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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

キーワードは〝何をやるかではなくどうやるか〟「タモン式RB養成所短期講座」

2019.1.31 10:40 中村 多聞 なかむら・たもん
「タモン式RB養成所短期講座」の参加者と、主宰者の中村多聞さん(後列中央)
「タモン式RB養成所短期講座」の参加者と、主宰者の中村多聞さん(後列中央)

 

 毎年冬のオフシーズンに開催しております「タモン式ランニングバック(RB)養成所短期講座」の関東版を終え、いろいろと思うところがありましたので、今回はそこらへんを書いてみたいと思います。

 

 仕組みはこんな感じです。最初に1時間ほど座学と言いますか、二日間の注意事項やその他の説明をしてグラウンドに出ます。そして数々のドリルを紹介していきます。

 これらは僕が選手時代に役に立ったと感じたものを中心に、使用するグラウンドにある設備や広さに応じて変化させながら実際に受講生にも体験してもらいます。

 練習時間が終われば、今度は個人やチームにおけるいろいろな質問を、時間の許す限り個別にやっていきます。これを二日間行います。

 

 普段の早稲田大学での指導は、ある一つのドリルをあまり説明せずプレーしてもらい一旦休憩し、選手たちに「このドリルのポイントや意味は何だと思う?」とコーチの僕から質問します。

 正解する選手もいれば間違った解釈をする選手もいます。また、全く答えられない選手もいます。

 それは人それぞれですが、その後コーチからある程度の正解を伝えます。そこからは注意すべき点や意味を踏まえてプレーします。そうするとさっきまでと違いほとんどの選手が力強く早く動けなくなります。

 

 課題を多く言い渡され、注意すべき点が増えた。つまり持たなくてはならない荷物が重くなってしまったのです。

 そうすると機敏な動きやパワフルな突進、思い切りの良さが消え、自信なさげなプレーをしてしまいます。

 

 僕の感覚だと、ここでやっとトップ選手になるための準備ができ、スタート地点に立ったことになります。

 多くの課題を担いで難しいことに全速力+全力で臨まなければタモンコーチが叱ります。

 「元々できるはずのことを練習でやる必要などない。できないところに向かった練習、つまり挑戦をし続けてナンボだ!」と怒鳴られます。

 そうやって一つ一つの技や考え方を体にしみ込ませていくのが、僕の考える「上達」です。

 

 いくら良いドリルをたくさん練習しても、課題を正確に消化していなければ単なるコスプレ体操です。

 トップ選手になったり、チームを日本一に導くことなど絶対に不可能です。

 全ての練習には正確なやり方や意図があり、少しでも間違えたまま進んでしまうと、わざわざしんどいことをしてオカシなクセを身につけてしまう危険があります。

 昔の先輩から伝わるRBとしての常識は、全て初心者に向けられた理論で、トップ選手になり海外も視野に入れるなどという場合は全く使えません。

 

 ニッポンに来たアメリカ人のコーチが昔クリニックでこう言っていました。「RBは、ボールを持った時だけでなく、フェイクやプロテクションなど全ての局面でしっかりとした仕事ができなければならない」と。

 誰しもボールを持たない時の仕事のクオリティーはどうしてもおざなりになりがちですが、タモン式はそこに徹底的にこだわります。

 指導を受ける選手諸君もそこには興味、関心が薄く、魂のこもったプレーをやろうとしません。

 

 恥ずかしい話、昔はボールを持った時だけ元気になるどうしようない下手くそだった僕が、体力だけを用意して挑戦したプロのアメリカ人たちとの対決で教えてもらったことや学んだことを、現代の環境に合わせて日本語に翻訳した指導をしています。

 

 安定したパスキャッチング、詐欺師のようなフェイク、完璧なプロテクションやハードなブロック、レシーバーが空きやすくなる絶妙なパスコースへのルート取り、そしてエースとしての振る舞い。

 こう言った部分の成功に大きな喜びがあってこそ、本物のRBなのです。

 

 タモン式の目指している最強RBとは、オフェンスコーディネーターの考えた作戦の全てに100点満点で対応できる選手です。

 

 2月に関西で開催予定の「短期講座」は、既に定員となりキャンセル待ち(当日ドタキャンが多い)していただいている状況です。

 多くのことを一気にご紹介しますので、2名以上でご参加の方は是非とも交代でお一人がメモを取り、お一人が体験をしながらとにかく私や他のコーチが言ったことをメモしてチームにお持ち帰りください。

 

 正確に練習し続ければ絶対に上達する説明をしています。分量が多く、初めて聞く理屈もあるでしょうから、記憶力の良いはずの大学(を出た)の人でも、全てを覚えて帰るのは絶対に不可能です。

 

 何をやるかではなくどうやるか。コレがタモン式では重要なキーワードです。2月に関西でお目にかかりましょう!

中村 多聞 なかむら・たもん

名前 :中村 多聞 なかむら・たもん

プロフィール:1969年生まれ。幼少期からNFLプレーヤーになることを夢見てアメリカンフットボールを始め、NFLヨーロッパに参戦しワールドボウル優勝を経験。日本ではパワフルな走りを生かして、アサヒ飲料チャレンジャーズの社会人2連覇の原動力となる。2000年シーズンの日本選手権(ライスボウル)では最優秀 選手賞を獲得した。河川敷、大学3部リーグからNFLまで、全てのレベルでプレーした日本でただ一人の選手。現在は東京・西麻布にあるハンバーガーショップ「ゴリゴリバーガー」の代表者。

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