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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

いきなりアラバマとフロリダ州立が激突 米大学開幕戦

2017.8.24 10:43 丹生 恭治 にぶ・きょうじ
2010年の全米大学王座決定戦で対戦したアラバマ大とテキサス大(AP=共同)
2010年の全米大学王座決定戦で対戦したアラバマ大とテキサス大(AP=共同)

 米国のカレッジフットボールがいよいよ始まる。2017年度の全米大学体育協会(NCAA)のフットボール部門、ボウル・サブディビジョン(FBS=旧1部A)は8月26日、ライス大―スタンフォード大などの5試合で開幕する。

 3カ月余りの日程を消化したのち、各リーグでは王座決定戦を行い、12月9日の陸海両士官学校の伝統の一戦でレギュラーシーズンを終える。

 引き続いて各リーグのチャンピオンや、好成績校を招いて開かれるボウルゲームが各地で熱戦を展開する。

 4年目を迎えた選手権大会は選考委員会のランキングに基づいて選ばれた4校が、元日のシュガー、ローズ両ボウルゲームで準決勝を行い、1月8日にアトランタのメルセデスベンツ・スタジアムで大学の王座を争う。

 まずは開幕前のランキングだが、AP通信の記者投票が8月21日に発表された。大筋は8月初めの監督投票とほとんど変わりがなく、首位はアラバマ大。以下オハイオ州立大、フロリダ州立大、南加大、クレムソン大、ペンシルベニア州立大と続いた。

 両者とも上位6校の顔ぶれ、順位ともに全く同じだった。

 有力リーグのランク校の顔ぶれも変わらず、南東リーグ(SEC)の6校、大西洋岸リーグ(ACC)とビッグ12の各5校、ビッグ10の4校はいずれも同じチームが並んだ。

 しかし太平洋12大学は南加大、ワシントン大、スタンフォード大の3校は変わらなかったものの、25位につけていたユタ大と入れ代わって、ワシントン州立大が24位に顔を出した。なお5リーグ以外ではアメリカン体育連盟(AAC)から南フロリダ大がランク校として名乗りを上げている。

 開幕週はNCAAの発表では、8月26日から9月4日までの10日間と決まり、後半の5日間は休みなしに一気に消化される。

 このため、南フロリダ大は26日にサンノゼ州立大、9月2日にストーニーブロック大と、2試合を消化することになった。

 ここの開幕週で最も注目されるのは、アラバマ大とフロリダ州立大の顔合わせだ。ランク1位校と同3位校のいきなりの激突である。

 試合会場はアトランタのメルセデスベンツ・スタジアムと、中立のフィールドが選ばれた。チームはどちらも攻守のバランスがよく取れ、無論所属するSEC、ACCそれぞれのリーグの優勝候補である。

 アラバマ大は攻撃では昨年、新人離れの大活躍を見せたQBジャレン・ハーツが軸となる。昨年、ミシシッピ州立大相手に、パス300ヤード、自らのラン100ヤードを記録した試合の再現が期待されている。

 RBはボー・スカボロー、WRではカルビン・リドリーら全米級がそろう。とりわけジョナ・ウィリアムズをタックルに据えたOLの安定度は全米一ともいわれている。

 守備はミンカ―・フィッツパトリック、ロニーハリソンらのDB陣、ラシャーン・エバンスがリードするLB、DTダロン・ペインが軸のDLとこれまたトップクラスの評価を得ている。

 フロリダ州立大はアラバマ大ほどのスター選手はいないものの、各ポジションともバランスが取れている。

 攻撃の鍵はQBデオンドリ・フランソワーズ。DTデルリック・ナディが率いる守備も堅固で、十分互角に渡り合えよう。

 このほかランク校同士の対戦はランク16、17位のフロリダ大と、9、11位のミシガン大の試合がある。

 SECのフロリダ大は守備力に優れ、ビッグ10の名門ミシガン大はランプレーが軸と、熱のこもった力比べが見られそうだ。

 また、3日にはACCのバージニア工科大とビッグ12の西バージニア大の試合も興味深い。バージニア工科大は21、22位で守りが堅い。一方、西バージニア大は22、20位で強力なランを持つ。

 ランキングでは全く互角ながら、戦力が対照的なのも面白い。

 リーグごとに展望するとSECは西地区がアラバマ大を、ルイジアナ州立大(LSU)とオーバーン大が追う展開。

 東地区はジョージア大とフロリダ大の競り合いにテネシー大が割って入る形。現在のランキングから見ると、リーグの王座戦は西を制したチームに分がありそうに見える。

 ビッグ10は東地区のオハイオ州立大がQBのJTバーレットと、大型の守備ラインを誇れば、全米級のRBサクオン・バークリーを擁するペンシルベニア州立大がピタリと後に付け緊迫した首位争いが期待されている。

 2校にとってはミシガン大も要注意だ。西地区はウィスコンシン大が一歩リードしている。

 ACCもフロリダ州立大、昨年の覇者クレムソン大、ハイズマン賞のQBラマー・ジャクソンが健在のルイビル大の3校がひしめくアトランティック地区が優位に立っている。

 コースタル地区はフロリダのマイアミ大とバージニア工科大の争いだが、果たしてリーグの王座争いをリードできるかどうか。

 太平洋12大学は南北制で、南は南加大がQBサム・ダーノルドを擁して豊かな攻撃力を誇る。ライバルのカリフォルニア大ロサンゼルス(UCLA)の戦力が十分ではなくユタ大、コロラド大では役不足なので、独走の形になる可能性がある。

 北はQBジェイク・ブラウニングがリードするワシントン大とスタンフォード大との争い。ワシントン州立大の健闘も見ものだ。

 ビッグ12は、12というものの参加校は10校で地区制も採っていない。昨季と同様オクラホマ大とオクラホマ州立大との首位争いで決着がつきそうだ。

 オクラホマ大は全米一のQBともいわれるベーカー・メイフィールドが最終学年を迎えた。昨季は4000ヤード近くを投げて40TDを記録している。

 オクラホマ州立大のQBメーソン・ルドルフも4000ヤード余りを記録した好選手。昨季同様、激しい点の取り合いが期待される。

 この2強に、今季はカンザス州立大が割り込む構えを見せているのも面白い現象。古豪テキサス大がトム・ハーマン新監督の下でいかに陣容を立て直してくるかも見どころである。

 5リーグ以外では先に述べた南フロリダ大のAACが注目され、東地区をリードする南フロリダ大に西地区のヒューストン大、タルサ大、メンフィス大が挑む図式は面白そうだ。

 このほか独立校はやはりノートルダム大が図抜け、ブリガムヤング大(BYU)が後を追う。

 山岳西部連盟(MWC)は山岳地区がボイジー州立大。西部地区はサンディエゴ州立大がリードしている。

 中部アメリカン連盟(MAC)は西地区の優位が相変わらずで、今季も西ミシガン大とトリド大の争いとなりそう。東はオハイオ大の評価が高い。

 USA連盟(CUSA)は西地区のルイジアナ工科大と、東地区の中央テネシー大、西ケンタッキー大の争い。1校の増加で、1地区各7校とバランスが良くなった。

 サンベルト連盟はアパラチアン州立大とトロイ大が強い。1校増えて12校になり、地区制導入も近そうである。

丹生 恭治 にぶ・きょうじ

名前 :丹生 恭治 にぶ・きょうじ

プロフィール:1934年生まれ。関西学院大学卒業後、東京新聞社で運動記者としてスタートし、1962年に共同通信社へ移籍。著書に、中学時代から関学で親しんだアメリカンフットボール生活を描いた「いざいざいざ」がある。甲子園ボウルには高校時代と合わせて6度優勝。

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