点を獲得した。
1位票を得たのはこの2校だけ。順位は10位までが同じで、11位から下は食い違っている。
3位はアラバマ大と同リーグのライバル、ジョージア大だった。SECはさすがに上位を占めるチームが多く、ジョージア大の次は6位ルイジアナ州立大、8位にフロリダ大が続く。
ランキング内にはテキサス農工大がAPの12位、トゥデー紙の11位に入り、オーバーン大はともに16位につけた。
ランクの4位にはビッグ12のオクラホマ大が顔を出し、テキサス大が10位で続いた。
アイオワ州立大がAP21位、トゥデー紙24位でランク入りしたが、ビッグ12はこの3校どまりだった。
名門ビッグ10は8校が名乗りを上げた。ベスト10ではオハイオ州立大が5位、ミシガン大が7位と2校のみだったが、ペンシルベニア州立大がAP15位、トゥデー紙14位。
ウィスコンシン大が19位と17位。アイオワ大が20位と19位。ほかにミシガン州立大がトゥデー紙の20位、ネブラスカ大がAPの24位、ノースウエスタン大がトゥデー紙25位と興味深い名前を並べた。
太平洋12大学(PAC12)はベスト10には入らなかったが、5校が両ランクに名を連ねた。さすがである。
オレゴン大がAP11位、トゥデー紙13位だったのをはじめ、ワシントン大が13位、12位。ユタ大が14位、15位。ワシントン州立大が23位、21位。スタンフォード大が25位、23位と、合計5校がランキングの下半分を見事に埋めている。
このほかアメリカン体育連盟(AAC)のセントラルフロリダ大が両ランクの17位に入っているのが珍しい。
ACCは、クレムソン大以外がさっぱりで、シラキュース大がただ1校、両ランクの22位に顔を出しただけで、2校どまりというのはいささか寂しい。
独立校のノートルダム大は両ランクとも9位と例年通り高い評価を得ている。
8月24日にはシーズンインを告げる2試合が行われ、フロリダ大がマイアミ大(フロリダ)に24―20、ハワイ大がアリゾナ大に45―38で勝った。