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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

アラバマ大がLSUを完封 米大学フットボール

2018.11.7 16:25 丹生 恭治 にぶ・きょうじ
LSU戦で44ヤードのTDランを記録したアラバマ大QBタゴバイロア(13)(AP=共同)
LSU戦で44ヤードのTDランを記録したアラバマ大QBタゴバイロア(13)(AP=共同)

 

 米カレッジフットボールで、無得点の敗戦というのは比較的珍しい。毎週山のように入ってくる試合結果を整理しながら、シャットアウト負けはどうあっても避けたいというチームの意思のような物を感じることが多い。

 たまたま手元にあるランキング校の、11月第1週の結果21試合分にもその傾向が顕著に表れている。

 

 例えばこの週のネバダ大ラスベガス校だが、この日はランキング23位に上がってきたフレズノ州立大に挑む日程だった。

 同校にとっては歯が立たない相手とあって、前半は何とか食い下がったものの、後半一気に4TD、1FGを奪われた。それでもネバダ大ラスベガス校は第4Q、最後の力を振り絞って1FGを返し、辛くも完封負けの屈辱を逃れている。

ネブラスカ大WRスピールマン(10)をタックルするオハイオ州立大の守備陣(AP=共同)
ネブラスカ大WRスピールマン(10)をタックルするオハイオ州立大の守備陣(AP=共同)

 48―0も48―3も同じだろうと考えるファンいるだろうが、米国ではまずそのような考え方にお目にかからないのが普通である。TDなら無論のこと、FGでも得点は得点である。「無得点」とは違うのである。

 

 その空気の中で、開幕以来ランキング首位をキープし続けてきた南部の雄アラバマ大が、なんと3位に上がってきたルイジアナ州立大(LSU)を29―0とシャットアウトしたのである。まさかと思いたくなる一方的なスコアである。

 しかもLSUの本拠地、収容人員10万2000人のタイガースタジアムに詰めかけた多くの地元ファンの前で繰り広げられた試合だ。

 どのような気持ちでファンがこの日の結果を受け止めたかは、想像に余りある。ちなみにLSUは、2年前の2016年にもこの場所で行われたアラバマ大戦で0―10と完封されている。

 

 こうなるとこれはもう何かの因縁といってしまった方がいいのかもしれない。
 この試合の立役者はアラバマ大の2年生QBチュア・タゴバイロア。昨年は77本のパスしか投げていないにもかかわらず、11TDをマークして一躍注目される存在となった。

 この日も前半にパスで2TD。第3Qには44ヤードの快走を演じて自らTDを記録するなど、攻撃力でLSUを圧倒した。

 このゲームを見る限りでは、アラバマ大は完全に独走状態。南東リーグ(SEC)の優勝争いは、これで西地区は単独首位。東の首位はジョージア大で結局SECはこの両校の争いとなりそうだ。

 

 ランキング2位には大西洋岸リーグ(ACC)アトランチック地区のクレムソン大が9戦全勝で健闘している。ルイビル大から記録的な大量点を奪い、77―16と大勝した。

 選手権戦のランキング投票もも始まっており、この2強はまず動くまい。これに独立校のノートルダム大が続く。あと3ゲームだが、全勝でレギュラーシーズンを乗り切れるかどうか。

 フロリダ州立大、シラキュース大、南加大とうるさい相手ばかりが残っているが、3校とも今季の評価はそれほどでもないので、油断さえなければ全勝での選手権出場は難しくない。

 

ゴール前1ヤードから自らボールを持ち込んでTDを挙げた、ミシガン大QBパターソン(AP=共同)
ゴール前1ヤードから自らボールを持ち込んでTDを挙げた、ミシガン大QBパターソン(AP=共同)

 続いてはビッグ10のミシガン大がペンシルベニア州立大に42―7と大勝して注目された。

 ライバルのオハイオ州立大がネブラスカ大との一戦で36―31と苦しみ、ビッグ12のオクラホマ大もテキサス工科大に辛勝するなど、選手権のランキング争いではミシガン大に分のある流れとなっている。

 また序盤戦で一歩後退していたSECのジョージア大も、その後じりじりと順位を回復して、この週は6位まで戻していた。

 ランク9位のケンタッキー大との大一番は34―17で勝った。ここで再び持ち上がったアラバマ大との優勝決定戦話で盛り上がっている。

 

 このほかランク校同士の大一番、ビッグ12ではランク13位のウエストバージニア大と17位のテキサス大の試合はスリルに富んだ点の取り合いを展開した。

 前半はテキサス大28点、ウエストバージニア大27点で折り返し、後半も1点を争う大接戦。結局ウエストバージニア大が42―41でテキサス大を下した。

 

 ランク校敗退の番狂わせは5試合ほどあり、SECでミズーリ大が11位のフロリダ大を28―17で下したのをはじめ、オーバーン大が28―24で20位のテキサス農工大を破っている。

ボールに飛びつくオーバーン大のWRスレイトン(81)(AP=共同)
ボールに飛びつくオーバーン大のWRスレイトン(81)(AP=共同)

 ビッグ10ではパーデュー大が38―36で16位のアイオワ大を倒し、太平洋12大学では、アリゾナ州立大が15位のユタ大を38―20で下した。ACCではピッツバーグ大が25位のバージニア大に23-13で勝った。 

丹生 恭治 にぶ・きょうじ

名前 :丹生 恭治 にぶ・きょうじ

プロフィール:1934年生まれ。関西学院大学卒業後、東京新聞社で運動記者としてスタートし、1962年に共同通信社へ移籍。著書に、中学時代から関学で親しんだアメリカンフットボール生活を描いた「いざいざいざ」がある。甲子園ボウルには高校時代と合わせて6度優勝。

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