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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

QBにタレントそろう 日本時間4月27日からNFLドラフト

2018.4.24 15:45 生沢 浩 いけざわ・ひろし
プロのスカウトから高い評価を受けている南カリフォルニア大のQBサム・ダーノルド(AP=共同)
プロのスカウトから高い評価を受けている南カリフォルニア大のQBサム・ダーノルド(AP=共同)

 

 今年のNFLドラフトは4月26~28日の日程で、テキサス州アーリントンのAT&Tスタジアム(カウボーイズのホームスタジアム)で行われる。

 長年ニューヨークやシカゴで行われてきたNFLドラフトは昨年から各地で持ち回りとなり、テキサス州では初めての開催となる。

 また、会場がミュージックホールやコンベンションセンターではなくチームのスタジアムとなるのも初だ。

 

 他のプロリーグと異なるのは3日間かけて行われる点だ。初日が1巡のみで、2日に2、3巡指名が発表され、残りは最終日に回される。

 

 さて、今年の1巡指名、特にトップ10指名は様々なシナリオが考えられて興味深い。例年なら全体の1~3番目指名はドラフト当日前に予想できてしまうのだが、今回はそうはいかない。

 その理由はいくつかある。今年のドラフト候補生はQBにタレントが豊富なこともその一つだ。

 南カリフォルニア大のサム・ダーノルド、オクラホマ大で昨季のハイズマントロフィー受賞者であるベイカー・メイフィールド、ワイオミング大のジョシュ・アレンはいずれもトップ10指名の有力候補だ。

 さらに2016年度のハイズマントロフィーQBラマー・ジャクソン(ルイビル大)も1巡下位から2巡上位で指名される可能性がある。二人のハイズマントロフィー受賞QBが同じドラフトにエントリーするのも珍しい。

 

 これらのタレントの獲得を狙うチームもまた多い。1巡2番目の指名権を持つジャイアンツは依然としてイーライ・マニングが先発QBだが、15年目のシーズンを迎える彼の後継者はそろそろ獲得しておきたい。

 それはマニングと同期のフィリップ・リバースを擁するチャージャーズ(17番目)、ベン・ロスリスバーガーの所属するスティーラーズ(28番目)も同様だ。

 

 QBの補強が急務なチームは1巡上位にそろう。昨年全敗でシーズンを終えたブラウンズが全体の1、4番目指名権を持っており、そのどちらかをQBに行使する可能性が濃厚だ。

 3番手のジェッツもQBを取りに行くと予想されており、どのチームがどのQBを獲得するかの予断を許さない。

 

 ブラウンズの動向も注目だ。ブラウンズは1、2巡で計四つの指名権を持ち、それらがすべて最初の34番以内に集中している。

 これをどのように行使するかは、他のチームに大きな影響を与える。全体1位指名でQBを獲得し、4番目でRBセイクオン・バークリー(ペンシルベニア州立大)、DEブラッドリー・チャブ(ノースカロライナ州立大)を狙うというのがオーソドックスなシナリオだ。

上位指名が予想される、ペンシルベニア州立大のRBセイクオン・バークリー(AP=共同)
上位指名が予想される、ペンシルベニア州立大のRBセイクオン・バークリー(AP=共同)

 

 バークリーもチャブもトップ5以内での指名が妥当な能力の持ち主で、確実に戦力アップを狙える人材だ。チームのニーズに関わらず獲得して損はない。

 

 それだけに、これらの人材を望むチームにあえて指名権を譲渡するというやり方も考えられる。

 さすがに全体1位指名は譲れないだろうが、4番目指名権を下位のチームに譲り(トレードダウン)、見返りに2巡以降や来年の指名権をもらってより多くの選手を獲得するのだ。

 ブラウンズのように補強の必要なポジションが多い場合には有効な手段だ。

 

 もっとも、ブラウンズは一昨年このトレードダウンによってカーソン・ウェンツ(現イーグルス)を獲得するチャンスをみすみす失ったという苦い過去があるので、他チームとの交渉には慎重になるかもしれない。

 

 激しいQB争奪戦が予想される一方で、バークリーやチャブなど他のポジションの人材も注目される。

 1巡でのQB指名はリスクが高いと敬遠するチームも少なくない。各チームとも他の球団の動向を見極めた上で、適切かつ迅速な状況判断が求められる。

 予想外の指名、思い切ったトレード、指名権と人材の争奪戦など、今年もドラマチックな展開が見られそうだ。

今年のドラフト会場となる、テキサス州アーリントンにあるAT&Tスタジアム(AP=共同)
今年のドラフト会場となる、テキサス州アーリントンにあるAT&Tスタジアム(AP=共同)

 

生沢 浩 いけざわ・ひろし

名前 :生沢 浩 いけざわ・ひろし

プロフィール:1965年生まれ。上智大卒。1991年にジャパンタイムズ入社。大学時代のアメリカンフットボール経験を生かし、フットボールライターとしても活動。NHKーBSや日テレG+でNFL解説者を務める。「Pro Football Writersof America」会員。

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