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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

【編集後記】Vol.227

2018.3.29 11:26 宍戸 博昭 ししど・ひろあき
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ライスボウルでWR中村輝晃クラーク選手(手前)へのパスを試みる富士通QBコービー・キャメロン選手=2018年1月3日・東京ドーム
ライスボウルでWR中村輝晃クラーク選手(手前)へのパスを試みる富士通QBコービー・キャメロン選手=2018年1月3日・東京ドーム

 

 春のシーズンを前に、Xリーグの各チームはそれぞれの公式サイトで「引退、退団者」を公表している。

 昨シーズン日本選手権(ライスボウル)で連覇した富士通では、QBコービー・キャメロン、RBジーノ・ゴードンの2選手がチームを去ることになった。

 

 ともにライスボウルで最優秀選手(ポール・ラッシュ杯)に輝くなど、攻撃の主力として二人が果たした役割は大きい。

 チーム関係者によれば〝引退〟の理由は「家庭の事情」だという。

 

日大と対戦したライスボウルでTDを挙げる富士通RBジーノ・ゴードン選手=2018年1月3日・東京ドーム
日大と対戦したライスボウルでTDを挙げる富士通RBジーノ・ゴードン選手=2018年1月3日・東京ドーム

 

 2014年からフロンティアーズに参加したキャメロン選手は、米国のルイジアナ工科大学で確かな実績を残して来日した。

 速くて正確なパスは、日本のアメリカンフットボールファンに一種のカルチャーショックを与えた。

 

 日本人選手のポテンシャルを引き出した功績もある。レシーバーを育て、ナンバーワンターゲットのWR中村輝晃クラーク選手とのコンビでTDを量産した。

 「今のクラークなら、アメリカの大学でも十分通用する」と、キャメロン選手は周囲に語っているという。

 

 Xリーグのコーチは、アメリカ人選手の試合に臨む精神面の強さをそろって口にする。

 普段は温厚な選手が、フィールドに入ると一気に「戦闘モード」に切り替わるのだそうだ。

 

 キャメロン選手同様、質の高いプレーで見る側を魅了した名門ミシガン大出身、ノジマ相模原のQBデビン・ガードナー選手も退団する。

 チームは残留に向けて調整していたが、最終的に折り合わなかった。

 

 6年前、東京ドームで鮮烈な日本デビューを果たしたIBMのQBケビン・クラフト選手は、山田晋三氏からヘッドコーチ職を引き継ぐことが発表された。

日本社会人選手権で富士通と対戦したIBMのQBケビン・クラフト選手=2014年12月15日・東京ドーム
日本社会人選手権で富士通と対戦したIBMのQBケビン・クラフト選手=2014年12月15日・東京ドーム

 

 去る人残る人、そして来る人。「ライスボウルの在り方」を巡る議論はさておき、彼らの存在は間違いなく日本のフットボールのレベルアップにつながっている。

 

 日本語の習得に熱心だったと聞くキャメロン選手が、仲間と楽しそうに会食する姿を、自宅近くのメキシコ料理店で何度かみかけた。

 あの時、迷惑を承知でテキーラの力を借りてでも、いろいろ聞いておけばよかったかな。ちょっぴり後悔している。(編集長・宍戸博昭)

宍戸 博昭 ししど・ひろあき

名前 :宍戸 博昭 ししど・ひろあき

プロフィール:1982年共同通信社入社。運動記者として、アトランタ五輪、テニスのウィンブルドン選手権、ボクシングなどスポーツ全般を取材。日本大学時代、「甲子園ボウル」にディフェンスバック、キックオフ、パントリターナーとして3度出場し、2度優勝。日本学生選抜選出。NHK―BSでNFL解説を20年以上務めている。

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