メニュー 閉じる メニュー
スポーツ

スポーツ

週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

第3週を終えて1勝2敗 苦戦するAFCの盟主ペイトリオッツ

2018.9.25 13:30 生沢 浩 いけざわ・ひろし
パス攻撃がいまひとつ機能しないペイトリオッツのQBブレイディ(AP=共同)
パス攻撃がいまひとつ機能しないペイトリオッツのQBブレイディ(AP=共同)

 

 過去2シーズンのAFC覇者ペイトリオッツが苦戦している。第3週を終えて1勝2敗と負けが先行する、まさかのもたつきぶりだ。

 ペイトリオッツが1勝2敗でシーズンをスタートするのは2012年シーズン以来。チームにとってもファンにとっても、あまり経験したことがないシーズン序盤だ。

 

 ペイトリオッツは開幕直後の数試合で不調でも後にきっちりと修正して、プレーオフに出場するころには順調に仕上げてくるチームではある。

 前述の2012年も最終的には12勝4敗の好成績を残し、AFC決勝にまで駒を進めた(レーベンズに敗退)。

 

 記憶に新しいところでは昨年も2勝2敗から残り12試合を11勝1敗という驚異的な勝率で乗り切って、2年連続通算10回目のスーパーボウル出場を果たした。

 こうした過去の実績を見れば、まだ3週しか消化していない時点で今季のペイトリオッツを不安視するのは時期尚早だ。ただ、目を背けることのできない懸念材料があるのも事実である。

 

 ペイトリオッツは第2週のジャガーズ戦と続く第3週のライオンズ戦で連敗を喫した。ペイトリオッツの連敗は2015年シーズンの第16、17週以来のことだ。

 試合で露呈したミスを徹底して洗い出し、次戦までに修正してくるペイトリオッツは連敗が少ないことで知られる。だからこそ常勝チームでいられるのだが、この稀な連敗をしたことで不安が募る。

 

 試合内容もよくない。ディフェンスは昨年来の課題であるランディフェンスが改善されないまま現在に至っているし、オフェンスはQBトム・ブレイディとレシーバー陣の連携がとれていない。

ライオンズのRBブラント(29)をタックルするペイトリオッツのDBマコーティー(AP=共同)
ライオンズのRBブラント(29)をタックルするペイトリオッツのDBマコーティー(AP=共同)

 

 オフェンスの問題は深刻だ。TEロブ・グロンカウスキーは執拗なダブル、トリプルカバーと自身の足首負傷の影響からか3試合でわずか1TDに抑え込まれている。

 WRジュリアス・エデルマンが禁止薬物使用で開幕から4試合の出場停止を受けているため、エース格の扱いはクリス・ホーガンだが、好パサーのブレイディをもってしても受け手の駒が足りない印象だ。

 

 ライオンズ戦ではWRフィリップ・ドーセットがいくつかのキープレーでターゲットとなったが、タイミングとコントロールが合わず、第4Qには終盤の追い上げを止めてしまうインターセプトにつながった。

 新人RBソニー・ミシェルはパスドロップでオフェンスのリズムを崩した。ペイトリオッツのパスといえば、グロンカウスキーやエデルマンへのビッグプレーのイメージが強いかもしれないが、RBへのパスもオフェンスの根幹をなす重要なものだ。

 これがドロップでゲインなしに終わってしまうと、次のプレーへの組み立てが難しくなってしまう。

 

 ペイトリオッツはこのオフにダニー・アメンドーラ、ブランディン・クックスといったレシーバーを移籍で失った。その影響は小さくないと言わざるを得ないだろう。

 ブラウンズからトレードでジョシュ・ゴードンを獲得したが、ハムストリング痛とオフェンスシステムの習得に時間がかかっているために試合出場はまだない。

 

 スピードが武器のゴードンだが、結果を残したのはNFL2年目の2013年のシーズンだけだ。

 この年は14試合だけの出場ながら1646ヤードレシーブでリーグトップの成績を残した。

 しかし、その後は薬物使用による出場停止やアルコール依存症からのリハビリなどでほとんど実戦経験がなく、今季の開幕戦を含み試合出場は11にとどまる。潜在能力が高いとはいえ、こうした選手に期待するのはあまりに頼りない。

 

 巻き返しを図りたい第4週の相手は、開幕3連勝と好調のドルフィンズだ。勝率の高いホームのジレットスタジアムで戦える利はあるものの、連敗中の不安はぬぐえない。

 第6週にはこれも好調のチーフスとの対戦があり、厳しい試合が続く。常勝ペイトリオッツは、近年にない試練に直面している。

生沢 浩 いけざわ・ひろし

名前 :生沢 浩 いけざわ・ひろし

プロフィール:1965年生まれ。上智大卒。1991年にジャパンタイムズ入社。大学時代のアメリカンフットボール経験を生かし、フットボールライターとしても活動。NHKーBSや日テレG+でNFL解説者を務める。「Pro Football Writersof America」会員。

最新記事