メニュー 閉じる
スポーツ

スポーツ

週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

1年のブランク経て復帰へ カウボーイズのTEジェイソン・ウィッテン

2019.3.5 10:57 生沢 浩 いけざわ・ひろし
2010年シーズンのジャイアンツ戦でTDを挙げるカウボーイズのTEウィッテン(AP=共同)
2010年シーズンのジャイアンツ戦でTDを挙げるカウボーイズのTEウィッテン(AP=共同)

 

 昨年の5月に突然の引退を宣言し、ESPNの「マンデーナイトフットボール」の解説者に転身したTEジェイソン・ウィッテンが、古巣のカウボーイズで現役復帰することを発表した。

 

 今年で37歳になるウィッテンだが、「フットボールという競技で戦いたいという気持ちはとても強く燃えている。若いタレントに恵まれたこのチームで優勝に貢献したい」と意気込みを語った。

 

 

 もともと体力の限界や故障を理由にユニフォームを脱いだわけではないので、解説者として外からNFLを見るうちに闘争心が抑えきれなくなったのだろう。

 

 1年のブランクがどう影響するかは懸念されるが、カウボーイズは歓迎する意向だ。

 

 

 昨年のカウボーイズは予定外だったウィッテンの引退とWRデズ・ブライアントのリリースでレシーバー陣に大きな穴が開いた。

 

 ドラフトで指名したWRマイケル・ギャラップやシーズン途中でトレード入団したアマリ・クーパーの活躍でパス攻撃は安定したものの、TEは弱点のままだった。

 

 

 カウボーイズ一筋にプレーし、15年間で2回のオールプロ、11回のプロボウル選出を誇るウィッテンの復帰は心強いものとなるだろう。

 

 ウィッテンは現役復帰に対して500万ドルを手にし、年俸は350万ドルプラス出来高払いとなるようだ。

 

 

 昨年のカウボーイズはプレーオフで初戦敗退したもののNFC東地区で優勝を果たし、チームが大きく改善された。

 

 スーパーボウルも夢ではない状況であり、それもウィッテンの心を揺さぶった理由の一つに違いない。

 

 

 引退を撤回して現役復帰を果たした例は、最近ではRBマショーン・リンチがいる。

 

 2015年シーズン後にシーホークスで引退を発表したが、1年後に地元チームであるレイダーズで復帰。1年目は15試合に先発出場したが、昨年は故障のために6試合の出場にとどまった。

 

 「ビースト」の異名をとった全盛期の面影を時折見せるものの、やはりピーク時とは比較できないのは致し方ない。

 もちろん、チームが変わった影響もあるだろうが、それでも引退前の姿を取り戻すのは難しい。

 

 

 リンチのプレースタイルは中央突破でタックルをフィジカルの強さで跳ね返すものだから、受ける衝撃も大きい。

 それに比べるとウィッテンは体に蓄積されたダメージは幾分か少ないかもしれない。

 

 放送ブースからフットボールを研究した成果をどのようにフィールドに生かすのか。ウィッテンの新たな挑戦に注目したい。

 

生沢 浩 いけざわ・ひろし

名前 :生沢 浩 いけざわ・ひろし

プロフィール:1965年生まれ。上智大卒。1991年にジャパンタイムズ入社。大学時代のアメリカンフットボール経験を生かし、フットボールライターとしても活動。NHKーBSや日テレG+でNFL解説者を務める。「Pro Football Writersof America」会員。

最新記事