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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

QBフラッコが鍵握るブロンコス 開幕まで50日切ったNFL

2019.7.24 13:31 生沢 浩 いけざわ・ひろし
レーベンズからブロンコスに移籍したQBジョー・フラッコ(AP=共同)
レーベンズからブロンコスに移籍したQBジョー・フラッコ(AP=共同)

 

 2019年のレギュラーシーズン開幕まで50日を切り、NFLの各チームはトレーニングキャンプへと突入する。今年は4分の1にあたる8チームでヘッドコーチ(HC)が交代した。

 

 前任者が長期政権だったパッカーズのマット・ラフルーア氏やベンガルズのザック・テイラー氏をはじめ、クリフ・キングスベリー氏(カージナルス)、フレディー・キッチェン氏(ブラウンズ)、ビック・ファンジオ氏(ブロンコス)、ブライアン・フローレス氏(ドルフィンズ)らがNFLで初めてHC職を務める。

 その一方で昨年までドルフィンズで指揮を執っていたアダム・ゲイス氏が同地区ライバルのジェッツに〝移籍〟し、ブルース・エリアンズ氏が1年の休養期間を経てバッカニアーズのHCとして現場復帰する。

 

 ファンジオ氏は60歳にして初めて最高指揮官となった遅咲きのコーチだ。ディフェンス畑のコーチとして采配を振るい、昨年はベアーズでリーグ1位の守備を作り上げた。

 その手腕が買われ、2歳年下のジョン・エルウェーGMに招聘された。

 

 ブロンコスは昨年、約40年ぶりとなる2年連続の負け越しを経験し、2年間指揮を執ったバンス・ジョセフ氏を解雇した。

 プレーオフから遠ざかっているとはいえ、OLBボン・ミラーを中心にディフェンスの人材は多く残っており、武器である守備をさらに伸ばすにはファンジオ氏は適材だと言える。

 もっとも、ファンジオ氏が早急に解決しなければいけないのはオフェンスである。それもQBの問題だ。

 

 ブロンコスでは2015年シーズンのスーパーボウル優勝を花道に、ベテランQBペイトン・マニングが引退。その後フランチャイズQBと呼ぶに値する司令塔に恵まれてこなかった。

 2016年からは2年ほど若手を登用したが失敗し、昨年はバイキングズで結果を出した経験豊富なケース・キーナムを先発に据えた。

 しかし、キーナムもチームに勝利をもたらすことができず、今年はレーベンズからフリーエージェントで移籍してきたジョー・フラッコにオフェンスを任せる。

 

 フラッコは典型的なポケットパサーで肩の強さには定評がある。2012年シーズンにはレーベンズをスーパーボウル優勝に導き、自身もMVPを受賞した。

 しかし、近年はけがに泣くシーズンもあり、自慢のロングパスが威力を発揮しない試合も多くなった。

 そして、昨年には故障欠場している間に新人のラマー・ジャクソンにポジションを奪われ、追い出される形でブロンコスにやって来た。

 

 マニング以降のブロンコスのQBの中では間違いなくナンバーワンのパサーだが、ピークは過ぎている。

 短期間でOLやレシーバーとの呼吸を合わせるのは簡単ではない。

 幸いレーベンズ時代にはディフェンス主導のチームを経験しているので、ターンオーバーによって急にめぐってくるチャンスへの対応や、必要に応じてクロックコントロールで試合運びをする術は熟知してる。この経験値でどこまで勝負できるか。

 

 若手QBが急速に成長している昨今のNFLは、フラッコのようなベテラン勢には厳しい環境になっている。

 それでもトム・ブレイディ(ペイトリオッツ)やドルー・ブリーズ(セインツ)のように40歳を過ぎても衰えを見せないパサーもいる。

 フラッコがどちらの範疇に入るのか。それによってブロンコスの成績も左右される。

生沢 浩 いけざわ・ひろし

名前 :生沢 浩 いけざわ・ひろし

プロフィール:1965年生まれ。上智大卒。1991年にジャパンタイムズ入社。大学時代のアメリカンフットボール経験を生かし、フットボールライターとしても活動。NHKーBSや日テレG+でNFL解説者を務める。「Pro Football Writersof America」会員。

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