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共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

惜敗にも手応え 指導して3年目のノジマ相模原ライズ

2018.6.14 10:00 中村 多聞 なかむら・たもん
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IBMに敗れたノジマ相模原の試合後のミーティング=6月10日・富士通スタジアム川崎
IBMに敗れたノジマ相模原の試合後のミーティング=6月10日・富士通スタジアム川崎

 

 台風接近により「パールボウルトーナメント」準決勝は雨の中始まりました。直前にはオービックがLIXILに勝利し、一足先に決勝戦進出を決めていました。

 我がノジマ相模原ライズは、パールボウル決勝には進んだことがないどころか、東京ドームでプレーした経験のある選手もほんの一握りという時代です。

 チームの全員が「東京ドームに行こう!」と一致団結して練習に取り組み頑張ってきましたが、タイブレークの末、あと一歩のところでIBMに負けてしまいました。残念です。

 

 僕がノジマ相模原に加入して3年目のシーズンですが、チームは少しずつ成長し進化しているのを感じます。

 これまでも強豪チームと最後の最後まで勝敗が見えない接戦を経験してきました。勝った試合もあれば負けた試合もありました。

 ただ「負け方と勝ち方はどうだったのか?」という見方をすると、今回のIBM戦は皆がそれぞれ精いっぱい仕事をし、どこが足りていなかったか、どこを修正すれば良いのか、がキチンと整理のつく内容でした。それが過去2年の戦い方から前進していると感じる点です。

 

 この春のシーズンからは、サブQBとしてずっとチームを支えてきた藤本亮選手(日大OB)がスターティングメンバーとなり攻撃を指揮。そして守備陣は皆の息が合っており、作戦面でのズレが起こりにくくなっている上に、今年は春からアクセル全開のLB田中喜貴選手(法大OB)を中心としてキッチリ仕上がってきています。

 僕はこの田中選手が存在しない時代にプレーしていて本当に良かったと思っています。

 元プロフットボール選手のLB山田晋三氏の賢さと、河口正史氏のパワーに身長を足した高性能なLBです。

 当時こんな選手が敵にいたら活躍できなかったんだろうなと思わせる選手です。仕事で試合を休むことがあるのもXリーグならではのご愛嬌です。

 

 そして新外国人QBのジミー・ラフレア選手も、須永恭通攻撃コーディネーターの意図を理解してきています。

 人間性もいわゆる「グッドマン」なので、チームにもなじんで皆から好かれる存在になっているので、秋にはきっとチームの期待に応えてくれることでしょう。

 

 今回は残念ながら僕の担当するランニングバック(RB)陣がゲームブレイクすることはできませんでした。

 機会はいくつか訪れましたが、IBMの好プレーや自分たちのミスもあり22回持って平均1・7ヤードという情けない結果になってしまいました。

 

 僕も選手としてまだそれほど上級者じゃない頃、うまくいかない時には本当の自分が出てしまいました。

 僕の場合は初級者の頃から「危険が迫れば縦に突っ込む」がスタイルでしたので、外に逃げて大きくヤラレるという事故はあまり起こさなかったのが幸いでした。

 

 オープンフィールドで大柄の守備ラインなどに引きずり回されてぶっ倒されたりすると、相手が非常に盛り上がってしまいます。味方のベンチも「アチャー」となります。

 単なるノーゲイン、または少しのロスなのに「お前らこんなレベルで俺たちに勝とうと思ってんのか! 今日は何度でも止めたるで!」と敵の全員に舐められてしまいます。これではビッグゲームで「流れ」を呼び込めません。

 

 強い敵と対峙した時にこそ、いかに強くハードにプレーできるか。強い気持ちのままでいられるか。これを自然にできる人の多いチームが勝利すると思っています。

 何度もココで書いている僕の持論ですが、我々日本人が日本のリーグ内で戦うのであれば条件はおおよそどのチームも同じようなものです。

 強い思いを自由にコントロールするのが肝心で、その先に戦術や戦略があるのです。RB諸君にはその部分で誰にも負けないように成長してもらわねばなりません。

 今より少しでも強い気持ちでゲームに臨めるように必死に訓練を積んでいきましょう。

 

 今週末はノジマ相模原対早稲田大学ビッグベアーズの練習試合が開催されます。

 どちらのチーム事情も知っている状態での試合など、さすがに僕も初めてです。楽しみというより、なんか大変です。どっちも頑張れ!

中村 多聞 なかむら・たもん

名前 :中村 多聞 なかむら・たもん

プロフィール:1969年生まれ。幼少期からNFLプレーヤーになることを夢見てアメリカンフットボールを始め、NFLヨーロッパに参戦しワールドボウル優 勝を経験。日本ではパワフルな走りを生かして、アサヒ飲料チャレンジャーズの社会人2連覇の原動力となる。2000年シーズンの日本選手権(ライスボウル)では最優秀 選手賞を獲得した。河川敷、大学3部リーグからNFLまで、全てのレベルでプレーした日本でただ一人の選手。現在は梅田と西麻布でバーガーショップを運営する有限会社 タモンズ代表取締役。。

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