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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

BYUがワイオミング大に勝つ 米大学ボウルゲーム各地で開催

2016.12.28 11:35 丹生 恭治 にぶ・きょうじ
ワイオミング大とのポインセチアボウルでTDを挙げたブリガムヤング大RBウィリアムズ(AP=共同)
ワイオミング大とのポインセチアボウルでTDを挙げたブリガムヤング大RBウィリアムズ(AP=共同)

 「TOUCHDOWN(タッチダウン)」という雑誌があった。国内のアメリカンフットボール専門誌として、長年読者にアピールし続けてきた同誌が今年、厳しい現実に直面して、惜しまれつつも休刊の憂き目を見ることになった。

 第2号からお手伝いを始め、最初の休刊まで何かと記事を寄せ続けてきた年寄りとしては、やはり残念の言葉しかない。

 初のハワイ遠征を果たした全日本チームのRBとして慶応大学からただ一人、日本大学と関西学院大学の「混成チーム」に入るという見事な足跡を残した後藤完夫さんという男が、帰国後旅で知り合った多くの友とともにこの雑誌を立ち上げたバイタリティーは称賛に値する。

 誘われてお手伝いを始めたが、後藤さんの心中を思うと次の言葉がない。

 本場米国のカレッジフットボールは現在、ひたすらボウルゲームシーズンを突き進んでいる。タッチダウン誌は季刊から隔月刊、月刊となったのでこんなに気ぜわしくはなかったが、この時期になるとやはり、現在ほど多くないボウルゲームを一つ一つ拾い上げてきたことを思い出す。新聞記者の特性として、一種の定義を試みていたことも懐かしい。

 まずレギュラーシーズンで記録した「好成績」に対するご褒美だったことを、必ず一言添えた。当時は大体11試合で9勝、8勝はボウルゲーム出場の条件に近かった。

 そのうちにボウルゲーム自体が増えてきて、例示のような高い勝率など求めていたら、新しいボウルゲームなど成り立たなくなってきた。

 7勝はざらになり、そのうちに6勝チームが登場し始めた。「勝ち越しが条件」などと書いていた時期もある。今考えるとお笑いである。

 試合数も増えてき始めた。つまり所属リーグのレベルによっては、6勝6敗、勝率5割はボウル出場の有力な条件となってきた。そしてついにこの2016、17年は5勝7敗も出場の条件の一つとなってきた。

 日本の学生リーグでは長く王者こそボウルゲーム出場がふさわしいとされてきた。今でもそのようにお考えの方は数多くいらっしゃるし、それを否定する気持ちは全くない。

 だがそんな中から「TOKYO BOWL」が生まれ、今年は3度目の試合が催された。今後これがどうなるかは別問題で、始めた以上は正しく成長していってもらいたいと思う。

 3年前に「TOKYO BOWL」の話が持ち上がったとき、あまり食指が動かなかった。そこで同期の大切な友人の意見を聞いてみた。「2位同士の対戦になるのだが、君はどう思う?」

 1950年代半ばの関学の黄金時代を主将としてリードしたこの友は「考えてみ。君はいつも本場の話を教えてくれるやないか。4大ボウルだけの時代とは変わって来とるやないか」と語り、日本だってこうして変わっていくんじゃないのか、とたしなめられたのを鮮明に思い出す。

 さて前回、今季の始まりの5試合を紹介した。そのあとの6試合目から26日までのボウルゲーム11試合を紹介するとスペースがいくらあっても足りなくなる。そして、編集長に大目玉を食らうことになる。

 そこで巻頭で、後藤タッチダウン社主にご登場を願った。そう私が本当に書きたかったのは、タッチダウン休刊で誰が一番困っているのかということだ。

 つまり「タッチダウン誌」が発行されていることにすっかり寄りかかり、自分たちの広報、宣伝に全く関知してこなかったに等しい組織の在り方に、一石が投じられたと私は見ている。

 話がめちゃめちゃそれた。で、勝率5割チーム、負け越しチームのボウルゲームでの実績などを中心に、今年のリポートを閉じたいと思う。

 まず12月19日のマイアミビーチボウル。アメリカン体育連盟(AAC)のタルサ大が55―10と、中部アメリカン連盟(MAC)のセントラルミシガン大に快勝した。

 勝率5割だったセントラルミシガン大はこれで6勝7敗となった。20日のボカラツ―ンボウルはUSA連盟のウエスタンケンタッキー大がAACのメンフィス大を51―31で破った。

 21日のポインセチアボウルは独立校のブリガムヤング大(BYU)が24―20で山岳西部連盟(MWC)のワイオミング大を退け、22日のポテトボウルはサンベルト連盟(SBC)のアイダホ大が61―50でMWCのコロラド州立大に競り勝った。両軍合わせて111点の大量点。攻撃陣優位の典型のような試合だった。

 23日は一気に3試合。バハマの首都ナッソーへ持ち出されたバハマボウルはUSA連盟へ昇格して日も浅いオールドドミニオン大が24―20でMACのイースタンミシガン大を破って同校にとっては初めてのボウルゲームの勝利を飾った。

 アームドフォーセスボウルは、社会人チーム富士通のQBコービー・キャメロンの出身校、USA連盟のルイジアナ工科大が48―45で、ランク25位の海軍士官学校(AAC)を破った。

 ダラーゼネラルボウルはSBCのトロイ大が28―23でMACのオハイオ大を下した。クリスマスイブは1試合。ハワイボウルが開かれ、1試合負け越しで出場したMWCのハワイ大が、52―35でUSA連盟の中テネシー大に勝ち、7勝7敗の勝率5割で今季を終えた。

 26日は3試合が行われたが、出場したのは5割チームと、負け越しチームばかりだった。まずセントピーターズバーグボウルは南東リーグ(SEC)のミシシッピ州立大がオハイオ州のマイアミ大(MAC)に17―16と競り勝ち、「2」あった負け越しを「1」に減らした。5割だったマイアミ大は6勝7敗と負け越した。

 デトロイトでのクイックレーンボウルは勝率5割同士の対戦。大西洋岸リーグ(ACC)のボストンカレッジが36―30とビッグ10のメリーランド大を破った。

 無論、勝者が7勝6敗、敗者が6勝7敗である。インディペンデンスボウルはACCのノースカロライナ州立大がSECのバンダービルト大に41―17と快勝。7勝6敗で今季を終え、バンダービルト大は6勝7敗と成績を下げた。

丹生 恭治 にぶ・きょうじ

名前 :丹生 恭治 にぶ・きょうじ

プロフィール:1934年生まれ。関西学院大学卒業後、東京新聞社で運動記者としてスタートし、1962年に共同通信社へ移籍。著書に、中学時代から関学で親しんだアメリカンフットボール生活を描いた「いざいざいざ」がある。甲子園ボウルには高校時代と合わせて6度優勝。

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