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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

レギュラーシーズンは12試合 米大学フットボール

2018.7.18 11:41 丹生 恭治 にぶ・きょうじ
2016年のオレンジボウルで対戦したオレンジのユニホームのクレムソン大とオクラホマ大(UPI=共同)
2016年のオレンジボウルで対戦したオレンジのユニホームのクレムソン大とオクラホマ大(UPI=共同)

 

 前回は大ざっぱに、カレッジフットボールの規模をご紹介した。

 大小二つの組織があって、所属校総数が約750校。これを見て「うーん、さすが本場」と思われたか「え、この程度」と思われたか、そのあたりはいろいろだろう。

 そこでものはついで。この750校が1校当たり何試合するのかを知っておいても、邪魔にはなるまい。

 

 フットボールのシーズン、つまり試合が行われる期間はだいたいレギュラーシーズンで3カ月、これに特別のボウルゲームや選手権大会の期間が翌年の1月半ばまである。

 次の試合ができるのは、間隔を1週間置いてからとの取り決めがあることなどを考えると、シーズン中に試合が大してできるわけはない。

 

 従って全米大学体育協会(NCAA)1部の上位グループ、フットボール・ボウル・サブディビジョン(FBS)所属校は原則12試合。下位のフットボール・チャンピオンシップ・サブディビジョン(FCS)でも10試合から11試合ということになっている。

 無責任に「儲かるNCAAに範をとって」などと言う記事も見かけたが、儲けは相手もあることで、半分の6試合分と考えるのが妥当だろう。

 それにどこもが10万人収容の大スタジアムを持っているのなら話は別だが、そんなところは2カ所か3カ所で、FBS130校のスタジアムの大半は、もっと小さいのである。

 

 さてレギュラーシーズンの12試合だが、8月最後の土曜日にシーズンを始めるチームと9月の第1週から始めるチームと、だいたい二通りがある。

 シーズンの締めは11月の最後の土曜日か、もう一つ前の週末ということになるのが普通だ。

 

 つまりカレンダーをご覧になるとよく分かるが、今年2018年は9月の土曜が5回、10月が4回、11月が4回。これに8月最後の一つを加えると合計が14週となる。

 FBSのチームはこの14週に持ち分の12試合を配して、レギュラーシーズンの予定を立てるという次第だ。

 

 もう一つ押さえておかねばならないのが、米国の年間スケジュールの在り方であろう。

 とにかく日本のように単一のリーグ戦だけ戦ってそれで終わりということはない。ほとんどのリーグが東西か、南北かの地区に分かれてもいる。

 そこと何試合するかといった、重要な決め事もある。このほかに他のリーグ所属チームとの試合や、独立校との試合もある。

 日本では春に東西の交流戦があって、秋がリーグ戦という形だが、この両者が合体したようなものと考えれば分かりやすいかもしれない。

 

 例えばビッグ10だが、加盟14校が7校ずつ東西に分かれている。まず東地区は東地区で、西地区は西地区で総当たり戦を行う。これが6試合ある。

 片方の地区とは総当たりすると制限の12試合より多くなってしまうので、他地区同士は半分の3試合。この計9試合の勝率で地区の順位を決める。

 残りは3試合で、リーグ外のお好きなチームとお好きなようにどうぞという次第だ。

 

 話は少し変わる。先ほどから12試合、12試合と何の疑いもなく書いてきたが、私がこの仕事に戻る前、「タッチダウン」というフットボール専門誌に書き始めていたころは、カレッジは間違いなく11試合だった。

 

 シーズンの日取りは今と同じで、スケジュールの上からは、現在より1日(1週分)ゆとりがあった。
 つまりその前はもっと試合数が少なかったはずで、現在の12試合は少しずつ規模が拡大してきた結果である。

 そのうちに14週がピッタリ埋まって、シーズンそのものの拡大などが話題に上ってくるかもしれない。

 

 話を戻す。同じ14校で成り立ち、高水準の南東リーグ(SEC)はビッグ10とはまた少し違う。

 同一地区は総当たりでビッグ10と同様に6戦するが、他地区とは2試合のみだ。むろんこの8戦の成績が地区の順位を左右する。残りの4試合が好きなところと好きなように戦えるのはビッグ10と一緒である。

 なお勝率について、リーグの順位ではなくて地区の順位だ、ということを強調しているが、これはレギュラーシーズンの日程終了後に、両地区の首位チームがリーグの王座をかけて戦うための大事なデータだからである。

 

 リーグ外との試合でも見逃せないものがいくつかある。太平洋12大学(PAC10)の南加大が、独立校の名門ノートルダム大との試合を持っているのはご承知の通りで、これなどは見逃すわけにはいかない。

 こうした毎年開かれるカードはホームアンドアウェーで行ったり来たりすることになっている。2018年は南加大がホームで、スタジアムはロサンゼルス・コロシアムである。

 

 ここらでゲーム数の話にピリオドっを打つ。資料が積まれた本棚にはその昔、どなたかが米国から持ち帰ったミシガン大のメディアガイドをコピーしたものがたまたま鎮座していた。

 11試合時代、1975年のものである。試合の予定が目についた。パラパラと繰る。スケジュールの基本が今と全く同じだった。

 それにもう一つ。今後の予定と見出しを付けて1979年までのスケジュールがきちんと示されていた。

 

 作為的なスケジュールを作らせないために、4年先までの日程を作成するという話を出張したアリゾナで聞かされたのを思い出した。まじめな人たちである。

丹生 恭治 にぶ・きょうじ

名前 :丹生 恭治 にぶ・きょうじ

プロフィール:1934年生まれ。関西学院大学卒業後、東京新聞社で運動記者としてスタートし、1962年に共同通信社へ移籍。著書に、中学時代から関学で親しんだアメリカンフットボール生活を描いた「いざいざいざ」がある。甲子園ボウルには高校時代と合わせて6度優勝。

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