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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

【編集後記】Vol.260

2018.11.22 15:26 宍戸 博昭 ししど・ひろあき

 

サイドラインで戦況を見つめる日大のQB林大希選手(11)と橋詰功監督=11月17日・横浜スタジアム
サイドラインで戦況を見つめる日大のQB林大希選手(11)と橋詰功監督=11月17日・横浜スタジアム

 

 青い空と緑の人工芝に、赤いユニホームがよく映えた。

 11月17日、横浜スタジアム。「危険な反則タックル問題」で、関東学生アメリカンフットボール連盟から2018年度シーズン終了まで、公式戦の出場資格停止処分を受けている日大が、社会人の明治安田、富士ゼロックス、BULLSの合同チームとの練習試合で、約半年ぶりに実戦の舞台に立った。

 

 多くの報道陣が見守る中「フェニックス」の面々は、時折笑顔を見せながら、伸び伸びとプレーしていた。

 試合ができる喜びが伝わってきた。

 

社会人の合同チームとの練習試合の後、スタンドに向かって一礼する日大の選手たち=11月17日・横浜スタジアム
社会人の合同チームとの練習試合の後、スタンドに向かって一礼する日大の選手たち=11月17日・横浜スタジアム

 一礼してフィールドに向かい、サイドラインに戻るとまた一礼。

 昨季、史上初めて1年で年間最優秀選手(チャック・ミルズ杯)に輝いたエースQB林大希選手をはじめ、日大の選手はみんなそうしていた。

 

 公式戦とは違い、勝敗が意味を持たない練習試合とはいえ、日大は〝復帰戦〟を51―6という大差の勝利で飾った。

 部に残った4年はサポート役に回り、3年以下の約70人がほぼ全員出場した。

 

 「小さなことを一つ一つ積み重ねていくしかない」。目標にしていた「反則0」は達成できなかったが、就任から3カ月が経過した橋詰功監督は、学生とともに信頼回復に向け地道な努力を続けている。

 

 日大を取り巻く環境は、依然として厳しい。反則タックル問題の影響は高校生のリクルートを含め、様々な形でチームに暗い影を落としている。

 

 一方、フェニックスの復活を心待ちにするファンや関係者も少なくない。

 急に決まった練習試合には、ボウルゲームなどを担当する経験豊富なベテラン審判員の方たちが、スケジュールを調整し手を上げてくれたと聞く。

 試合の性質上、そうせざるを得なかった側面もあるが、ありがたい話である。

社会人合同チームとの練習試合を見守る日大の保護者たち=11月17日・横浜スタジアム
社会人合同チームとの練習試合を見守る日大の保護者たち=11月17日・横浜スタジアム

 

 「涙が出てきました」。青空の下、スタンドに向かって一礼する学生の姿に、試合の模様を熱心にSNSで速報していた日大OBは、しみじみそう言った。(編集長・宍戸博昭)

宍戸 博昭 ししど・ひろあき

名前 :宍戸 博昭 ししど・ひろあき

プロフィール:1982年共同通信社入社。運動記者として、アトランタ五輪、テニスのウィンブルドン選手権、ボクシングなどスポーツ全般を取材。日本大学時代、「甲子園ボウル」にディフェンスバック、キックオフ、パントリターナーとして3度出場し、2度優勝。日本学生選抜選出。NHK―BSでNFL解説を20年以上務めている。

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