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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

【編集後記】Vol.296

2019.8.22 14:01 宍戸 博昭 ししど・ひろあき
筆者が「シルバースター」に在籍していたときのユニホーム
筆者が「シルバースター」に在籍していたときのユニホーム

 

 この夏、長年誰も住んでいなかった実家を整理した。

 父親が在りし日の思いをしたためた日記帳を開いては作業の手が止まり、母親が趣味で作っていた手芸品の数々の処分に逡巡する。

 

 「断捨離」とは捨てがたい過去の思い出との決別であり、人間が生きていく上で身軽になるために必要なプロセスであることを実感した。

 

 手際よく家財を運び出していく作業員が、既に処分したと思い込んでいた懐かしいものを見つけてくれた。

 大学時代にかぶっていたアメリカンフットボールのヘルメットやユニホームなどと、数十年ぶりに〝再会〟した。

 

 その中で、1シーズンだけプレーした社会人チームのユニホームが、新品同様に保管されていた。

 自宅に持ち帰って履いてみたフットボールパンツは全くサイズが合わず、鏡に映る変わり果てた自らの姿に苦笑いする。

 

 社会人チーム「シルバースター」(現アサヒビール)でのプレーは、予定していなかった。

 大学を卒業後に1年間過ごしたアメリカから帰国。当時シルバースターのコーチをしていた大学の先輩が経営するフットボール用品のプロショップを訪ねたところ、翌週には試合用のユニホームができていて、練習に参加せざるを得ない状況になっていた。

 思わぬ形での現役復帰は戸惑いもあったが、チームメートに恵まれ社会人日本一を経験するなど、充実した1年だった。

 

 いずれ断捨離の対象になるのは分かっている。でも、実家の押し入れの奥で眠っていた思い出の品々は、もうしばらく手元に置いておきたい。

 これまでほったらかしにしていた罪滅ぼしも兼ねて。(編集長・宍戸博昭)

宍戸 博昭 ししど・ひろあき

名前 :宍戸 博昭 ししど・ひろあき

プロフィール:1982年共同通信社入社。運動記者として、アトランタ五輪、テニスのウィンブルドン選手権、ボクシングなどスポーツ全般を取材。日本大学時代、「甲子園ボウル」にディフェンスバック、キックオフ、パントリターナーとして3度出場し、2度優勝。日本学生選抜選出。NHK―BSでNFL解説を20年以上務めている。

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