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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

「低脂肪バーガー」でアスリートも安心 多聞流「栄養学」を紹介

2017.9.28 11:28 中村 多聞 なかむら・たもん
多聞さんが開発した「低脂肪バーガー」は、アスリートも安心して食べられる
多聞さんが開発した「低脂肪バーガー」は、アスリートも安心して食べられる

 僕が選手として発展途上の頃、トレーニングと食事について運動能力の向上をゴールに、いろんな角度からさまざまな情報を収集し勉強しました。

 「フットボールインテリジェンス」は著しく低いことは自分でも理解していましたが、そういうものはチーム内で学ぶことであり、基本的に外部では習えない時代でした。

 米国のNFLやNCAAのフットボール放送も限られており、録画するためのテープを買うだけで小遣いが破綻する時代です。

 解説者の言うことだけがフットボールの「理論」となっていました。ですから、おおよそ正確ではあるでしょうが誰にもどんなチームにも当てはまるかどうかのジャッジすらできません。比較対象もないので「とりあえずやってみる」しか自分たちにフィットするかどうかを試す方法はありません。

 しかし「体を鍛える」「トレーニング方法」「栄養」などについては、1980年代とはいえ多くの文献が出版されており、書店や図書館に行けば勉強できたわけです。

 そしてジムに行けば自分の限界までは鍛えることができるので、理屈を学んでは闇雲に鍛えていました。

 僕がいた大学では、1部校のような厳しい練習と長いミーティングがあるわけではないので、クラブ活動を「真剣に」していても、アルバイトを毎日8時間していましたから月給で15、16万円は得ていました。

 バブル末期の時代ですのでそれにプラスチップがあり、そこそこの暮らしができる学生時代ではありましたが、稼いだお金でプロテインやビタミンなどのサプリメントを買うほど賢くなく、全額車とバイクのローンと維持費に使っていました。

 どうせ甲子園ボウルには出られませんので、フットボールでの成功はもっと先だろうと明確に理解していたわけで、青春を謳歌することも忘れていませんでした。

 その約10年後に、大阪梅田でお店を開くことになった僕は、まだ選手として現役バリバリで、NFL行きを夢見るアスリートでした。

 今で言う「スポーツダイナー」で用意したメニューの中でも、選手たちが好んで注文した「クレアチンドリンク」「プロテインシェイク」「卵10個のオムレツ」「ドレッシングなしサラダ」など、分かりやすい健康フードがありました。

 卵10個のオムレツも白身と黄身の個数を指定できるのはもちろん、ハードコアなマッチョマンは白身だけのオムレツをお湯で薄めたポン酢で食べるというケースもありました。

 その頃からファストフードっぽくない本格バーガーを売り出しましたが、1000円以上もするバーガーはあまり人気が出ずメニューから消えていきました。

 そこで、現在のバーガー店で使用するお肉はもちろん牛肉なのですが、最近僕がダイエットを再開したことや、もうすぐ50歳になることなどを鑑みて、「食べても健康に支障をきたしにくいバーガー」を開発しました。つまり「シーズン中のアスリートでも安心して食べられるバーガー」です。

 その商品名はまだ未定ですが、仮に「ゴリゴリ低脂肪バーガー」としてほぼ開発を終えました。

 パンは小麦ではなく全粒粉でもっちり美味しいものを、お世話になっているパン屋さんに開発してもらいました。

 普通の全粒粉パンは、パサついてもぞもぞするので健康を気にする人以外は人気ないですよね。全粒粉パンと言いましても、カロリーは小麦パンとそれほど変わりません。

 ただ、大きく変わるのはグリセミック指数が大きく違うのです。現代では「Glycemic Index(GI値)

」と呼ばれたりします。

 グリセミック指数が高い食品は、血糖値の急上昇が起こりますので肥満になりやすい。このメカニズムは有名ですので、皆さんもご存知でしょう。

 全粒粉パンは小麦パンに比べてこのGI値が半分だけなのでGI値の低い食べ物として君臨しており、食べても肥満になりにくい、というわけなのです。

 必死で痩せたきゃ何も食うなって話ですが、まあダイエット中もいろいろ食べたいじゃないですか。そういうことです。

 食べても小麦パンよりは太りにくい全粒粉パンに挟むのは「鳥ムネ肉」をミンチして作ったパティです。

 鳥のムネ肉は脂が少ないことは皆さんご存知でしょうから説明の必要はありませんね。私たちが美味しさを感じる「とろける脂」は排除し、少しの塩コショウで味付けし焼くだけです。

 そして低脂肪チーズに低脂肪ハム。野菜はトマトとレタスも入れておかないと「健康なイメージ」を謳いづらくなるのでちゃんと入っています。

 そして出来上がったものが写真の「ゴリゴリ低脂肪バーガー(仮名)」です。体重が重く、一食につきもっと多くのタンパク質が必要な方は、鳥肉パティの追加でダブルやトリプルにもできます。

 調味料などにも聞いたことのないカタカナの化学薬品が使用されていないものだけを選びました。

 もちろん、牛肉の肉汁滴るノーマルのハンバーガーに比べれば美味しさは10分の1倍程度ですが、食事制限中アスリートの何でも食べていい日「チートデイ」でない日にも食べられるバーガーですので、まあそこはご勘弁ください。

 ただし、前述しましたが全粒粉パンも小麦パンもカロリーは似たようなものなので、調子に乗って何個も食べたらあきまへんで。

 さて、日本のフットボールシーズンも深まってきました。この週末、僕がRBを指導しているノジマ相模原ライズは、春に負けたIBM、早稲田大学ビッグベアーズは立教大学と対戦します。

 会場での応援を、よろしくお願いいたします!

中村 多聞 なかむら・たもん

名前 :中村 多聞 なかむら・たもん

プロフィール:1969年生まれ。幼少期からNFLプレーヤーになることを夢見てアメリカンフットボールを始め、NFLヨーロッパに参戦しワールドボウル優勝を経験。日本ではパワフルな走りを生かして、アサヒ飲料チャレンジャーズの社会人2連覇の原動力となる。2000年シーズンの日本選手権(ライスボウル)では最優秀 選手賞を獲得した。河川敷、大学3部リーグからNFLまで、全てのレベルでプレーした日本でただ一人の選手。現在は東京・西麻布にあるハンバーガーショップ「ゴリゴリバーガー」の代表者。

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