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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

プレーオフ、残り枠はともに一つ レギュラーシーズンは最終週へ

2014.12.25 12:57 生沢 浩 いけざわ・ひろし
スティーラーズオフェンスの大黒柱、QBロスリスバーガー(AP=共同)
スティーラーズオフェンスの大黒柱、QBロスリスバーガー(AP=共同)

 NFLはいよいよレギュラーシーズンの最終週に突入する。第16週の結果で新たにベンガルズ、スティーラーズ、カウボーイズ、ライオンズ、パッカーズ、シーホークスがプレーオフの出場権を獲得した。残る枠は両カンファレンスともに一つずつだ。

 AFCはチャージャーズ(9勝6敗)、レーベンズ(9勝6敗)、テキサンズ(8勝7敗)、チーフス(8勝7敗)が最後のワイルドカード枠を争う。

 状況的に有利なのはチャージャーズで、最終戦の対チーフス(@カンザスシティ)に勝てば他チームの勝敗に関係なく2年連続のプレーオフ出場が決定する。チャージャーズが負けた場合には他の3チームにもチャンスが生まれるが、まずはそれぞれの相手に勝つこと(レーベンズのみ引き分けでも可)が絶対条件だ。

 地区別にみると東はペイトリオッツ(12勝3敗)、南はコルツ(10勝5敗)、西はブロンコス(11勝4敗)の地区優勝が決定。北は次週に予定されているベンガルズ(10勝4敗1分け)とスティーラーズ(10勝5敗)の直接対決(@ピッツバーグ)によって優勝が決まるという魅力的なシナリオだ。

 ベンガルズは勝てば2年連続で、さらにブロンコス(11勝4敗)がレイダーズ(3勝12敗)との対戦(@デンバー)に負けるか引き分けると第2シードが決定する。

 第16週はマンデーナイトゲームで強敵ブロンコスを降して勢いに乗る。ただし、エースWR のA・Jグリーンが右腕の二頭筋を痛めており、万全ではない。QBアンディ・ダルトンにとっては不可欠なWRなだけに欠場は避けたい。

 一方のスティーラーズは現在3連勝と好調だ。過去9回の対戦で7勝とベンガルズとの相性もいい。勝てば2010年以来の地区優勝だ。

 ベンガルズは新人RBジェレミー・ヒルのラン、スティーラーズはベン・ロスリスバーガーのパスがオフェンスの中心だ。これらと対峙するディフェンスの出来が勝敗の鍵を握るが、ベンガルズはターンオーバーを連発してブロンコスのオフェンスを粉砕した。同じパターンをロスリスバーガー相手に再現できるか。

 スティーラーズは先週のチーフス戦でRBジャマール・チャールズをわずか29ヤードに封じ込めた。ともに相手の得意分野をつぶして試合を有利に運びたい。

 ペイトリオッツはプレーオフの第1シードをすでに獲得しており、勝ち進む限り地元ジレットスタジアムで試合を開催する権利を持ち、さらに勝ち上がった中で最もシード順位の低いチームと対戦する。それ以外のシード順位は最終週の結果次第という、こちらも楽しみな展開だ。

 NFCで残るプレーオフ枠は南の地区優勝だけなので、チャンスがあるのはパンサーズ(6勝8敗1分け)とファルコンズ(6勝9敗)のみとなった。この2チームも最終週で直接対決がある(@アトランタ)。

 どちらが勝っても残念ながら負け越しでの地区制覇となるが、パンサーズが勝てば、毎年王者が交替してきたこのディビジョンでは史上初の連覇達成だ。ファルコンズは2年ぶりの王座を狙う。

 地区優勝が決まっているのは東のカウボーイズ(11勝4敗)のみで北はライオンズとパッカーズ(ともに11勝4敗)の直接対決(@グリーンベイ)次第、西はシーホークスとカージナルス(ともに11勝4敗)のそれぞれの結果いかんとなる。

 シード順位は流動的でカウボーイズの第3シード以上、西地区優勝チームの第4シードが確定している以外は最終週の結果待ちだ。

 11勝4敗の5チームには、勝てば他チームの状況次第でプレーオフのトップシードを獲得するチャンスが生まれる。しかし、カウボーイズ以外は負ければワイルドカードチームとなって第5、6シードとなってしまう可能性がある。

 初戦の地元開催権を持つ上位4シードとアウェーでの戦いを強いられるワイルドカードでは天と地の違いがある。それだけに最終週も気の抜けない戦いが続く。もっとも、第5シードになったチームは初戦が南地区優勝チームとの試合なので与しやすいかもしれない。

 さて、注目のパッカーズとライオンズの対戦だが、勝てば北地区優勝と同時に第2シード以上が決まる。パッカーズのオフェンス対ライオンズのディフェンスという戦いだが、過去2戦はライオンズが勝っている。

 パッカーズのQBアーロン・ロジャースは今季のパサーレイティングが111・0でリーグ2位の成績。36TDパス成功はNFCトップだ。対するライオンズはリーグ2位の堅いディフェンスが特長。ダムコング・スーはDTでありながらチームトップの8・5サックを記録している。インサイドからポケットをつぶしてQBにプレッシャーをかけていく。

 ポイントとなるのはターンオーバーかもしれない。パッカーズはターンオーバーの得失差が+15とリーグで最も多い。ライオンズのマシュー・スタッフォードは肩の強いQBだが、被インターセプトも12と多い。

 得点力の高いパッカーズがターンオーバー争いで主導権を握ると、一方的な展開になる可能性がある。逆にライオンズがロジャースのパスを投げるタイミングを狂わせることができれば得意のロースコアの試合に持ち込める。

 パッカーズは今季ホームのランボーフィールドで7戦全勝。極寒の天候も試合に大きく影響するだろう。

生沢 浩 いけざわ・ひろし

名前 :生沢 浩 いけざわ・ひろし

プロフィール:1965年生まれ。上智大卒。1991年にジャパンタイムズ入社。大学時代のアメリカンフットボール経験を生かし、フットボールライターとしても活動。NHKーBSや日テレG+でNFL解説者を務める。「Pro Football Writersof America」会員。

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