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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

【編集後記】Vol.283

2019.5.17 10:00 宍戸 博昭 ししど・ひろあき
明治の3年生エースQB西本晟選手=撮影:seesway
明治の3年生エースQB西本晟選手=撮影:seesway

 

 5月19日に、東京・アミノバイタルフィールドで楽しみな試合がある。今年で71回目を迎える明治と関学の定期戦だ。

 今回は関学が東京に遠征してくる。関東のファンにとっては、学生王者・関学を見る数少ない機会でもある。

 

 昨シーズン、関東大学リーグ1部TOP8で2位になった明治は、優秀な人材が多く戦力が充実している。

 1934年創部。日本のアメリカンフットボールの「ルーツ校」の一つである明治は、過去に5度甲子園ボウルに出場しているが、優勝はない。

 最後に出たのは1985年の第40回大会。この時は激しい点の取り合いの末、46―48で関学に競り負けた。

 

 当時の明治オフェンスには、3年生RB吉村祐二さん、2年生QB渡邊弘幸さんという二人のエースがいて、伝統のスピードを生かした「オプション攻撃」で関東を制した。

 吉村さんは史上二人目となる、甲子園ボウルで敗れたチームから選ばれた年間最優秀選手(チャック・ミルズ杯)に輝いた。

 

 今季の明治には、それ以来となる甲子園ボウル進出の期待がかかる。しかし吉村さんは、敢えて辛口の物言いで母校に奮起を促す。

 「学生の自主性に任せるなどと言っていては、甲子園は遠い。チーム哲学不在のフットボールでは、何が足りないのかという思いに至るのは難しいのではないか」

 

 34年前の甲子園ボウル。吉村さんは成功すれば逆転のFGを任され、外した。

 直前に受けたハードタックルで、脳しんとうを起こしていたと言われているが、本人はそのことについて多くを語らない。

 「弱いから負けた」。ただそれだけだという。

 

 学生時代、気迫を前面に押し出してくる明治との試合はいつも命がけだった。

 「野武士」のような雰囲気を漂わせる骨太のチームカラーは魅力だ。関学という好敵手との一戦で、どこまで「明治らしさ」が見られるか。注目したい。(編集長・宍戸博昭)

宍戸 博昭 ししど・ひろあき

名前 :宍戸 博昭 ししど・ひろあき

プロフィール:1982年共同通信社入社。運動記者として、アトランタ五輪、テニスのウィンブルドン選手権、ボクシングなどスポーツ全般を取材。日本大学時代、「甲子園ボウル」にディフェンスバック、キックオフ、パントリターナーとして3度出場し、2度優勝。日本学生選抜選出。NHK―BSでNFL解説を20年以上務めている。

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