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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

指導者としてのあるべき姿

2018.5.14 17:27 宍戸 博昭 ししど・ひろあき
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5月12日に富士通スタジアム川崎で行われた日大と関大の春の交流戦
5月12日に富士通スタジアム川崎で行われた日大と関大の春の交流戦

 

 5月12日、富士通スタジアム川崎で行われた日大と関大の試合に、日大の内田正人監督の姿はなかった。

 試合後、チームを代表して日大の森琢コーチが、6日の関学大との定期戦で日大の守備選手が常識では考えられない過度のラフプレーで関学大の選手にけがをさせた問題についてメディアの取材に応じたが、「正式な処分が決定していないので、今お答えできることはない」というコメントに終始した。

 

監督不在で関大戦に臨んだ日大の選手たち
監督不在で関大戦に臨んだ日大の選手たち

 チームの戦術面の責任者である森コーチから謝罪の言葉はなく、果たして当事者意識はあるのかという印象を受けた。

 関学大の2年生QBが全治3週間のけがを負わされ、後遺症が残る可能性もあるという重大な事実を、もっと真摯に真剣に受け止めるべきである。

 

 12日は、関学大が西宮市の関西学院で記者会見を開き、日大に対して抗議文を送ったことを明らかにした。

 会見に出席した鳥内秀晃監督と小野宏チームディレクターは「スポーツの範疇を超えた、あってはならないこと」と怒りをあらわにした。

 

 同日、日大は守備ライン担当コーチが、関東学生アメリカンフットボール連盟から「対外試合出場禁止」の処分を受けた当該選手を伴って関学大へ謝罪に訪れたが、取り合ってもらえなかったという。

 

 今回の問題に対する日大サイドの一連の対応は、チームのホームページに掲載したおざなりの謝罪文を含めて、極めてお粗末と言わざるを得ない。

 ラフプレーを容認するかのような発言をし、関東連盟から「厳重注意」という処分を受けた内田監督は、一日も早く謝罪し自らの口で真実を語る責任がある。

 

 日大が自主的に試合の中止を申し出るべきだったという声もあるが、関大の松浦雅彦監督は試合後こう語った。

 「今回の一件があって、日大と試合をすることに保護者から不安の声が上がっていた。しかし、フットボールは安全を確保するためにたくさんの審判の方がいて、我々も安全に配慮して試合に臨んでいると話し、納得してもらった。フットボールが失った信頼は、フットボールで取り戻すしかない。日大と試合をするのは40年ぶり。当時学生だったOBは、今日の試合をとても楽しみしていた」

日大との試合後、インタビューを受ける関大の松浦雅彦監督=富士通スタジアム川崎
日大との試合後、インタビューを受ける関大の松浦雅彦監督=富士通スタジアム川崎

 

 そこには、チームだけでなくフットボール界全体の発展を見据えた、指導者として本来あるべき姿があった。

宍戸 博昭 ししど・ひろあき

名前 :宍戸 博昭 ししど・ひろあき

プロフィール:1982年共同通信社入社。運動記者として、アトランタ五輪、テニスのウィンブルドン選手権、ボクシングなどスポーツ全般を取材。日本大学時代、「甲子園ボウル」にディフェンスバック、キックオフ、パントリターナーとして3度出場し、2度優勝。日本学生選抜選出。NHK―BSでNFL解説を20年以上務めている。

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