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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

【編集後記】Vol.200

2017.9.8 11:32
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IBMとの試合後、インタビューに答えるオービックのQB菅原俊選手=9月5日・東京ドーム
IBMとの試合後、インタビューに答えるオービックのQB菅原俊選手=9月5日・東京ドーム

 上手の手から水が漏れることもある。

 日本選手権(ライスボウル)で、過去3度最優秀選手に贈られる「ポール・ラッシュ杯」を獲得しているオービックのQB菅原俊選手が、珍しく致命的なミスをした。

 9月5日に東京ドームで行われたIBMとの秋季リーグ初戦。第3クオーター、不用意に投げたパスを相手DBにインターセプトされ、そのまま98ヤード先のエンドゾーンまで持ち込まれた。

 このプレーで流れが変わり、試合は34―38で敗れた。

 「チームを勝ちに導かなければ、QBは仕事をしていないのと同じ。きょう負けたのは自分の責任。とても悔しい」

 172センチ、83キロ。体格のハンディを、これほど感じさせない選手はあまりいない。

 矢のようなパスが投げられるわけではなく、相手守備を切り裂く脚力があるわけでもないが、菅原選手を「理想のQB」と評価する指導者は多い。

 何がすごいのか。まず、勝負どころを心得ていること。パスのコントロールが絶妙で、ピンポイントでレシーバーの胸に投げ込めることなどいろいろあるが、何よりアメリカンフットボールというゲームの要諦を知り尽くしているのが魅力である。

 IBM戦は、春から先発QBを務めていたハワイ出身のイカイカ・ウーズィー選手が故障し、スターターに指名された。

 「先発も控えも、やるべき準備は同じ。大事なのは、いかに強気でフィールドに立てるか。みんなに信頼されるように、日頃の行動にも気をつけなければいけない」と、司令塔としての心構えを教えてくれた。

 法大の4年時は、関東でライバル日大に敗れ、甲子園ボウル出場を逃している。

 それからちょうど10年。東京の副都心の基幹支店で、大企業を担当する大手銀行マンは言う。「仕事はきつい。でも、仕事とフットボールの両立は僕にとって人生の挑戦なんです」

 挫折や失敗を糧に、数々の栄光を手にしてきた31歳。コーチからは「40歳までプレーできる」と太鼓判を押されているそうだ。(編集長・宍戸博昭)

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