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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

好調の2チームが熱戦展開 NFL第11週、チーフス対ラムズ

2018.11.21 15:09 生沢 浩 いけざわ・ひろし
健闘をたたえ合うラムズのマクベイHC(右)とチーフスのリードHC(AP=
共同)
健闘をたたえ合うラムズのマクベイHC(右)とチーフスのリードHC(AP= 共同)

 9勝1敗同士の対戦となった第11週のラムズ対チーフスの試合は、史上まれにみるハイスコアリングな好ゲームとなった。

 

 スーパーボウルでリマッチが実現してもおかしくないほど好調の2チームの組み合わせは両軍合わせて105点、14TDというシュートアウトになった。

 

 

 この試合の総得点はマンデーナイトゲームとしては史上最多で、NFL記録の113にも迫る勢いだった。

 得点だけを見れば大味な印象を受けるが、第4Qに4回もの逆転劇が起きるなど最後まで行方の分からない見応えのある展開が続いた。

 

 

 オフェンスによる獲得距離は合計1001ヤード。オフェンス偏重かと思いきやディフェンスではラムズが3インターセプト、チーフスが5サックと見せ場を作った。

 

 何よりも現在のNFLの傾向を象徴する試合だったことが印象深い。

 

 

スタンドのファンに身につけていたものを投げるラムズのQBゴ
フ(AP=共同)
スタンドのファンに身につけていたものを投げるラムズのQBゴ フ(AP=共同)

 まず、成長著しい若いQBが存分に活躍したことが挙げられる。NFL3年目のジャレッド・ゴフ(ラムズ)は49試投で31回の成功、413ヤード、4TDパス成功でレーティングは117・1の好スコアをたたき出した。

 

 チーフスのパトリック・マホームズはNFL2年目だが、先発は1年目。3インターセプトを喫しながらも46試投33回の成功、478ヤード、6TDパス成功でレーティング117.6をマークした。

 

 両チームのQBが110を超えるレーティングを記録する試合は珍しい。

 

 

 ゴフは絶妙のタイミングでレシーバーにヒットするロングパスを披露し、マホームズは「ショータイム」のニックネーム通り、ビッグプレーでTDを量産した。

 

 3時間42分に及ぶ長丁場の試合が退屈に思えなかったのは、この二人のQBの活躍によるところが大きい。

ラムズのDEドナルドにサックされ、ボールをファンブルするチーフスのQBマホームズ(15)(AP=共同)
ラムズのDEドナルドにサックされ、ボールをファンブルするチーフスのQBマホームズ(15)(AP=共同)

 

 

 今季は高得点の試合が多いが、その理由の一つはフィールドを広く使うスプレッドフォーメーションを最大限に活用し、スピードある選手の能力を引き出すことにある。これも最近のNFLの特徴の一つだ。

 

 ラムズもチーフスもこうした戦術を得意としており、ラムズのWRブランドン・クックスは8回のレシーブで107ヤード、チーフスのWRタイリーク・ヒルは10キャッチで215ヤードという驚異的な数字を残した。

 

 ビッグプレーが多く生まれたことも、この試合が高得点でなおかつスリリングな展開が終盤まで続いた理由だ。

 

 

 この試合はもともとメキシコのアステカスタジアムで行われる予定だった。

 しかし、フィールドの状態がNFLの基準を満たさないとの理由で急遽ロサンゼルスでの開催に変更された。

 

TDパスをキャッチするラムズのTEエバレット(81)(AP=共同)
TDパスをキャッチするラムズのTEエバレット(81)(AP=共同)

 チケットを買っていたメキシコのファンはさぞかし残念だったことだろう。それどころか、NFLはこれだけの好カードを国外で行うことをよしとせず、国内開催にしたのではないかといううがった見方までしてしまう。それほどこの試合は面白かった。

 

 

 あえてここまで試合の結果は触れずにきた。それは、可能であれば結果を知らずにこの試合を見てほしいからだ。

 

 少なくともNFLの公式サイトなどでハイライトをご覧いただきたい。今季のNFLを代表する試合を見ることができ、スリリングなシーソーゲームを堪能できることを保証する。

 

生沢 浩 いけざわ・ひろし

名前 :生沢 浩 いけざわ・ひろし

プロフィール:1965年生まれ。上智大卒。1991年にジャパンタイムズ入社。大学時代のアメリカンフットボール経験を生かし、フットボールライターとしても活動。NHKーBSや日テレG+でNFL解説者を務める。「Pro Football Writersof America」会員。

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