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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

過去最高のパフォーマンスでチーム牽引 チャージャーズのQBリバース

2018.11.28 12:08 生沢 浩 いけざわ・ひろし
サイドラインで笑顔を見せる、チャージャーズのQBリバース(AP=共同)
サイドラインで笑顔を見せる、チャージャーズのQBリバース(AP=共同)

 

 NFLチャージャーズのQBフィリップ・リバースが好調だ。

 

 間もなく37歳の誕生日を迎えるキャリア15年目のベテランだが、数字上も内容でも過去最高と言えるパフォーマンスを見せている。

 

 

 第12週のカージナルス戦では、29回の試投で25回連続を含む28回のパス成功という快挙を成し遂げた。

 

 試合開始時からの連続成功としてはマーク・バルジャー(元ラムズ)が2006年にマークした22回を超えるNFL新記録となった。

 

 

 今季のパス成功率は自己ベストに並ぶ69.5%で、このペースを維持すれば自身5度目となる4500ヤード超の獲得距離を稼ぐ計算になる。

 

 特筆すべきはパス効率を表す指数であるパサーレイティングで、今季通算で115・7(自己最高)。これまでの11試合で100を超えたのが9試合あり、最低でも91・7という高水準だ。

好調なパスでチームを引っ張る、チャージャーズのQBリバース(AP=共同)
好調なパスでチームを引っ張る、チャージャーズのQBリバース(AP=共同)

 

 

 リバースと言えば強肩を生かしたパッシングが象徴的だ。

 

 キーナン・アレンというロングパスターゲットのWRやランとパスキャッチの両方でエース級の活躍をするRBメルビン・ゴードンの人材を得たことに加え、相性のいいマイク・ウィゼンハント攻撃コーディネーターがゲームプランを構築していることがリバースの好調を支えている。

 

 チームも現在8勝3敗でAFCでは第5シードの位置につける。同地区首位のチーフス(9勝2敗)とは第15週に直接対決が予定されており、これが逆転地区優勝に向けての大一番となる。

 

 

 リバースはベン・ロスリスバーガー(スティーラーズ)やイーライ・マニング(ジャイアンツ)を輩出した2004年のドラフト1巡指名組の一人だ。

 

 もっと言えば、チャージャーズから全体1位指名を受けたマニングが入団を拒み、ジャイアンツが指名したリバースとドラフト指名直後にトレードされたという因縁を持つ。この3人の中ではリバースだけがスーパーボウルの出場経験がない。

 

 故障に強く、気持ちを前面に出してプレーするリバースはチャージャーズのファンでなくても好感が持たれている。

 

 

 2000年代の後半はTEアントニオ・ゲイツやRBラディニアン・トムリンソンといった好選手に恵まれてプレーオフの常連となり、AFC決勝まで駒を進めたこともあったが、いつもあと一歩で涙をのんできた。

 

 長いキャリアの中で主力選手の退団やヘッドコーチ交代という低迷期でも孤軍奮闘し、サンディエゴからロサンゼルスへの本拠地移転という大きな変化においてもチャージャーズ一筋にプレーしてきたのがリバースだ。

 

 

 その彼が今、再び大きなチャンスを迎えている。QBの選手寿命が長くなる傾向にあるとはいえ、リバースに残された時間はそう多くはない。

 

 この絶好の機会をどう生かすのか。レギュラーシーズン終盤のリバースとチャージャーズは注目に値する。

 

生沢 浩 いけざわ・ひろし

名前 :生沢 浩 いけざわ・ひろし

プロフィール:1965年生まれ。上智大卒。1991年にジャパンタイムズ入社。大学時代のアメリカンフットボール経験を生かし、フットボールライターとしても活動。NHKーBSや日テレG+でNFL解説者を務める。「Pro Football Writersof America」会員。

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