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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

上位は21校で監督交代 米大学フットボール2017年シーズン

2017.8.2 11:47 丹生 恭治 にぶ・きょうじ
米大学フットボールは2017年シーズンに向けたサマーキャンプが始まった(AP=共同)
米大学フットボールは2017年シーズンに向けたサマーキャンプが始まった(AP=共同)

 全米大学体育協会(NCAA)FBS(旧1部A)の、平たく言うとカレッジフットボールの開幕が迫っている。今回は監督さんの出入りを取り上げてみよう。

 今季2017年は、FBS130校のうち21校で監督が新しくなった。全体の16%余りで、多少の上がり下がりはあるものの、大体、例年通りとみていい。

 FCS(旧1部AA)の方は124校中16校が入れ替わって、こちらは約13%である。ともかく世間一般の人事と同じようなもので、栄転もあれば降格もある。

 勝ち負けがそのまま毀誉褒貶に反映する世界で、新監督がどのような実績を残せるか。

 今季最も注目されたのは、名門テキサス大がヒューストン大のトム・ハーマン監督を迎え入れたことだろう。

 1975年の6月生まれで42歳のハーマン氏は、カリフォルニア・ルースラン大でWRとして93年から96年まで在籍。卒業後はテキサス・ルースラン大、次いでテキサス大でWRコーチとして指導者としてのスタートを切った。

 サム・ヒューストン大時代の2004年には、指導下にあったジョナサン・クーパーがこの年のFCSのオールアメリカWRに選ばれるという栄誉を得ている。

 翌05年、ハーマンに初めてFBSのチームから声が掛かり、テキサス州立大を皮切りに、ライス大、アイオワ州立大で相次いでWRコーチを務めた。

 そして11年にはオハイオ州立大と契約、アーバン・メイヤー新監督の下で攻撃コーチの任務にあった。

 こうした実績が評価され、15年にはヒューストン大から監督として招かれた。初の監督の座である。

 ハーマン氏はその初年度に同校を13勝1敗の好成績に導いて、一躍全米の注目の的となった。昨季は9勝4敗に終わったものの、2年ともランキング校の評価を得た。

 そして今回、名門テキサス大から500万ドル(約5億5000万円)の年俸で迎えられることになったのである。

 ビッグ12ではもう1校、ベイラー大がテンプル大のマット・ルール監督と契約した。ルール氏は偶然だが、ハーマンと同い年の42歳、ペンシルベニア州立大でLBとして94年から97年までプレーした。

 テンプル大では監督として13年から16年まで4年間在籍。通算28勝23敗の成績を残している。

 リーグ別に見ると、ビッグ10は3校で監督が入れ替わった。ミネソタ大は西ミシガン大のPJ・フレック監督を迎えた。

 フレック氏は北イリノイ大でWRとしてプレーした後NFL入り、49ersで2年間プレーした。西ミシガン大では13年から16年の4シーズンで30勝22敗の成績だった。

 パーデュー大は西ケンタッキー大のジェフ・ブラウン監督。同氏はルイビル大でQBを務めた後プロ入りし、NFLなどの7チームを渡り歩いた。西ケンタッキー大では3年間で30勝10敗の好成績だった。

 インディアナ大は守備コーチのトム・アレン氏が、ケビン・ウィルソン監督の後任として、ボウルゲームから指揮を執った。

 太平洋12大学はオレゴン大とカリフォルニア大の2校。オレゴン大が招いたウィリー・タカト氏は、西ケンタッキー大と西フロリダ大を7シーズン指揮し、計40勝45敗の成績を残している。

 カリフォルニア大のジャスティン・ウィルコックス氏はウィスコンシン大の守備コーチからの抜擢された。

 南東リーグの交代は1人。全くの新監督ではないが、ルイジアナ州立大のエド・オージュロン氏が全21人の中に組み入れられている。

 昨季半ば、高名なレス・マイルズ監督の跡を継いで監督の座に就き、6勝2敗で1年目を終えている。また大西洋岸リーグは、昨季4人もの交代があっただけに、今季はゼロだった。

 残りの5リーグは、いわば名門校への監督「登竜門」の性格が強い。もっとも5人が入れ替わったアメリカン体育連盟は、古株の受け皿といった性格も併せ持った。

 例えばテキサス大を解任されたチャーリー・ストロング氏は南フロリダ大の監督に迎えられたし、コネチカット大やメリーランド大を指導したランディ・エドセル氏も1年間の休みの後、コネティカット大へ復帰している。

 一方、テンプル大のジョフ・コリンズ氏はフロリダ大、シンシナチ大のルーク・フィッケル氏はオハイオ州立大の、それぞれ守備コーチからの抜擢だった。

 ヒューストン大は内部からメジャー・アップルホワイト氏を昇格させた。

 USA連盟は3校。フロリダ大西洋大はかつてテネシー大や南加大を指揮したレーン・キフィン氏が監督業へ復帰。西ケンタッキー大はノートルダム大の攻撃コーチのマイク・サンフォード氏が昇格し、フロリダ国際大は北カロライナ大などで監督を務め、現在は解説者のブッチ・デービス氏を迎え入れた。

 山岳西部連盟のフレズノ州立大はかつてのカリフォルニア大監督のジム・テッドフォード氏と契約したが、サンノゼ州立大はオレゴン州立大WRコーチのブレント・ブレナン氏、ネバダ大もアリゾナ州立大のWRコーチ、ジェイ・ノーベル氏を抜擢した。

 中部アメリカン連盟は、西ミシガン大がパーデュー大のQBコーチ、ライム・レスター氏を、サンベルト連盟はジョージア州立大が南カロライナ大OLコーチのショーン・エリオット氏を監督に就任させた。

丹生 恭治 にぶ・きょうじ

名前 :丹生 恭治 にぶ・きょうじ

プロフィール:1934年生まれ。関西学院大学卒業後、東京新聞社で運動記者としてスタートし、1962年に共同通信社へ移籍。著書に、中学時代から関学で親しんだアメリカンフットボール生活を描いた「いざいざいざ」がある。甲子園ボウルには高校時代と合わせて6度優勝。

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