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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

【編集後記】Vol.256

2018.10.26 10:00 宍戸 博昭 ししど・ひろあき
来春に創部する京都両洋高アメリカンフットボール部のヘッドコーチに就任する水野彌一さん
来春に創部する京都両洋高アメリカンフットボール部のヘッドコーチに就任する水野彌一さん

 

 夜の新宿。健啖家の元京大監督・水野彌一さんは、その日も旺盛な食欲を示していた。出された料理を、78歳とは思えない勢いで豪快に平らげていく。

 

 水野さんは「危険な反則タックル問題」で揺れた日大フェニックスの監督候補だった。

 「日大のような立派なチームが、このまま終わってしまうのはもったいない。フットボール界に恩返しする意味でもお役に立ちたい」と、監督就任に意欲を示していた。しかし、それは実現しなかった。

 

 その水野さんが、来春に創部する京都両洋高アメリカンフットボール部のヘッドコーチに就任する。

 「引き受ける以上は、全力で取り組む」。請われて昨年まで2シーズンを過ごした立教大でのシニアアドバイザーという立場はもどかしく、「現場で直接指導したい」という思いがくすぶっていたのも確かだった。

 

 京都両洋高の監督に就任する木戸宗子郎さん(名城大OB)は、水野さんが2012年から3年間監督を務めた追手門学院でコーチをしていたいわば教え子だ。

 弟子の熱心な誘いに「一肌脱ぎましょう」と男気を発揮するあたりは、いかにも水野さんらしい。

 

 一時体調を崩した水野さんは、今はすこぶる元気である。普段はほとんど口にしないお酒をちょっぴり飲みながら、話題はフットボールの戦術から国際情勢と多岐にわたる。

 

 京大を日本一に4度、学生日本一に6度導いた。スポーツの最大の目的は「勝つこと」としながら、そこに至るプロセスも大切にする。

 

 名将が語る人生哲学は深く、高校生には難解かもしれないが、フットボールを通じて「人間・水野彌一」と過ごす日々は貴重な体験で、きっと将来の糧になるはずである。(編集長・宍戸博昭)

宍戸 博昭 ししど・ひろあき

名前 :宍戸 博昭 ししど・ひろあき

プロフィール:1982年共同通信社入社。運動記者として、アトランタ五輪、テニスのウィンブルドン選手権、ボクシングなどスポーツ全般を取材。日本大学時代、「甲子園ボウル」にディフェンスバック、キックオフ、パントリターナーとして3度出場し、2度優勝。日本学生選抜選出。NHK―BSでNFL解説を20年以上務めている。

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