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NFL復帰目指し下部リーグの試合に出場 ハイズマンQBマンゼル

2018.4.10 17:21 生沢 浩 いけざわ・ひろし
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「スプリングリーグ」の試合に出場したQBジョニー・マンゼル(AP=共同)
「スプリングリーグ」の試合に出場したQBジョニー・マンゼル(AP=共同)

 

 以前にこのコラムでも取り上げたが、元ブラウンズのQBジョニー・マンゼルがNFL復帰に向けて現地時間4月7日に「スプリングリーグ」でデビューを飾った。

 スプリングリーグとはNFLの育成リーグ的な位置づけの組織で、若い選手にNFLやカナディアンフットボール・リーグ(CFL)のスカウトの目に触れる機会を提供するものだ。

 観客はまばらだったそうだが、マンゼルは約2クオーター分の出場時間で15回のパスを試み9回成功、83ヤードを稼いで1TDパスを決めた。

 一方で3回のQBサックを浴び、ファンブルを犯すなどマンゼル自身がNFL復帰への課題とする部分の修正は見られなかった。彼の所属するサウスチームはノースに7―11で敗れた。

 週が明けて間もなく、かつてレッドスキンズでリードオプション旋風を巻き起こした「RGⅢ」ことロバート・グリフィン3世がレーベンズに控えQBとして入団することが決まった。

 マンゼルとグリフィン3世に共通しているのは、ともにカレッジフットボール最優秀選手賞である「ハイズマントロフィー」を受賞していることだ。そして、鳴り物入りで入ったNFLでは残念ながら成功と言えるほどの実績は残していない。

 

 10年ほど前までは「ハイズマントロフィー受賞QBはNFLでは大成しない」というのがほぼ定説だった。

 1990年のタイ・デトマー(ブリガムヤング大)から2007年のティム・ティーボウ(フロリダ大)まで11人のQBがハイズマントロフィーを勝ち取っているが、NFLで実績を残したのはカーソン・パーマー(2002年=南カリフォルニア大、ベンガルズ、レイダーズ、カージナルス)くらいだ。

 ジーノ・トレッタ(1992年、マイアミ大)、マット・ライナート(2004年、南カリフォルニア大)、ティーボウらはいずれも「バスト(期待外れ)」の部類に入る。

 

 この傾向が変わるのが2008年以降だ。この年に受賞したサム・ブラッドフォード(オクラホマ大)は、故障が多いもののラムズ、バイキングズ、イーグルスで先発を務め、今季からは引退したパーマーに代わってカージナルスのスターターとなることが期待される。

 2010年のキャム・ニュートン(オーバーン大)は押しも押されもせぬパンサーズのエースQBだし、2013年のジェーミス・ウィンストン(フロリダ州立―バッカニアーズ)、翌年のマーカス・マリオタ(オレゴン大―タイタンズ)はいずれもフランチャイズQBとして成長し続けている。

 グリフィンは2011年、マンゼルは2012年の受賞だ。この10年ほどは玉石混淆と言っていいだろう。

 さて、4月下旬にはNFLの大学ドラフトがカウボーイズの本拠地であるAT&Tスタジアム(テキサス州アーリントン)で行われる。

 今年のドラフト候補生には最近2年のハイズマントロフィー受賞QBがそろう。ルイビル大のラマー・ジャクソン(2015年)とオクラホマ大のベイカー・メイフィールドだ。

 ジャクソンは身体能力が高く、スプレッドオフェンスを得意とする。メイフィールドは安定したパサーとの評価だ。

 ポケットパサーの需要が高いNFLではメイフィールド人気が高いようだ。1巡トップ10以内での指名を予想する専門家も多い。ジャクソンは2巡以降の指名との予想が大半だ。

 

 今年のドラフトはQBに人材がそろう。南カリフォルニア大のサム・ダーノルド、ワイオミング大のジョシュ・アレン、カリフォルニア大のジョシュ・ローゼンらも1巡上位指名の呼び声が高い。

 QB補強が急務のブラウンズ、ジャイアンツ、ジェッツはそれぞれ1巡1~3位の指名権を持っており、これらのチームが誰を指名するのかに注目が集まる。

 

 人材豊富なQBの中で、ハイズマン受賞QBたちがどのラウンドでどこのチームに指名されるのか。そして、入団したチームの中で活躍できるのかどうか。こうした視点でドラフトを見るのもいいだろう。

生沢 浩 いけざわ・ひろし

名前 :生沢 浩 いけざわ・ひろし

プロフィール:1965年生まれ。上智大卒。1991年にジャパンタイムズ入社。大学時代のアメリカンフットボール経験を生かし、フットボールライターとしても活動。NHKーBSや日テレG+でNFL解説者を務める。「Pro Football Writersof America」会員。

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