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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

最終プレーで決勝TD、ペン州立がアイオワに辛勝 米大学第4週

2017.9.27 11:13 丹生 恭治 にぶ・きょうじ
アイオワ大ディフェンダーの激しいタックルで宙に舞う、ペンシルベニア州立大のRBバークリー(AP=共同)
アイオワ大ディフェンダーの激しいタックルで宙に舞う、ペンシルベニア州立大のRBバークリー(AP=共同)

 全米大学体育協会(NCAA)のフットボール部門のボウル・サブディビジョン(FBS=旧1部A)に属する130校をあれやこれやと紹介しているうちに、気になるチームができてくる。

 戦い方の好みだったり、身につけるものが趣味だったり、初めて見たときの勝った方のチームだったりと、理由は何でもありだが、こんなところから向こうのフットボールへの興味を深めたりするものである。

 私にもそんなチームが幾つかある。今回取り上げるペンシルベニア州立大もその一つである。深い理由があるわけではない。

 ただ40年ほど前、共同通信の大阪支社勤務時代に関西のサンテレビからの依頼で、このチームの1シーズン分の試合を、解説をしたことがあった。

 米国の学会へ長期出張された元関学大監督の武田建さんの穴埋めということだったが、しどろもどろでサンテレビはもとより、前任者にも多大な迷惑をかけた。

 本稿は当時からの読み方で「ペンステート」で統一するが、今こうして原稿を書く立場に身を置くと、なんだか懐かしい。その頃はジョー・パターノ監督だった。

 5年ほど前に86歳で亡くなられたが、攻守にめりはりのきいたオーソドックスな試合運びは印象に強く残っている。

 同監督について語るときりがないのでここまでにするが、このチームはこんなわけで気になっている。

 今回取り上げたのはペンステートが今シーズン、開幕当初からランク入りし、この週は4位という高い位置につけていたからでもある。

 いわば「パターノ時代」以来の全米注目チームでもある。その今季の注目チームが、ランク外のアイオワ大に大苦戦した。

 ペンステートは1993年にこのビッグ10に加盟し、94年にはいきなり8戦全勝でリーグ制覇、リーグ外にも全勝して12勝0敗。全米ランキングはネブラスカ大(当時ビッグ8)に続いて2位となっている。

 昨年は東地区を制し、西の首位ウイスコンシン大と優勝決定戦を行って38―31でリーグを制した。

 今季の第4週はリーグ外の対戦が一段落し、いよいよリーグ戦そのものが始まる時期である。両校にとって今季最初のビッグ10の試合だった。

 舞台はアイオワ大の本拠地アイオワシティーのキニック・スタジアム。ペンステートは第1QにFG。第2Qにセフティーと先手を取ったが、中身はさえない。

 アイオワ大は前半終了間際の残り43秒、QBネーサン・スタンリーがWRニック・イーズリーへ21ヤードのTDパスを通して、7―5と逆転した。

 後半はペンステートが立ち直り、第3Qにタイラー・デービスのFGとRBサクオン・バークリーの8ヤードのTDランとで15―7と優位に立った。

 迎えた第4Q10分15秒、アイオワ大はスタンリーがRBのアクラム・ワドリーとのパスプレーで鮮やかに70ヤードのTDを挙げた。2点のTFPで同点を狙ったが、これはパス失敗。13―15のままに終わった。

 続くペンステートの反撃は自陣12ヤードから。実に16プレーを費やしてようやくアイオワ大21ヤード線へ達したが、努力むなしくデービスのFGはブロックされる。

 一方この幸運に恵まれたアイオワ大は、スタンリーのパスで一気にぺンステート陣へ攻め込み、エースのワドリーが35ヤードを駆け抜けてついに逆転に成功した。

 残り時間は少なかったが、ペンステートは自陣20ヤードからパス中心の息の長いドライブで攻め続け、12プレ―目の最後の攻撃で、QBトレース・マクソ―リーがゴール前7ヤード地点から、WRジュアン・ジョンソンへのパスを難なく決めて決勝点を奪った。勝利を逃しはしたが、アイオワ大の粘り強い守りは見事。ペンステートがランク校の貫禄を見せた試合だった。

 ランキング校同士の対戦は2試合。ビッグ12では16位のテキサスクリスチャン大が先手先手と得点して、6位のオクラホマ州立大を44―31で破った。予想から見れば番狂わせだろう。

 南東リーグ(SEC)では11位のジョージア大が、17位のミシシッピ州立大を攻守に圧倒して31―3と快勝した。

 ランキングチームがランク外のチームに土を付けられる番狂わせも相変わらずで、大西洋岸リーグ(ACC)ではノースカロライナ州立が27―21でフロリダ州立大に競り勝った。

 ハリケーンのためにやっと2試合目というハンディがフロリダ州立大にあったようだ。

 太平洋12大学では、アリゾナ州立大が24位のオレゴン大を37―35の小差で破っている。

 ランキングの上位では、1位アラバマ大がバンダービルト大を59―0と一蹴、SEC王者の貫禄を見せた。

 ACCでは、ランク2位のクレムソン大がボストンカレッジを34―7と寄せ付けなかった。

 ビッグ12ではランク3位のオクラホマ大がベイラー大に苦しめられ49―41で競り勝った。

丹生 恭治 にぶ・きょうじ

名前 :丹生 恭治 にぶ・きょうじ

プロフィール:1934年生まれ。関西学院大学卒業後、東京新聞社で運動記者としてスタートし、1962年に共同通信社へ移籍。著書に、中学時代から関学で親しんだアメリカンフットボール生活を描いた「いざいざいざ」がある。甲子園ボウルには高校時代と合わせて6度優勝。

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