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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

いよいよ開幕するNFL 日本人チアリーダーに聞いてみました

2018.9.3 13:52 小池絵未 こいけ・えみ
今シーズンからジャガーズのチアリーダーズの一因になった本田景子さん(左端)=写真提供・小池絵未さん
今シーズンからジャガーズのチアリーダーズの一因になった本田景子さん(左端)=写真提供・小池絵未さん

 

 皆さま、ご無沙汰しております! 元NFLジェッツのチアリーダーの小池絵未です。

 

 今年もいよいよNFLが開幕します。先週、私はフィラデルフィアに行ったのですが、街を歩いていてもイーグルスの優勝Tシャツを着ている人たちをあちらこちらで見かけました。

 まだまだ2月のスーパーボウル優勝に余韻に浸っている感じでした。NFLプレシーズンゲームも今日が最終戦で、開幕に向けて盛り上がり始めました。

 去年のチャンピオンのイーグルスが今年も強いのか、新しいQBがいるチームはどうなのか。相変わらずトム・ブレイディ(ニューイングランド・ペイトリオッツ)は健在なのか。いろいろと楽しみが多いのがこの時期です。

 

 さて、NFLの試合がない2月から5月の間に、通常NFLのチアリーダーのオーディションが毎年行われます。

 今年もたくさんの日本人が挑戦し、新しい日本人チアリーダーも誕生しました。その7人の日本人チアリーダーが所属するチームはジャガーズ、ベンガルズ、コルツ、レッドスキンズ、タイタンズ、カウボーイズです。

 

 チアリーダーのオーディションは、2年目のチアリーダーでも自分のスポットが保証されていないので、毎年受験しないといけないのです。

 そして、すべてのNFLチームがビザをサポートしてくれるわけではないので、日本人が受験できるチームは限られているのです。

 

筆者(左)と本田景子さん=写真提供・小池絵未さん
筆者(左)と本田景子さん=写真提供・小池絵未さん

 そんな中、今年ジャガーズに本田景子さんが合格されたので、渡米する前に日本でお話しを聞きました。

 彼女は日本で最近までバスケットボールの日本代表のチアリーダーをしていたのに、なぜアメフトのチアリーダーのオーディションを受けたのか。NFLの魅力は何なのかを聞いてみました。

 

小池:ジャガーズに合格おめでとうございます。ところで、なぜアメフトのチアリーダーになりたいと思ったのですか。

本田さん:最初にNFLに憧れを持ったのは、高校3年生のときでした。そのときにテレビで日本人NFLチアリーダーの特集をやっていたんです。それを見て、将来いつかこういうふうになりたいなと思いました。18年前ですね(笑)。最初に入ったチアリーダーのチームがXリーグの富士通だったんです。その頃からアメフトは好きでよく見に行っていました。

小池:すごい、18年越しに夢を叶えたんですね。やっぱりテレビの影響ですかね。NFLの試合は現地に見に行った事はありますか。

本田さん:最初に受けたのが8年前なので、そのときに49ersの試合を見ました。あとは、セインツ対テキサンズをメルセデスベンツ・スーパードームに見に行きました。テキサンズのスタジアムでも試合を観戦しました。

小池:私はほぼ全てのスタジアムに行ってるんですが、実は、セインツのスーパードームだけは行ったことがないんです。どんな印象でしたか。

本田さん:本当に素晴らしいです。大きいし、セインツのファンは、本当に地響きがするほど声も出すし、何といっても熱いんです。

小池:今回、ジャクソンビルに受かったということで、ジャガーズは今注目チームだから、来年スーパーボールあるかもですね。

本田さん:はい、本当に楽しみです。

小池:ジャイアンツの元監督のトム・コフリン氏もいますよね。去年は、スティーラーズもプレーオフで倒しましたしね。私は、その試合を観戦しにピッツバーグまで行ったんですよ。ジャガーズが勝ってびっくりしました。

本田さん:去年も強かったからその勢いで今年も強いと聞いています。

小池:何を一番楽しみにしていますか。

本田さん:やっぱり大観衆の中、フィールドに立ったときの景色です。本当に泣いちゃうかもしれません(笑)

小池:実は、現役タイタンズのチアリーダーの曽我小百合さんと本田さんの個人レッスンを私が数年前に日本でさせていただいたときに、もうNFLのオーディションは受けないと言ってましたよね。それからまた受けようと思ったのはなぜですか。

本田さん:実は私ずっと腰のヘルニアなど、けがが絶えなかったんです。ぎっくり首までもしました。それで、アメリカに行きたい気持ちはあったのですが、自分の心と体がついてこなかったんです。そこで、諦めかけていた気持ちがあったのが2、3年前です。

小池:やはりタイタンズに去年合格した親友のさゆりさんの影響も大きかったのですか。

本田:はい、正直それもあるし、あとは去年バスケットのサンロッカーズを引退したときにチアをやらない期間がしばらくあって、やっぱりやりたくなりました。体が痛くて限界になって辞めたはずなのに、私にはチアしかないなと思って、その後にバスケットの日本代表のオーディションも受けて合格したんです。その結果が自分の自信とやる気につながって日本代表の次は世界に挑戦するしかないと思いました。人生一度きりなので、18年前に抱いた気持ちを挑戦せずに終わってしまったら、後悔するなと思いました。

小池:結果がもし駄目でも、挑戦することや失敗から学ぶこともたくさんありますよね。本田さんが、今年も最初はファルコンズを受けて残念ながらファイナルで落ちてしまったことも、きっとショックだったと思いますし、入りたかったセインツがビザの問題で駄目だったりとかいろいろと苦労をしたと思います。でも、やっぱり挑戦したことで失ったことはないですよね。落ち込む気持ちはあったと思うけど、そこまでで準備をしてきていたので、きっとジャガーズを受けたときはかなり準備万端だったのではないでしょうか。

本田さん:やはりすごいショックだったんですけど、すぐに気持ちを切り替えて、この経験を無駄にしたらいけないと思い、これをステップにして次に受けるチームに挑戦しないといい結果は得られないなと思い、ジャガーズのオーディションに臨みました。アトランタで落ちたけど、いい線まで行けたことが本当に自信になりました。

小池:ファイナルまで残ったことで自分は認められているという前向きな気持ちになりますよね。チャンスはあるんじゃないかなって思いますよね。ジャガーズって正直アメリカでも日本でもマイナーなチームかもしれないけど、アメリカで実は今年かなり注目チームされていると思います。去年いいところまで行ったので、ディフェンスなどを強化すれば期待ですよね。アメリカ人はNFLの裏情報よく知ってます。ESPNのスポーツセンターという番組をよく見てますからね。NFLネットワークという番組も一日中NFLの情報を流してますから。どこのチームの誰がけがをした、誰がトレードされたという情報をずっと流しています。やっぱり強いチームだとチアも応援しがいがありますよね。私がジェッツのときは一度もプレーオフに行けませんでした。プレーオフに行けないチームはシーズン短いですよ(笑)。ジャガーズはスーパーボウルに行けるかもしれないですよね。

小池:ジャガーズのチアのオーディションはどんな感じでしたか。

本田さん:最初は、基礎チェック(キック、ダブル、左右のスプリット)を3人ずつやって基礎演技をやります。そして面接があって、その後ファイナルでした。ファイナルはフリー演技があって準備などが本当に大変でした。

小池:本田さんは富士通のチアリーダーもやっていましたが、アメフトのよさはなんだと思いますか。

本田さん:やはり規模と熱さが日本とは全然違うと思います。日本も決勝までいけば、お客さんもたくさん来るし熱いんですが、やっぱりまだまだ知名度はこれからかなと思うんです。アメリカに試合を見に行ったときに7、8万人のお客さんが入るのをみて、熱さにものすごく感動しました。これだけ国民に愛されているスポーツってすごいなと思いました。あの風景を思い出すだけで鳥肌が立ちます。一番国民に愛されているスポーツがアメフトであり、NFLの魅力だと感じています。

 

(左から)タイタンズの曽我小百合さん、筆者、本田景子さん=写真提供・小池絵未さん
(左から)タイタンズの曽我小百合さん、筆者、本田景子さん=写真提供・小池絵未さん

 

小池絵未 こいけ・えみ

名前 :小池絵未 こいけ・えみ

プロフィール:元NFLニューヨーク・ジェッツのチアリーダー。現在はスポーツ番組のリポーターとして活動している。NFL、NBA、NHLの米国プロスポーツリーグでチアリーダーに選出されたのは、日本人では初めて。ニューヨーク在住で、日本テレビの「NFL倶楽部」の現地リポーターを務めている。スポーツリポーター として、NFLだけでなくNBA、MLBの取材にも携わっている。日本では、外務省国際機関センターのアンバサダーとしても活動中。東京都出身。

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