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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

さあ、甲子園ボウル 頑張れビッグベアーズ!

2018.12.13 11:19 中村 多聞 なかむら・たもん
筋力トレーニングに励む早稲田大学の控え選手
筋力トレーニングに励む早稲田大学の控え選手

 

 今週末の大学王者決定戦「甲子園ボウル」勝利に向けて、早稲田大学ビッグベアーズは総仕上げの段階に入りました。

 毎日の練習時にどこかしらのメディアが取材にいらしてくださり、選手たちの気分も盛り上がってきています。

 

 対戦する関西学院大学ファイターズは、僕が小学生の時に「アメリカンフットボール」というものを知った直後からズーッと気になる憧れの存在です。

 残念ながら入学して青いジャージーを身に纏うことはありませんでしたが、関西に住んでいればテレビや雑誌でいつも見かける、フットボール関係者でなくても誰もが知っている何十年間も強いマンマの学生界最強チームです。

 

 こんなモンスターにどうやって挑めばいいのか、僕のような技術指導専門家には細かい作戦のは分かりませんが、60分間みんなが精いっぱい力を出し切ることを祈るばかりです。

 もちろん直接指導しているランニングバック(RB)たちには秘策も含めて関西学院守備陣の攻め所はしっかりとレクチャー済みです。最強の組織には「個」で勝負するしかありません。気合いを入れて甲子園に乗り込みます。

 

しかし! いくらチームが甲子園ボウル出場とは言っても、早稲田大学に10人以上いるRB全員に出場機会があるわけではありません。

 彼らの2018シーズンは既に終了していると言うよりも、そもそも無かったものであり、2019シーズンがとっくに始まっているのです。来年のこの決勝戦に「、自分たちが主役で暴れまくるんだ!」をスローガンに、地道な鍛錬を続けています。

 

 何年か指導してみて「タモン式」は、そもそも体が強くなければ駄目なんだと分かりました。

 みんなは体が強くなる前にソコソコうまくなっているので、体が強くなくてもどうにかなるようなやり方でプレーしています。

 ですから簡単にけがをして気軽に練習や試合を休んだります。しかしそんな虚弱なままでは、自分を業界最強のランナーに仕上げることはできません。

 

 何度繰り返し走ってもスピードが落ちない体力。ラインマンより強い筋力。リーグでトップクラスの俊足。最後までやり抜く根性。絶対勝ちたい、負けたくないと思う強い意志。これらをバッチリ持っている人でないと駄目だということも分かりました。

 

 練習でも試合でも故障しやすいスポーツでありポジションですので、何しろけがをしないことが重要です。

 防ぎようのない事故もありますが、自爆やミスや防ぐことのできる事故が大半です。運の良し悪しもありますが、けがをしないことは全てにおいて優位になりますので、なるべくけがをしないよう細心の注意を払わなければなりません。

 

 現在指導している選手に、先ほど述べたようなフィジカルアビリティーが抜きん出ている人は多くありません。

 しかし過去の有名RBを振り返っても、どこかに強い特徴がある選手ばかりです。俊足、俊敏、筋骨隆々、テクニシャン、巨体、パワフルなどを自分の武器にランオフェンスを牽引していた人ばかりです。

 

 ですからまだ試合に出ていないベンチウオーマーへは、来季以降に自分が強くて速くてうまくてけがをしない選手になれるよう、とにかく基礎体力作りを推奨しています。

 「タモンコーチ、僕を鍛えてくれ」と手を上げる選手には、みっちりとやってもらっています。

 頑丈な体を築き上げ、強大な敵を真正面から粉砕することができれば、今のヤングが大好きな「作戦作戦また作戦」も100倍の効果が出るというものです。

 

 さあ、あと数日後に迫った甲子園ボウル。ズーッと頑張ってきたワセダの選手に与えられた最高の舞台でどんな体験をしてどんなことを感じて、最後にはどんな涙を流すのか楽しみでなりません。

 ビッグゲームでの心構えは授けました。あとはみんなが力を合わせてどれだけのことができるかです。頑張れビッグベアーズ!

中村 多聞 なかむら・たもん

名前 :中村 多聞 なかむら・たもん

プロフィール:1969年生まれ。幼少期からNFLプレーヤーになることを夢見てアメリカンフットボールを始め、NFLヨーロッパに参戦しワールドボウル優勝を経験。日本ではパワフルな走りを生かして、アサヒ飲料チャレンジャーズの社会人2連覇の原動力となる。2000年シーズンの日本選手権(ライスボウル)では最優秀 選手賞を獲得した。河川敷、大学3部リーグからNFLまで、全てのレベルでプレーした日本でただ一人の選手。現在は東京・西麻布にあるハンバーガーショップ「ゴリゴリバーガー」の代表者。

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