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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

アラバマ大が2週連続完封勝ち 米大学フットボール

2018.11.13 14:36 丹生 恭治 にぶ・きょうじ
ミシシッピ州立大のWRミッチェル(87)をタックルするアラバマ大守備陣(AP=共同)
ミシシッピ州立大のWRミッチェル(87)をタックルするアラバマ大守備陣(AP=共同)

 

 1970年代を過ぎたころ、急に本場米国チームの来訪が続くようになった。71年のユタ州立大を皮切りに、ハワイ大、ウェークフォレスト大と続いて日本のフットボール界もにわかに活気づいた。

 それまで本場のチームといえばテキサス大だ、オクラホマ大だ、サザンキャル(USC)だという名をファンが口の端に上げ、そのついでに「UCLAってのがあるけど正式には何と呼ぶか知ってるかい」と、かわいい知識をひけらかしていたものである。UCLAはカリフォルニア大ロサンゼルス校のことである。


 この当時のファンがやがて、ロッキー山系にユタ州という州があり、そこにはブリガムヤング大というミッション系の教育機関がある、などと米国通になるにはさほど時間はかからなった。

 チャック・ミルズさんがこのユタ州立大を率いて来日し、私たちと仲良くなったその2年後に、今度はウェークフォレスト大の監督として再び私たちの前に立った時は、米国の指揮官の異動の目まぐるしさに驚いたものだが、そんなケースが日常茶飯事と気が付いてみると、いちいちびっくりすることではないと納得もできた。

 

 今、こうしてフットボール報道は、米国の成り行きを週ごとに紹介するまでに進化してきた。

 向こうの木曜日から土曜日にかけての試合を一つずつ点検して、必要なものを取り出し、整理して読者の方々に見ていただいているが、その中でもかつて手探り状態で字にしてきたチーム名などは、まことにいとおしく懐かしい。

 たとえば今週、番狂わせの点検に取り掛かると、そのうちの懐かしい名が真っ先に登場した。

 

 11月8日木曜日の目玉商品で、ランク14位のノースカロライナ州立大がウェークフォレスト大を迎え撃った大西洋岸リーグ(ACC)の試合である。

 前半こそランク校の意地でノースカロライナ州立大が13―3とリードしたものの、ハーフタイムに陣容を立て直したウェークフォレスト大が第3Qに10点、最終Qには14点をたたみかけ、27―23と逆転勝ちした。

フロリダ州立大戦で、タックルをかわして前進するノートルダム大TEマック(86)(AP=共同)
フロリダ州立大戦で、タックルをかわして前進するノートルダム大TEマック(86)(AP=共同)

 

 ランク外のチームがランク校を倒す「番狂わせ」は毎週チェックしているが、この週は計4試合で、これがそのうちの一つとなった。

 ウェークフォレスト大は「あのチームがねえ」と言われそうな、あまり強くないチームである。それだけにちょっぴりうれしかった。

 

 この他の番狂わせは山岳西部連盟(MWC)でランク外のボイジー州立大が23位に顔を出したフレズノ州立大を24―17で破り、南東リーグ(SEC)ではランク外の名門テネシー大が11位のケンタッキー大に24―7で快勝した。

 ビッグ10ではノースウエスタン大が21位のアイオワ大を14―10で倒した。もっともこの3ケース、ランク上では「番狂わせ」扱いだが、実際の力から見ればいたって「順当」な結果だと思いたい。

 

 ランキング校が登場するカードは20試合を数えた。うちランキング校同士の「大一番」は4試合だった。

 特筆すべきはやはりアラバマ大だろう。前週、ルイジアナ州立大(LSU)を完封してシャットアウトの価値について少し語ったが、それを2週連続でやってのけるとは、このアラバマ大という名門古豪の力のほどを、あらためて知る結果となった。

 

 相手は16位のミシシッピ州立大である。今季はSECの中でもあまりランキングから外れないでここまで来た。

 大一番にふさわしいカードといえたが、アラバマ大は前半に3TDを奪うと同時に、守備陣が前週に続いて再び大活躍。24―0で2週連続の完封勝利を収めた。

 アラバマ大の残りの日程は格下のシタデル大に胸を貸した後、全勝を目指して24日のオーバーン大との決戦に臨む。

 

 他の大一番にも触れねばなるまい。ACCでは2位のクレムソン大は17位のボストンカレッジと対戦。クレムソン大は例によって、各Qにまんべんなく得点し、失点も第1Qに1TDを失っただけで27―7と快勝した。

力強い走りを披露したジョージア大のRBスウィフト(7)(AP=共同)
力強い走りを披露したジョージア大のRBスウィフト(7)(AP=共同)

 SECでは5位ジョージア大が第2Qに大量17点を奪って24位のオーバーン大を圧倒、27―10で勝った。

 ビッグ10では10位のオハイオ州立大が18位のミシガン州立大と競り合い、最終Qの17点にものを言わせて26―6で快勝した。

丹生 恭治 にぶ・きょうじ

名前 :丹生 恭治 にぶ・きょうじ

プロフィール:1934年生まれ。関西学院大学卒業後、東京新聞社で運動記者としてスタートし、1962年に共同通信社へ移籍。著書に、中学時代から関学で親しんだアメリカンフットボール生活を描いた「いざいざいざ」がある。甲子園ボウルには高校時代と合わせて6度優勝。

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