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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

オハイオ州立大、ジョージア大に土 米大学フットボール

2018.10.23 14:00 丹生 恭治 にぶ・きょうじ
オハイオ州立大を破ったパーデュー大のRBノックス(1)(AP=共同)
オハイオ州立大を破ったパーデュー大のRBノックス(1)(AP=共同)

 

 10月も半ばを過ぎ、全米大学体育協会(NCAA)のフットボールもいよいよ終盤戦を迎えた。

 あまり波風の立っていなかったランキング上位校が、少しざわめいてきた。

 前半の6試合を無難に終えて、さあいよいよ後半戦と力を入れ直した矢先、ランク2位をキープしていた南東リーグ(SEC)のジョージア大が、5年ぶりの対決となったルイジアナ州立大(LSU)に16―36と今季初黒星を喫した。中身は完敗で僅差で制した5年前の返り討ちを食らったことになる。

 

 このあとの2位に座に座ったのが、ビッグ10のオハイオ州立大だったが、首位アラバマ大への挑戦の足掛かりをとの目論見もむなしく、パーデュー大に20―49と、これまた大敗した。

 かつて2013年の対戦で56―0と大勝した時の仇を取られたような試合であった。

 

 ランク2位チームの相次ぐ「受難」。前回アラバマ大とジョージア大の対戦が楽しみなどと勝手なことを書き散らかしていたが、実現は難しい。

 さてここで読者の方々の疑問が少し渦巻かけてきたようだ。「なぜ、同じリーグ同士なのに、5年も間隔を空けて試合をするのか」と。この疑問は地区の違いで考えると、簡単に解決する。

 

 例えばアラバマ大が所属するSECだが、ここは参加14校。7校ずつ東西2地区に分かれる。

 原則として同一地区では総当たりで6試合がこれに費やされる。順番が少し変わるが、他リーグとの対戦も重要な責務である。

 多くのチームはこれに3、4試合ほどを充てる。となるとSECのもう一つの地区との対戦は、結局2試合ほどとなる。少ない? とお感じになるかもしれないがこの数、他のリーグでも同じようなものである。

 

 近年、1年間の試合数が11から12へ増えたが、それでも所属する西地区6戦、他リーグ4戦、他地区2戦と数えてくると、あっという間に予定はいっぱいになる。

 11試合の時代だと当然、もっと厳しい。数合わせはこれまでにして、当然こうした勝ち負けでランキングの順位も変わってくる。

 

 黒星を喫することなく、じわじわと順位を上げてくる、あるいはランクを落とすことを知らない強豪たちがこの時期になると上位にたまってくる。

 当たり前だが首位のアラバマ大、続いては大西洋岸リーグ(ACC)のクレムソン大。そしてどこのリーグにも所属していない独立校と呼ばれるグループに君臨する名門ノートルダム大。この辺りが土つかずの健闘を示して、ランキングの上位を占めている。

 

 次に1敗組が何校か名乗りを上げる。LSU、ミシガン大。そして話題のジョージア大とオハイオ州立大、名門テキサス大、オクラホマ大が続く。これらに負けじと無敗のセントラルフロリダ大も登場する。

番狂わせを演じ、スタンドのファンに声援を求めるパーデュー大のCバーロン(AP=共同)
番狂わせを演じ、スタンドのファンに声援を求めるパーデュー大のCバーロン(AP=共同)

 

 今、ここに取り上げた10校ほどのランク上位校はまもなくNCAAのもう一つの話題として、新年の選手権大会と絡んでくる。

 

 この選手権大会は、出場校の選び方がユニークである。まずカレッジフットボールについての有識者が十数人投票者として選び出され、現在のランキング作りと同様に、有力校連記の投票で、大会出場の4校を選出する仕組みになっている。

 投票者もいくら豊かな知識を持っていても、いきなり1部に当たる130校の名を突き付けられて「さあ、選べ」とやられては、少し時間をもらわざるを得ないが、ここでフットボール記者、有力校の指導者らが何週間にわたって決めてきたランキングが役に立つことになる。持ちつ持たれつだなあと、このところ少し感心している。

 

 この2週間では、勝手に私が「大一番」と呼んでいるランク校同士の対戦が、月半ばで3試合、次の週で4試合あった。

 その中でジョージア大の黒星が発生したことになる。オハイオ州立大の分は、もう一つランク外のチームがランク校を倒すケースで、ここでは番狂わせ、または少し誇張して大番狂わせとしている分である。

 

 特にこの2週間はこうした波乱が多めに起きたので、その辺を少し紹介して本稿を閉じたい。

 月半ばは、ミシガン州立大が8位のペンシルベニア州立大を21―17で倒し、太平洋岸では南加大が31―20で19位のコロラド大を退けた。

 ほかにも南部ではバージニア大が16位のフロリダのマイアミ大に16―13で競り勝ち、SECではテネシー大が21位のオーバーン大を30―24で倒した。

 

 10月20日の波乱は、先に述べたオハイオ州立大の黒星のほかに、東部のテンプル大が20位のシンシナチ大を24―17で破った。

丹生 恭治 にぶ・きょうじ

名前 :丹生 恭治 にぶ・きょうじ

プロフィール:1934年生まれ。関西学院大学卒業後、東京新聞社で運動記者としてスタートし、1962年に共同通信社へ移籍。著書に、中学時代から関学で親しんだアメリカンフットボール生活を描いた「いざいざいざ」がある。甲子園ボウルには高校時代と合わせて6度優勝。

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