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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

【編集後記】Vol.242

2018.7.20 15:31 宍戸 博昭 ししど・ひろあき

 悪質な反則問題で公式試合の出場資格が停止されている日大の新監督に、元立命大コーチの橋詰功氏が内定したことが、関係者への取材で明らかになった。

日大の新監督に内定した元立命大コーチの橋詰功氏
日大の新監督に内定した元立命大コーチの橋詰功氏

 

 大学側の公募に応じ、7人の外部有識者による「選考委員会」が満場一致で橋詰氏を推薦した。

 

 「いろんな意味で(日大の監督を)やってみたかった」。橋詰氏は「まだ正式な就任依頼が来ていないので」という理由で仮定の話には答えなかったが、新体制で再出発を目指す「フェニックス」の印象などを語ってくれた。

 

 橋詰氏は大学の指導現場から離れて久しく、現在は立命大の附属高校のコーチをしている。

 穏やかに話していた彼が、語気を強めた場面があった。それは、これまでに監督経験がないことを指摘されたときだ。

 「不安はあるが、高校では責任のある立場で指導している」

 

 本場米国へのコーチ留学の経験がある。攻撃のスペシャリストとして、関西学生リーグのライバル校からも高く評価されている。

 しかし、母校・立命大ではチャンスがなかった「監督の座」には、それなりのこだわりがあったと推測する。

 

 応募のタイミングは締め切りぎりぎりだったそうで、かなりの覚悟を持っての決断だったようだ。

 フェニックスの学生は当初、新監督には元京大監督の水野彌一氏を望んでいた。それがある時期から風向きが変わり、選考委員会との面談で4年生を中心に橋詰氏を推す流れになった。

 

 正式に就任が決まった場合〝外様〟である橋詰氏は、さまざまな問題に直面することが予想される。

 一コーチとして戦術面に集中するのではなく、オーガナイザーとしてチームをまとめる役割を求められるからだ。

 学生をはじめ、保護者やOBとのコミュニケーションを密にしていくことも大切だ。

 

 新監督の人選に注目が集まるが、日大が秋のリーグ戦への出場を果たすには関東学生連盟や監督会の承認が必要で、まだまだ越えなくてはならないハードルは多い。

 過去に日本一4度、大学王者に21度輝いた名門チームに今求められているのは、勝利より一連の問題から立ち直り、規律を重んじる本来の姿を取り戻すことである。

 

 「ビッグチャレンジ」に踏み切った、橋詰氏の気概と指導力に期待したい。(編集長・宍戸博昭)

宍戸 博昭 ししど・ひろあき

名前 :宍戸 博昭 ししど・ひろあき

プロフィール:1982年共同通信社入社。運動記者として、アトランタ五輪、テニスのウィンブルドン選手権、ボクシングなどスポーツ全般を取材。日本大学時代、「甲子園ボウル」にディフェンスバック、キックオフ、パントリターナーとして3度出場し、2度優勝。日本学生選抜選出。NHK―BSでNFL解説を20年以上務めている。

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