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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

【編集後記】Vol.265

2018.12.27 11:57 宍戸 博昭 ししど・ひろあき
試合終了間際、オービックに逆転のタッチダウンを決められ、肩を落とす関学大の選手たち=2013年1月3日、東京ドーム
試合終了間際、オービックに逆転のタッチダウンを決められ、肩を落とす関学大の選手たち=2013年1月3日、東京ドーム

 

 勝負は最後まで諦めてはいけない。東京の佼成学園が、京都の立命館宇治に劇的な逆転勝ちで3連覇を果たした全国高校選手権決勝を見てそう思った。

 

 一方的な展開になっても、慌てなかった。相手も同じ高校生。いつかチャンスが来るといったムードが、チームから伝わってきた。

 ディフェンディングチャンピオンとしての意地もあっただろう。

 

 2018年度シーズンの主な選手権試合は、残すところ来年1月3日の日本選手権(ライスボウル=東京ドーム)だけとなった。

 今回は社会人代表の富士通と学生王者の関学大が2年ぶりに日本一を争う。

 

 毎年3万人以上の観衆を集めるビッグゲームだが、残念ながら勝敗への興味は年々薄れている。

 1クオーター15分で行われるライスボウルは、練習量で上回る学生に有利な時代もあった。

 しかしそれはずいぶん昔の話で、主要なポジションに外国人を配した社会人の優位は動かない。

 学生がどこまで食い下がることができるか。関学大の高い戦略性に期待したいところだが、高校生同士の試合とは違い、両者が同じ土俵で戦うにはもはや無理がある。

前回の対戦は、富士通が関学大を30―13で破った=2017年1月3日、東京ドーム
前回の対戦は、富士通が関学大を30―13で破った=2017年1月3日、東京ドーム

 

 社会人と学生の王者が対戦する形式は、既に役目を終えている。関係者もそのことはよく分かっているはずだ。

 ただ、それならどうするという具体的な代案が思い浮かばないのが悩ましいところである。興行としての側面もあるので、主催者と大会スポンサーの関係も無視できない。

 

 勝って当たり前、負けたら大ごと。富士通の藤田智ヘッドコーチはいつも「ライスボウルは、とてもやりにくい試合」と言う。

 

 前回の関学大との対戦では、エースWRへのロングパスでアドバンテージを握った。

 このシンプルな戦術は、力の差を見せつけると同時に、学生が受ける肉体的なダメージを軽減する意味で最善の選択だったと思う。

 アメリカンフットボールの華やかさを演出する効果もあったのではないか。

 

 「真っ向勝負―。嘘や。なんかやらんとあきませんね。知らんけど」。関学大の鳥内秀晃監督は、関西人らしい言い回しで質問者をけむに巻いた。

 あっと驚くスペシャルプレーが飛び出すのか。いろいろ書いてはみたが、小欄も関学大がどんな秘策を用意してくるのかを楽しみにしている一人である。(編集長・宍戸博昭)

宍戸 博昭 ししど・ひろあき

名前 :宍戸 博昭 ししど・ひろあき

プロフィール:1982年共同通信社入社。運動記者として、アトランタ五輪、テニスのウィンブルドン選手権、ボクシングなどスポーツ全般を取材。日本大学時代、「甲子園ボウル」にディフェンスバック、キックオフ、パントリターナーとして3度出場し、2度優勝。日本学生選抜選出。NHK―BSでNFL解説を20年以上務めている。

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