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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

ランキング校が相次いで敗れる 米大学フットボール

2018.10.31 15:44 丹生 恭治 にぶ・きょうじ
伝統の定期戦は、白いジャージーのノートルダム大が海軍士官学校に快勝(AP=共同)
伝統の定期戦は、白いジャージーのノートルダム大が海軍士官学校に快勝(AP=共同)

 

 米大学フットボールのレギュラーシーズンも、早いもので11月を残すのみとなった。

 全米大学体育協会(NCAA)フットボール部門のボウルサブディビジョン(FBS)は大詰めを迎え、間もなく選手権試合出場校を決めるランキング投票、各リーグの優勝決定戦、各地のボウルゲーム出場校等々、檜舞台を彩る優秀校が次々と名乗りを上げる。

 

 10月の最終週はランク1位を守り抜いてきたアラバマ大をはじめ、ベスト10をキープするルイジアナ州立大(LSU)、ミシガン大、全勝を注目されるセントラルフロリダ大などがそれぞれ休みを取り、大詰めに向けて準備を整えた。

 

 ランキング校が登場した試合は、この週は17試合。記者投票のランキングで数えると、20校が栄光の地位をめぐってしのぎを削った。

 大西洋岸連盟(ACC)のリーダーでランク2位につけるクレムソン大は名門フロリダ州立大の本拠へ乗り込み、今季のレベルそのままに69―10と大勝した。

 3位を守る独立校の雄ノートルダム大は、港町サンディエゴで海軍士官学校との定期戦。好調に滑り出して44―22のダブルスコアで快勝した。

 

 多くのチームはこの時期、リーグ戦を行っているのが普通で、6位テキサス大とランク外のオクラホマ州立大のカードなどはその典型である。

 ランキングではテキサス大が上だが、毎年のように戦う相手だけに、手の内は互いに百も承知。とりわけ下位に付けるチームとしては、ここで一泡と手ぐすねを引いて待ち構える。

 ここで取り上げた試合などはまさしくその好例。上々の滑り出しを見せたオクラホマ州立大は、第1Qに17点、第2Qには14点と前半で31―14と先手を取り、後半のテキサス大必死の追い上げをかわして38―35と白星をものにした。

 

 ランク校同士の対戦はこの週3試合。大一番として注目されたのはランク9位のフロリダ大が7位のジョージア大に挑んだ南東リーグ(SEC)ならではの好カード。

 しかし結果はジョージア大36点、フロリダ大17点とこれまたダブルスコアでジョージア大が大勝した。

 現在のランクでは同じような順位ではあるが、これまでのランキングの流れを考えてみると、ジョージア大は当初から2位を占めた強豪。フロリダ大は10月の声を聞いてランクインした新顔。やはりジョージアが強かったんだなとの結論が出てしまったといえよう。

 

 もちろん大一番は大一番だけあって、あとの二つはかなりの接戦。太平洋12大学リーグでは、14位のワシントン州立大が24位スタンフォード大の本拠へ乗り込み、前半から息詰まる得点争いを展開した。

 スタンフォード大が前半4本のTDを重ねて28―17とリードしたが、ワシントン州立大は後半、それも第4Qの猛攻で17点をマーク。41―38の小差でスタンフォード大を退けた。

 

 ビッグ10では17位ペンシルベニア州立大が、18位アイオワ大をホームに迎えてリーグの主導権争い。

パスをキャッチするペンシルベニア州立大のWRハムラー(1)(AP=共同)
パスをキャッチするペンシルベニア州立大のWRハムラー(1)(AP=共同)

 アイオワ大は好調なスタートを切ったが、ペン州立大は第2Qから第3Qにかけて手堅く試合を進め、30―24でアイオワ大を振り切った。

 このほかビッグ12では8位のオクラホマ大がカンザス州立大に51―14と大勝し、SECでは12位のケンタッキー大が試合終了間際の粘りで、15―14と際どくランク外のミズーリ大を下した好ゲームも目立った。

 

 しかし、見出しをご覧いただきたい。「荒れた」とある。実はこれまで示してきたランク校以外は、軒並みランク外のチームに痛めつけられているのである。その惨憺たる有様を拾い上げてみる。

 まず太平洋12大学。カリフォルニア大が15位のワシントン大に12―10と黒星をつけた。アリゾナ大は19位のオレゴン大を44―15と圧倒した。

 SECではミシシッピ州立大が、16位のテキサス農工大を28―13で倒した。ビッグ10ではノースウエスタン大が31―17で20位のウィスコンシン大を破っている。

 

 アメリカン体育連盟(AAC)では、ヒューストン大がランク21位へ上がってきた南フロリダ大を57―36で退け、ACCではシラキュース大が51―41とランク22位のノースカロライナ州立大に競り勝った。

 サンベルト連盟(SBC)ではジョージア南部大が、25位のアパラチアン州立大を34―14で下している。

 このほか監督投票ではACCのマイアミ大(フロリダ)が25位になったものの、ランク外のボストンカレッジに14―27と苦杯を喫した。

相手のボールキャリアにハードタックルを浴びせるボストンカレッジのLBリチャードソン(14)(AP=共同)
相手のボールキャリアにハードタックルを浴びせるボストンカレッジのLBリチャードソン(14)(AP=共同)

 

丹生 恭治 にぶ・きょうじ

名前 :丹生 恭治 にぶ・きょうじ

プロフィール:1934年生まれ。関西学院大学卒業後、東京新聞社で運動記者としてスタートし、1962年に共同通信社へ移籍。著書に、中学時代から関学で親しんだアメリカンフットボール生活を描いた「いざいざいざ」がある。甲子園ボウルには高校時代と合わせて6度優勝。

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