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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

【編集後記】Vol.226

2018.3.23 11:19 宍戸 博昭 ししど・ひろあき
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見頃を迎える目黒川の桜
見頃を迎える目黒川の桜

 

 WRからDBへ。ポジション変更を監督から言い渡されたのは2年生の春だった。来る日も来る日も失敗ばかり。

 しかし、落ち込む暇もなく試合は毎週組まれている。

 

 春恒例の関学との定期戦は関西遠征。エースレシーバーが出場しなかったライバルとの一戦は惜敗した。

 翌日の関大との試合も競り負けた。ラフプレーを巡ってフィールド上で乱闘になる、両校にとって不名誉な出来事もあった。

 

 致命的なミスはしなかったが、果たして戦力になっているのか。自問自答する中で、5年生コーチの個別指導が始まった。

 

 相手の攻撃のランとパスをいかに早く見極めるか。対峙するレシーバーとの間合いや駆け引き…。

「俺が全部教えてやる」。覚えの悪い教え子に苛立つこともなく、我慢強く付き合ってくれた。

 

 「COACH」の語源をたどると「馬車などで、その人が望むところまで送り届ける役割」という意味がある。

 いいプレーをすると、自分のことのように喜んでくれた。彼は、落ちこぼれに優しく寄り添う「水先案内人」だった。

 

 あれから41年。今は病床にある恩人の全快を、間もなく見頃を迎える桜の下で祈る。(編集長・宍戸博昭)

宍戸 博昭 ししど・ひろあき

名前 :宍戸 博昭 ししど・ひろあき

プロフィール:1982年共同通信社入社。運動記者として、アトランタ五輪、テニスのウィンブルドン選手権、ボクシングなどスポーツ全般を取材。日本大学時代、「甲子園ボウル」にディフェンスバック、キックオフ、パントリターナーとして3度出場し、2度優勝。日本学生選抜選出。NHK―BSでNFL解説を20年以上務めている。

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