メニュー 閉じる
スポーツ

スポーツ

週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

ハイズマン賞はオクラホマ大2年生QBマレー 米大学フットボール

2018.12.25 17:12 丹生 恭治 にぶ・きょうじ
2018年のハイズマン賞に選ばれたオクラホマ大の2年生QBカイラー・マリー(右)(AP=共同)
2018年のハイズマン賞に選ばれたオクラホマ大の2年生QBカイラー・マリー(右)(AP=共同)

 

 年の瀬のリポートは例年通り、米大学フットボールの2018年の個人賞で締めようと思う.。

 カレッジのスターであり、ゆくゆくはプロのNFLで活躍する大選手が多数いるのだが、全米王者とか、リーグ連覇とかを書く大学と違って、個人はどうも出てくる名前になじみが薄い。

 しかもQBやRB、レシーバーといった花のあるポジションとは別に、ラインあたりだと、よほどの有名人でもない限り、お初に耳にする人々だらけとなる。しかし、だからと言って素通りはできない。

 

 まず有名なところから。ハイズマン賞である。全米大学最優秀選手賞などと銘打ってはいるが、実際のポジションで見るとQB、RB、WRら。つまり攻撃チームのタレントたちが大半を占める。

 守備チームは無論のこと、攻守ともにラインの選手などは全くお呼びではないからこの辺が面白い。

 今ではこうした食い違いを解消するために、ポジションごとの表彰が普通なので、あまり気にせずに済みそうである。

 

 ではハイズマン賞の、正式には「ハイズマン・トロフィー」の受賞者は誰かということになるが、攻撃のスターも段々範囲が狭まってきた。

 決めたわけではないのだが、ボールキャリアでもなければ、レシーバーでもない。結局はパサー。つまりQBとなってきた。

 この変遷を書くとそれだけで終わってしまうのでやめるが、QBの存在感を考えると当然の結果である。

 

 12月上旬に発表された2018年の受賞者は、オクラホマ大の2年生QBカイラー・マレー。開幕前はアラバマ大のQBチュア・タゴバイロアが有力視されていたが、マレーに票が集まった。

 個人賞はいろいろな決め方があるが、このハイズマン賞は有力なフットボール記者に投票を依頼し、それを集計して決める。

 わが国では、今年亡くなられた「タッチダウン誌」創刊者の後藤完夫さんが真っ先に選ばれて、この職務に就いていた。

 

 オクラホマ大としては昨年のQBベイカー・メイフィールドに続き、2年連続の受賞となった。

 マレーはこのほかベストQB賞の「ダベイ・オブライエン賞」を獲得するとともに、AP通信の年間最優秀選手にも選ばれた。

 マレーは1年生の時はテキサス農工大でプレーし、オクラホマ大へは移ったばかり。先輩のメイフィールドが1年の時にテキサス工科大で1年プレーし、オクラホマ大に転校して受賞したのと同じケースだと、米国内では話題になった。

 

 野球では外野手としてプレーするマレーは、米大リーグの6月のドラフト会議でアスレチックスに1巡目(全体9番目)で指名され、契約金466万ドル(約5億2700万円)で合意。来春のキャンプに参加する意向を示している。

 AP通信によると、マレーは受賞前の記者会見で「可能ならば両方の競技をやりたい」と話し、米プロフットボールNFLの来年のドラフトで指名されるかにも注目が集まっている。

 

 「大魚」を逸したアラバマ大のタゴバイロアだが、プレイヤー・オブ・ジ・イヤーと銘打った「マクスウェル賞」、同じ趣旨の「ウォルター・キャンプ賞」をも合わせて獲得している。

 ベストRBの「ドク・ウォーカー賞」はウィスコンシン大のジョナサン・テイラー。ベストWRの「フレッド・ビレトニコフ賞」はアラバマ大のジェリー・ジョウデイ。ベストTEは「ジョン・マッケイ賞」といい、アイオワ大のT・Jホッケンソンが受賞した。

 ベストセンターを表彰する「リミントン・トロフィー」というのもあって、ノースカロライナ州立大のガレット・ブラッドバリーが選ばれた。

 

 守備ではベストDBにジョージア大のデアンドレイ・ベイカー、ベストLBがルイジアナ州立大(LSU)のデビン・ホワイト。インテリアラインマンを表彰する「アウトランド・トロフィー」は、ハイズマン賞並みに古くからある賞だが、今季はアラバマ大のクインネン・ウィリアムズが獲得した。

 

 このほかキッカーではシラキュース大のアンドレ・シズマイトとテキサス農工大のパンターのブランデン・マンら名前が発表された。

 またケンタッキー大のジョシュ・アレンは名LBとして知られているが、ディフェンシブ・プレーヤー・オブ・ジ・イヤーの「ベドナリック・アワード」と「ナガースキー・トロフィー」という二つの賞に輝いている。

 

 監督ではノートルダム大のブライアン・ケリー監督がコーチ・オブ・ジ・イヤーの「ホーム・デポ賞」に輝き、アラバマ大のマイク・ロックスリーはベスト・アシスタント・コーチとして「ブロイルズ賞」を獲得した。

 

 学業成績抜群のアカデミック・ハイズマンと呼ばれる「ウィリアム・V・キャンベル・トロフィー」には、クレムソン大の4年生DTクリスチャン・ウィッケンズが選ばれた。

丹生 恭治 にぶ・きょうじ

名前 :丹生 恭治 にぶ・きょうじ

プロフィール:1934年生まれ。関西学院大学卒業後、東京新聞社で運動記者としてスタートし、1962年に共同通信社へ移籍。著書に、中学時代から関学で親しんだアメリカンフットボール生活を描いた「いざいざいざ」がある。甲子園ボウルには高校時代と合わせて6度優勝。

最新記事