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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

テキサス農工大が延長7度の熱戦制す 米大学フットボール

2018.11.28 11:37 丹生 恭治 にぶ・きょうじ
TDを決めて喜ぶアラバマ大のWRスミス(6)とラッグス(AP=共同)
TDを決めて喜ぶアラバマ大のWRスミス(6)とラッグス(AP=共同)

 

 米大学フットボールは、11月の最終週あたりでレギュラーシーズンの幕が引かれる。

 あとは陸海両士官学校の定期戦や各リーグの優勝決定戦、何となく重々しい試合の後に、華々しくボウルゲームが始まる。

 

 しかし、大詰めといってもランキング校の試合はまだ20を数え、中には見出しで見られる通りの延長戦まで演じたカードもあった。

 7度の延長を展開したのは名門の南東リーグ(SEC)、ランク7位のルイジアナ州立大(LSU)が22位のテキサス農工大の本拠地、テキサス州のカレッジステーションに乗り込んでの一戦だった。

 テキサス農工大のカイルフィールドは10万1501人の大観衆で埋まり、期待通りの好ゲームが展開された。

 

 LSUが後半一気に引き離しにかかったのをテキサス農工大が必死に追い上げ、残り0秒、つまり自陣22ヤードから12プレーを費やして到達した相手の19ヤード線からの最終プレーで、QBケレン・モンドがWRカートニー・デービスへ貴重なTDパスを通して31―31で延長戦に突入した。

 ここから両校は互いに譲らず、目まぐるしい点の取り合いを展開した。

 

 簡単に延長戦に入ってからの得点経過を追うと、まずLSU。コール・トレイシーの50ヤードのFGが決まる。テキサス農工大の方は1年生のセス・スモールの23ヤードのFGで34―34。

 続いては農工大がケレン・モンドの3ヤードのランでTDを挙げれば、LSUもRBニック・ブロセットの3ヤードの突進でTDを返して41―41。

 同点のやり取りが展開されそうな気配を見せ始めた。その好例が三つ目の得点。LSUがあっさりとQBジョー・バ―ローからWRケリー・アンダーソンへの25ヤードのパスを決めると、農工大もモンドがケンドリック・ロジャーズへ一気にTDパスを通す互角の展開となった。スコアは49―49。

 

 延長戦が相手陣25ヤード線から攻撃を始めるのはご承知の通り。そのほか、1997年のルール改正で、延長の3度目の攻撃から2点のコンバージョンが義務付けられている。

 両校はこれもクリア。4本目は農工大が21ヤードの、LSUが26ヤードのFGをそれぞれ決め、52―52。5本目は互いにTDを挙げたものの2点のTFPに失敗し、58―58となった。

 

 テキサス農工大から始まった第6ラウンドは、モンドがTEジェイス・スタンバーガーへ25ヤードのTDパスを通しTFPにも成功。LSUはバーローが4ヤードのTDランの後、2点のパスに成功と、互いに譲らぬ展開となった。

 

 しかし第7ラウンド、LSUはQBバーローの10ヤードの突進でTDを奪ったが2点コンバージョンに失敗。相手の攻めを待つ状態となった。

 テキサス農工大はモンドが第4ダウンにWRデービスへ17ヤードのパスを投じてTD。ロジャーズへのパスにも成功して2点を加え、74―72で貴重な勝利を手にした。

 

 このほかの大一番はビッグ12の首位をかけた一戦。6位オクラホマ大が13位ウエストバージニア大と死闘を展開し、第4Qの2TDで59―56で勝利をものにした。

 

 この時期になると、同一の州での王座戦がよく行われる。有名なのはアラバマ大とオーバーン大だが、今年はランク首位のアラバマ大がQBティア・タゴバイロアの活躍で52―21とオーバーン大を寄せ付けなかった。

 太平洋12大学では西海岸でそれぞれ同じ州での決戦を行っている。注目はワシントン州で、16位のワシントン大が8位のワシントン州立大に勝負を挑み、28―15と番号狂わせを演じた。

 

 ビッグ10は有力校の決戦スタイル。ランク4位のミシガン大が10位のオハイオ州立大の地元コロンバスに乗り込んで、リーグ制覇かとみられていたが、伝統の一戦ともなるとそう簡単に事は運ばない。

 正念場の第3Q、オハイオ州立大は17点を記録するとともに、ミシガン大を0点に封じ、この勢いのまま62―39で快勝した。

 

伝統の一戦は、白いジャージーのノートルダム大が南加大に快勝した(AP=共同)
伝統の一戦は、白いジャージーのノートルダム大が南加大に快勝した(AP=共同)

 ランク上位校は2位のクレムソン大が56―35でサウスカロライナ大をかわし、3位の独立校ノートルダム大は南カリフォルニア大(南加大)との伝統の一戦を24―17で制して、ともに全勝を守った。

 アメリカン体育連盟で全勝をキープするランク9位のセントラルフロリダ大はサウスフロリダ大を38―10で退けた。5位ジョージア大は45―21でジョージア工科大に勝った。

丹生 恭治 にぶ・きょうじ

名前 :丹生 恭治 にぶ・きょうじ

プロフィール:1934年生まれ。関西学院大学卒業後、東京新聞社で運動記者としてスタートし、1962年に共同通信社へ移籍。著書に、中学時代から関学で親しんだアメリカンフットボール生活を描いた「いざいざいざ」がある。甲子園ボウルには高校時代と合わせて6度優勝。

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