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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

サンディエゴ州立大ヒューストン大に快勝 米大学ボウルゲーム始まる

2016.12.21 10:31 丹生 恭治 にぶ・きょうじ
サンディエゴ州立大とヒューストン大が対戦した「ラスベガスボウル」(AP=共同)
サンディエゴ州立大とヒューストン大が対戦した「ラスベガスボウル」(AP=共同)

 ボウルゲームが始まった。全米大学体育協会(NCAA)フットボール部門のボウル・サブディビジョン(FBS=旧1部A)は17日、フロリダ、アラバマ、ルイジアナ、ネバダ、ニューメキシコの各州で今季のボウルゲーム最初の5試合を行った。

 2016~17年のボウルゲームは選手権戦の準決勝、決勝を含めて計41試合が予定され、17年1月9日のフロリダ州タンパでの選手権決勝でその幕を閉じる。

 17日の5試合は、開始時間順に並べると、最初がアルバカーキで開かれたニューメキシコボウル。次いでラスベガスボウル、アラバマ州モントゴメリーでのカメリアボウル、フロリダ州オーランドでのキュアボウル、最後がニューオーリンズ・スーパードームでのニューオーリンズボウルとなる。

 この日は1TD差以内の接戦が3試合。優劣が大きく分かれたのが2試合となった。

 ニューメキシコボウルはUSA連盟(CUSA)のテキサス大サンアントニオと山岳西部連盟(MWC)のニューメキシコ大の対戦でニューメキシコ大が23―20で56年ぶりのボウルゲームでの白星を挙げた。

 ただ、普段から使っているスタジアムでビジターとして戦う妙な形で、そのせいではないだろうが、地元の利からほど遠い内容だった。

 ニューメキシコ大はRBリチャード・マッコーリーの調子がよく、第1Qと第4Qに重要な1ヤードTDランを決めて突き放し、今季9勝目(4敗)を挙げた。

 テキサス大サンアントニオは今季、先取点を挙げたゲームはすべて勝っており、この試合も第1Q8分45秒にビクター・ファルコンが27ヤードの先制FGを決めていた。

 しかし力には開きがあり、第4QにはQBダルトン・スタームが2本のTDパスを決めて3点差まで追い上げたが及ばず、6勝7敗と負け越した。

 ラスベガスボウルもMWCのサンディエゴ州立大が第2Q半ばから本領を発揮。2FG、4TDとたたみかけて34―10と快勝。11勝3敗の好成績でシーズンを終えた。

 アメリカン体育連盟(AAC)のヒューストン大は好調なスタートを切ったが、QBグレグ・ワードがサック8と厳しくマークされ、パスも4本奪われる状態でなすすべもなく、4敗目(9勝)を喫した。

 サンディエゴ州立大は0―10の第2Q、2本のFGで差を詰め、後半は大黒柱のRBドネル・パンフリーの32ヤードの快走を皮切りに、パス、ランを織り交ぜてゲインを重ねた。

 期待通りの活躍を見せたパンフリーは19回のランで、115ヤード、1TDを稼いでキャリア通算6405ヤードを獲得し、FBS記録を塗り替えた。

 無骨な地名が多い序盤のボウルゲームの中で「椿」と優雅な名の付いたアラバマ州モントゴメリーのカメリアボウルは、サンベルト連盟(SBC)のアパラチアン州立大が中部アメリカン連盟(MAC)のトリド大と交互に点を取り合う大接戦を展開した。

 アパラチアン州立大が31―28で勝ち10勝3敗でシーズンを終えた。トリド大は残り1分48秒、30ヤードのFGを外して今季9勝4敗に終わった。

 ゲームはアパラチアン州立大がQBテイラー・ラムのTDパスで先行。トリド大もQBローガン・ウッドサイドがパスを決めて互いに譲らず、第2Qは両校のエースRBマーカス・コックスとカリーム・ハントがともにTDランを決めるなど似たような形で進んだ。

 しかし後半は様相が一変、トリド大3本目のTDの後、アパラチアン州立大はダーリントン・エバンスが94ヤードをリターンするなど、激しく点を奪い合い、第4Q5分40秒には、レッドシャツの1年生マイケル・ルビノが39ヤードの決勝FGを決めた。

 SBCのアーカンソー州立大とAACのセントラルフロリダ大が戦ったキュアボウルもおとなしい名のボウルゲームである。無論これが第1回。医療とか治癒といった言葉だが、それがこのフロリダ州オーランドとどのようなつながりがあるのかよくわからない。

 ボウルゲームはよく福祉とか慈善とかにかかわることも多いので、そちらの方からの命名かもしれない。識者の多いターンオーバーの読者から、そのうちに明確な「米国文化」をお教えいただけると思う。

 試合は第1Q、パントブロックから先取点を挙げたアーカンソー州立大が、FGやQBジャスティス・ハンセンのTDパスなどで17点をリードした。

 第2Qに10点を返されて折り返したものの、後半にはいきなりハンセンからWRケンドール・サンダースへの75ヤードのTDパスが通って24―10とし、そのまま押し切った。今季の成績は8勝5敗だった。セントラルフロリダ大は6勝7敗。

 ニューオーリンズボウルはCUSAのサザンミシシッピ大が28―21でSBCのルイジアナ大ラファイエットをかわした。

 両校ともに6勝6敗同士の対戦で勝者が7勝で、敗者が7敗とわかりやすい。

 サザンミシシッピ大はQBニック・マリンズのパスがさえ、40本中25本に成功346ヤード、2TDを記録した。

 第1QはRBイト・スミスが1ヤードのランでTDを挙げ、続いてマリンズがスミスへ6ヤードのパスを通して2TDを先取した。前半の終わりに追いつかれたものの、後半もその切れのいいパス攻撃が続き、第3QにはマリンズがTDパスを通した後、第4Qにはスミスが1ヤードを突進して差を開いた。

 ルイジアナ大ラファイエットは終了12秒前に、絶好のTDチャンスを迎えたが、パスに失敗して万事休した。

 サザンミシシッピ大はこの相手に相性がよくこれまで39勝11敗1分け。SBC全体に対しても62勝20敗1分けの好成績を上げている。

 週明けの月曜日、19日はマイアミでマイアミビーチボウル1試合が行われ、AACのタルサ大が55―10でMACの中央ミシガン大に大勝した。

 10勝3敗でシーズンを終えたQBデイン・エバンスのパスが好調で、38本中28本に成功。304ヤードを稼ぐとともに5TDを記録した。5TDを決めたのはキャリア初めて。

 タルサ大は10勝3敗の好成績を残した。セントラルミシガン大はボウルゲーム3連敗。今季の成績も6勝7敗の負け越しとなった。

丹生 恭治 にぶ・きょうじ

名前 :丹生 恭治 にぶ・きょうじ

プロフィール:1934年生まれ。関西学院大学卒業後、東京新聞社で運動記者としてスタートし、1962年に共同通信社へ移籍。著書に、中学時代から関学で親しんだアメリカンフットボール生活を描いた「いざいざいざ」がある。甲子園ボウルには高校時代と合わせて6度優勝。

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