メニュー 閉じる メニュー
スポーツ

スポーツ

週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

クレムソン大が2年ぶりに王座獲得 選手権決勝でアラバマ大破る

2019.1.9 11:40 丹生 恭治 にぶ・きょうじ
アラバマ大戦でパスを好捕するクレムソン大のWRロス(AP=共同)
アラバマ大戦でパスを好捕するクレムソン大のWRロス(AP=共同)

 

 大西洋岸連盟(ACC)を制したランキング2位のクレムソン大が、南東連盟(SEC)勝者で同1位のアラバマ大を44―16で倒し、2年ぶりの全米大学フットボールの王座に就いた。

 2014年に選りすぐりの上位4校による現在の選手権制がスタートしてから2度目の栄光となる。

 

 カリフォルニア州サンタクララのリーバイス・スタジアムで行われた全米大学フットボール選手権決勝は、激しい点の取り合いで始まった。

 だがクレムソン大は1年生のQBトレバー・ローレンスのパス攻撃がさえ、347ヤード3TDの数字を残す一方、守備陣も第2Q半ばから相手の攻めを封じ込めて快勝に結びつけた。

 

 クレムソン大はこれで全米唯一の15戦全勝。アラバマ大は14勝1敗だった。
 先取点はクレムソン大。2年生のDBブライアン・ドーキンスがQBチュア・タゴバイロアのパスをアラバマ大44ヤード地点で奪い、そのままエンドゾーンへ駈け込み、わずか1分で均衡を破った。

トロフィーにキスするクレムソン大のスウィニーHC(AP=共同)
トロフィーにキスするクレムソン大のスウィニーHC(AP=共同)

 

 アラバマ大も負けてはいなかった。タゴバイロアのリードで75ヤードを3プレーでカバーし、すぐに同点。第1Q半ばにクレムソン大がTDを奪うとアラバマ大は75ヤードを10プレーかけて攻め上り6点を返した。

 

 この調子ではと思わせたが、第2Qにアラバマ大が11プレーを費やして45ヤードの勝ち越しFGを決めたあたりからクレムソン大の攻守にエンジンがかかり始めた。

 QBローレンスの出来も上々だったが、それと並んでRBトラビス・エチエンヌがランにパスレシーブにと大活躍。この後、クレムソン大は2TD、1FGであっさり逆転して折り返すた。

 

 これで勝負あり。後半はローレンスがエチエンヌに78ヤードものロングパスを決めるなど、好きなように得点を重ねる一方、守備陣がタゴバイロアのパスもランも封じ込めて得点を許さなかった。

 

 暮れの12月30日はこのトーナメントの準決勝。オレンジボウルではアラバマ大がランク4位のオクラホマ大と対戦して45―34の得点争いを制した。

 ハイズマン賞最有力とされながら、賞を逸したタゴバイロアが4TDを記録する大活躍だったが、守りがやはり低調だった。

 その点ではコットンボウルで3位のノートルダム大をFG1本の3点に抑え込み、30―3と快勝したクレムソン大のバランスの取れた攻守が、決勝でもものを言った感じだった。

 

 昔の4大ボウルのうち選手権の準決勝へ1試合、または2試合を持っていかれるのが普通になり、今回はオレンジとコットンが選手権のカードとなった。

 残りのローズはランク8位の太平洋12大学(PAC12)のワシントン大が、ランク6位でビッグ10のオハイオ州立大と対戦した。

ローズボウルで演奏するオハイオ州立大のマーチングバンド(AP=共同)
ローズボウルで演奏するオハイオ州立大のマーチングバンド(AP=共同)

 結果はオハイオ州立大が28―23とワシントン大の終盤の猛追をかわした。シュガーは5位のSECのジョージア大が、15位のビッグ12のテキサス大と対戦。これまた接戦の後、28―21でテキサス大に凱歌が上がった。

 

 このほかの元日のカードはフィエスタボウルで、11位でSECのルイジアナ州立大が、今季全勝街道を突っ走って注目された8位でアメリカン連盟のセントラルフロリダ大(UCF)と戦い、40―32のスコアを残した。

 シトラスボウルは14位でSECのケンタッキー大が27―24で12位のビッグ10のペンシルベニア州立大に競り勝った。

 アウトバックボウルはビッグ10のアイオワ大が27―22で18位でSECのミシシッピ州立大を下した。

 

 大晦日の新設のレッドボックスボウルではオレゴン大が7―6でビッグ10のミシガン大に競り勝ち、サンボウルでもスタンフォード大が14―13でACCのピッツバーグ大を退けるなど、PAC12勢の1点差の勝利が目立った。

ジョージア大RBヘリソン(AP=共同)
ジョージア大RBヘリソン(AP=共同)

 ゲーターボウルは19位でSECのテキサス農工大が52―13でノースカロライナ州立大に大勝。ホリデーボウルは22位でビッグ10所属のノースウエスタン大が、31―20で13位のPAC12所属のユタ大を下した。

 

 すべてはとても網羅できないが、接戦のボウルゲームが多かったのは今季の収穫である。

丹生 恭治 にぶ・きょうじ

名前 :丹生 恭治 にぶ・きょうじ

プロフィール:1934年生まれ。関西学院大学卒業後、東京新聞社で運動記者としてスタートし、1962年に共同通信社へ移籍。著書に、中学時代から関学で親しんだアメリカンフットボール生活を描いた「いざいざいざ」がある。甲子園ボウルには高校時代と合わせて6度優勝。

最新記事