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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

白星重ねるランク上位校 米大学フットボール第4週

2018.9.27 15:19 丹生 恭治 にぶ・きょうじ
テキサス農工大戦でTDパスをキャッチするアラバマ大WRスミス(AP=共同)
テキサス農工大戦でTDパスをキャッチするアラバマ大WRスミス(AP=共同)

 

 波乱、番狂わせはないわけじゃないが、今季は比較的順当な結果が続いている。

 ランキングトップのアラバマ大は、好敵手テキサス農工大をホームに迎え、全米で一番の好カードに臨んだが、同じランキング校といっても22位とではやはりその差は歴然。第1Qに2TDを挙げ、第2Qにも17点を加えて前半で31―13。第3Qにも14点を奪って勝負を決めた。

 

 APのランキングでは前週3位のジョージア大がクレムソン大と入れ替わって、2位へ進出。南東リーグ(SEC)勢で1、2位を独占した。

 アラバマ大が西地区で、ジョージア大は東地区。レギュラーシーズンでは対戦がなく、12月初旬のリーグ優勝決定戦での両校の対決が期待されている。

 

 大西洋岸リーグ(ACC)の雄クレムソン大は監督投票では依然2位。名門ジョージア工科大を49―21と退けた。

 両ランクの4位にはビッグ10のオハイオ州立大が座り、以下5位にビッグ12のオクラホマ大、6位にSECのルイジアナ州立大(LSU)、7位に太平洋12大学(Pac12)のスタンフォード大、8位に独立校のノートルダム大が続いている。

 

 先に書いた通り、比較的順当な今年、つまり2018年度は第4週現在の全勝校は、21校を数えている。間違いなく例年よりも多い。

 多いのは南部で最多はSECとACCの両リーグでともに4校を数える。SECは先の3校のほか、4校目にケンタッキー大が入る。いずれも4勝である。

 

 ACCはアトランティック地区がクレムソン大のほかシラキュース大、ノースカロライナ州立大。コースタル地区ではランク22位のデューク大が土つかずで頑張る。

ジョージア工科大ディフェンダーのタックルを受けながら前進するクレムソン大RBエティエンヌ(9)(AP=共同)
ジョージア工科大ディフェンダーのタックルを受けながら前進するクレムソン大RBエティエンヌ(9)(AP=共同)

 

 全勝3校のリーグは西海岸の名門Pac12と、アメリカン体育連盟(AAC)の2組織。Pac12ではスタンフォード大に続き、2校目にカリフォルニア大、3校目がコロラド大といった比較的「珍しい」ところが並ぶ。

 フロリダ勢と東部の有力校が組織するAACは、ランク13位のセントラルフロリダ大のほか、サウスフロリダ大、シンシナティ大の2校がランク外ながら健闘している。

 

 面白いのが中西部、内陸部に君臨する名門の「ビッグ10」「ビッグ12」の2大リーグ。まだ4週を経過したばかりなのに、全勝となるとそれぞれ2校を残すのみとなった。

 ビッグ10はオハイオ州立大のほかはランク9位のペンシルベニア州立大だけで他の有力チームはどこかで背負った黒星付きの成績がくっついていた。

 ビッグ12は5位オクラホマ大のほかは、12位のウエストバージニア大が無傷で残っただけで、強豪のテキサス大、テキサス工科大などは開幕から一つずつ負けを記録した。

 

 格下のリーグでは「カンファレンスUSA」で西地区のノーステキサス大が1校だけ4勝0敗。中部アメリカン連盟(MAC)も1校で、東地区のバファロー大が土つかずを続けている。

 独立校は先に述べたノートルダム大だけ4戦全勝。ブリガクヤング大(BYU)などは有力なのだが、今年は早々に黒星が付いた。

 他の山岳西部連盟(MWC)やサンベルト連盟(SBC)ではもう勝ちっ放しはなく、全勝をキープする難しさを物語っている。

 

 話があちらこちらへ飛んで申し訳ないが、ランク校が登場した試合はこの週は23。ランキング校同士の激突は最初に書いたアラバマ大とテキサス農工大のゲーム以外には、スタンフォード大とランク20位のオレゴン大の対決だけ。

 もっとも、ランク校対決にふさわしく先行するオレゴン大をスタンフォード大が激しく追いかけ、第4Qを終えて31―31.延長戦でスタンフォード大が決勝のTDを挙げて振り切った。

 

 ランク校同士の顔合わせはこの2試合だけ。ということは、残りの21試合はランク校に対するランク外チームの挑戦である。

 波乱が大いに期待できたところだが、5試合にとどまった。ともかく名前で判断してはいけないが、テキサス大がランク17位のテキサスクリスチャン大(TCU)を31―16で破った試合などは、ランキングの数字を外せば極めて常識的な結果でもある。

 同様にビッグ10でパーデュー大が30―13でランク23位のボストンカレッジを下した試合も「順当」であろう。

 

 SECではケンタッキー大が28―7でランク14位のミシシッピ州立大に快勝し、ビッグ12ではテキサス工科大がランク15位に挙げられているオクラホマ州立大に41―17で大勝しているケースもある。

 

 シーズンもこの辺りではまだまだ浅く波乱だ、番狂わせだと喜んでばかりはいられない。

 最後になったが、FBSへ昇格して6年目の、カンファレンスUSA所属のオールドドミニョン大がランク13位、ACCのバージニア工科大に49―35で競り勝った試合は、両校の歴史を考えるとまさしく大番狂わせだった。

丹生 恭治 にぶ・きょうじ

名前 :丹生 恭治 にぶ・きょうじ

プロフィール:1934年生まれ。関西学院大学卒業後、東京新聞社で運動記者としてスタートし、1962年に共同通信社へ移籍。著書に、中学時代から関学で親しんだアメリカンフットボール生活を描いた「いざいざいざ」がある。甲子園ボウルには高校時代と合わせて6度優勝。

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