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共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

米国の秋をにぎわすカレッジフットボール 盛り上げる750大学

2018.7.11 12:00 丹生 恭治 にぶ・きょうじ
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昨シーズンの全米大学選手権のジョージア大戦の延長でTDを決めて喜ぶアラバマ大のWRスミス=アトランタ(AP=共同)
昨シーズンの全米大学選手権のジョージア大戦の延長でTDを決めて喜ぶアラバマ大のWRスミス=アトランタ(AP=共同)

 

 今年も米カレッジフットボールの季節が近づいてきたな、と心づもりをして資料の準備に取り掛かっていたが、気が付くと開幕までもはや一か月半になっていた。

 世間では日大の反則タックル問題が大きく取り上げられ、再発防止の手がかりとして、全米大学体育協会(NCAA)に範をとった組織運営への試みが動き始めようとしている。

 

 しかし、その本質の一つである、競技ごとの厳格なシーズン制をどうするのか。そのシーズンの変わり目をうまく使い、有能な選手たちが他の競技へさっさと移動する自由な空気を、日本ではどう処理するのだろうか、などと余計な心配が次々と出てくるのも悪い癖である。

 一言二言付け加えると、米大学の2大競技のシーズンは、フットボールは秋。その秋の終盤に少し重なるようにしてバスケットボールが始まり、冬の室内を大いに盛り上げる。あとは年度末までテニス、ゴルフ、野球ということになろうか。

 

 そして勉学に差し障りさえなければ、有能なプレーヤーはこれらのスポーツを渡り歩くことが可能なのである。

 改革に努力している向きに水を差すわけではないが、日本ではこの辺りをどのように解決して見せるか、おそらく似ても似つかぬ仕組みが生まれて、その運用に四苦八苦するのではないかと、いささか心配である。

 

 さて、新しい年度の始まりを飾るスポーツとして、カレッジのフットボールは、全米のファンから手放しで迎えられる。

 新年度は9月だが、フットボールはそれほど厳密ではなく、だいたい1週間ほど前の8月最終週ごろからはじまることが多い。

 終わりは原則11月。丸3カ月である。もっとも、このレギュラーシーズンと呼ぶ3カ月の後、成績の良かったチームは招待試合に出たり、トーナメント大会に出たりする。

 

 こうしたおまけの部分は追い追い説明するつもりだが、1月の初旬、そのうちの最大の選手権大会で全米の王者を決めてお開きとなる仕組みが近年生まれたことを付け加えておこう。

 

 各チームの対戦相手は強いものは強いもの同士、弱いものは弱い者同士とごく常識的である。

 1868年のラトガーズ大とプリンストン大の試合から始まったカレッジフットボールは、年々数も増え、力も付いておのずとクラス分けができていった。

 およそイメージしにくいので、その規模などはあまり語られてこなかったが、開幕来151年目の区切りの年として簡単に触れてみようかと思う。

 

 最初にクラス分けだが、大きい組織が二つ。まずはご存知のNCAAで、もう一つが全米大学対抗競技協会(NAIA)。
 NCAAは1部から3部に別れる。1部は上位のフットボール・ボウル・サブディビジョン(FBS)と下位のフットボール・チャンピオンシップ・サブディビジョン(FCS)になっている。

 

 FBS所属は10リーグ、6独立校の130校。FCSは13リーグ、1独立校の125校が所属する。名門アイビーリーグなどはこのクラスである。1部は両者合わせて255校となる。

 1部は今季の向こうの雑誌に基づいているので、数字に誤りはないが、2部以下は申し訳ないが作季の資料によるもので、一、二食い違いも出てくるのではなかろうかと思う。

 

 2部は16リーグ、独立2校で合計169校。続いて3部は27リーグがひしめき、独立2校で、合計241校を数える。665校がNCAAのチームということになる。

 NAIAは単一の組織で、9リーグが属し、計81校を数える。つまり全米カレッジフットボールのチーム数は両方の組織を合わせて746校となる。

 

 しかし、重きをなすのはご存知の通り。年末から年始にかけての約40のボウルゲームに招かれる1部校のFBS組に絞られる。

 FCS以下はすべて勝ち抜き形式の選手権大会に回る。各部それぞれのプレーオフを紹介すると、FCSが24校出場で1回戦8試合、2回戦から8試合、4試合、2試合と進行する。

 2部は28校が出場。1回戦は12試合となる。3部は32校出場で1回戦はきりよく16試合。8、4、2、1と進んでいく。

 NAIAの方は16校が出て1回戦8試合、以下4、2、1と王座を目指す。

丹生 恭治 にぶ・きょうじ

名前 :丹生 恭治 にぶ・きょうじ

プロフィール:1934年生まれ。関西学院大学卒業後、東京新聞社で運動記者としてスタートし、1962年に共同通信社へ移籍。著書に、中学時代から関学で親しんだアメリカンフットボール生活を描いた「いざいざいざ」がある。甲子園ボウルには高校時代と合わせて6度優勝。

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