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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

オークランドでは最後の試合か ラスベガスに移転するレイダーズ

2018.12.26 11:12 生沢 浩 いけざわ・ひろし
相手のパスをインターセプトして喜ぶレイダーズのDB陣(AP=共同)
相手のパスをインターセプトして喜ぶレイダーズのDB陣(AP=共同)

 

 今シーズン最後のマンデーナイトゲームはレイダーズ(4勝11敗)が地元オークランドでの最終戦でブロンコス(6勝9敗)に27―14と快勝した。

 両チームともすでにプレーオフ進出の望みはないが、レイダーズにとっては多くの因縁がある同地区ライバルのブロンコスから挙げた価値ある勝利だった。

 ブロンコスの連続負け越しシーズンは46年ぶり。バンス・ジョセフ・ヘッドコーチはシーズン後の解任がほぼ決定的となった。

 

 また、この試合はレイダーズが本拠地として使用してきたアラメダカウンティコロシアムで行われる最後のNFLゲームとなる可能性が高い。

 レイダーズのラスベガスへの移転は2020年だが、オークランド市と結んでいるスタジアムリース契約は今季限りで切れる。

 オークランド市はレイダーズ移転に伴う損失の補填を求める訴訟を起こすなど両者の関係はこじれており、円満なリース契約延長は望めない。

 1966年にオープンした伝統あるスタジアムが、NFLにおける歴史に幕を閉じようとしている。

ブロンコス戦でTDを挙げるレイダーズのRBマーティン(AP=共同)
ブロンコス戦でTDを挙げるレイダーズのRBマーティン(AP=共同)

 

 レイダーズは現在、2019年シーズンの開催地を模索している。MLBサンフランシスコ・ジャイアンツのAT&Tパークも候補の一つだということだ。

 野球のスタジアムは11月以降は専用スタジアムとして使用できるので、スケジュール調整が難しい大学フットボールのスタジアム利用より可能性が高いだろう。

 来年2月4日にアトランタで行われるスーパーボウルまでには発表される見込みだ。

 

 レイダーズは1960年にNFLの対抗リーグであったアメリカンフットボールリーグ(AFL)のチームとしてオークランドで誕生した。

 1970年のNFLとAFLの合併後はAFC西地区所属となり、現在に至る。アラメダカウンティコロシアムはレイダーズの新球場及び、当時はまだオークランド市になかったMLBチームを招致するために建設されたスタジアムだ。

 

 1982~94年はロサンゼルスに本拠地を移したが、95年にオークランドに復帰した。

 ラスベガス移転でレイダーズは球団史上初めてカリフォルニア州外にフランチャイズを置くことになり、ネバダ州では初のNFL誕生となる。

 

ブロンコスのQBキーナム(4)をタックルするレイダーズのDBジョセフ(AP=共同)
ブロンコスのQBキーナム(4)をタックルするレイダーズのDBジョセフ(AP=共同)

 フランチャイズ移転は利権が絡むので遺恨を残す。そして、いつも置き去りにされるのはファンだ。

 オークランド市のレイダーズファンはラスベガス移転後も応援し続けるのだろうか。同じベイエリア地区の49ersに乗り換えるのか、それとも全く別のチームに声援を送るのか。

 レイダーズのコアなファンは、パンクロッカーも顔負けの仰々しいメイクとコスプレをして、ブラックホールと呼ばれるコロシアムの一角に集まる。

 応援する地元チームを失うファンの心中は察するに余りある。NFLから「オークランド」の言葉が消えることにも一抹の寂しさを感じる。

生沢 浩 いけざわ・ひろし

名前 :生沢 浩 いけざわ・ひろし

プロフィール:1965年生まれ。上智大卒。1991年にジャパンタイムズ入社。大学時代のアメリカンフットボール経験を生かし、フットボールライターとしても活動。NHKーBSや日テレG+でNFL解説者を務める。「Pro Football Writersof America」会員。

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