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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

「同じ釜の飯を食べる」 体作りだけでなく食べる楽しみも大切に

2015.12.28 13:36
差し入れのケーキとスムージー
差し入れのケーキとスムージー

 年末年始、家族で、仲間で食卓を囲むひと時が多い時期ですね。アスリートにとって食事は体作りの一貫であることは周知の事実ですが、それだけではない、食べる楽しみの部分も大切にされていることでしょう。

 たくさんの試合を戦ってきた選手が今、自分の食べてきたものを思い出そうとしたら、どんな場面が思い浮かぶのでしょうか。

 苦行のように思えて仕方なかったのかもしれません。でも、それが試合を戦い抜いた原動力になったのかも知れません。

 一方で、頑張った練習の後で食べた大好物のごはんは、腹にしみるどころか、心にまでしみ入ったことでしょう。心が満たされなければ、きっと選手の栄養にはならないのではないかと思えてなりません。

 シーズンを終えた今、一緒に1年間を過ごしたチームも最終戦を終えました。最後の一戦をただひたすらに見据え、ただ勝つことだけを考え、選手一人ひとりが毎日を積み重ねた結果が問われる一戦。結果は勝利。さぞかしチームに安堵の空気が溢れているだろうと心からホッとしました。

 きっと、その日の夕飯は心から開放された、すがすがしい食事だったに違いないでしょう。

 食べる場面はたくさんあります。私がこの仕事に関わるきっかけの一つに、小学生のころの思い出があります。

 地区の子ども会で野草摘みに出かけました。連れて行ってくれた大人が、その場で天ぷらにして私たちにふるまってくれました。タンポポとか、ヨモギとか、決して豪華な山菜ではなかったと記憶しています。

 友達と一緒に楽しく食べると「こんなにワクワクするものなんだ」と、心から満たされた思い出があります。

 食べることは楽しい、美味しい時間であってほしいと私は思います。ただの生命活動のエネルギーや栄養を補給するだけの時間ではないからです。

 そもそも補給だけなら、時間はそんなに必要ありません。ガソリンスタンドに車の燃料を入れにいくのと同じでいいのです。

 先日、大切な家族が他界しました。食べることが大好きなおじいちゃんでした。今、家族で大切にしていることは、おじいちゃんの遺影を囲んで家族で食卓を囲むことです。

 家族の会話も増えて、さらに固い絆で結ばれた気がします。食卓の不思議な力に、家族が支えられています。

 アスリートにとって、食事と栄養は必須項目です。チームで同じ釜の飯を囲む時間、心を落ち着かせる食事の時間、そして体作りやパフォーマンス向上の食事、ありとあらゆる場面に食べることは関わってきます。

 心を満たす意味合いが強いときと、栄養補給の要素が強く求められるとき。食事はさまざまな力を発揮することができる要素を兼ね備えています。そんな場面に関われることを幸せに思い、これからも選手のサポートを続けて行きたいと思います。

 写真は12月の最終戦前、立教大学に差し入れられたケーキです。100人を超えるチームに一人一つずつのカットケーキ、そしてグリーンスムージー。どちらも選手の心と体の栄養になりました。

 同じ釜の飯を食べたチーム皆さん、今シーズンもお疲れさまでした。

大柴 由紀(おおしば・ゆき)プロフィル

 管理栄養士。奈良女子大学食物学科卒業後、大阪市立環境科学研究所附設栄養専門学校で栄養士免許取得。1998年財団法人キープ協会入社。レストラン勤務の傍ら、料理に自然の恵みを表現するため、八ヶ岳の自然を大切に循環型農業で米や野菜を育てる農家との交流を深める。2000年7月キープ自然学校開校。アメリカンフットボールと出会う。公益財団法人キープ協会勤務。学校法人新宿調理師専門学校講師、日本ウエルネス学会常任理事、山梨県栄養士会理事を務めている。

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