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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

「地域密着」でファン獲得 地道な努力続けるノジマ相模原ライズ 

2017.10.12 10:40 中村 多聞 なかむら・たもん
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大接戦となったLIXILとのリーグ戦で、スタンドを埋め尽くしたノジマ相模原ライズのファン=写真提供・ノジマ相模原ライズ
大接戦となったLIXILとのリーグ戦で、スタンドを埋め尽くしたノジマ相模原ライズのファン=写真提供・ノジマ相模原ライズ

 僕がランニングバック(RB)を指導している、ノジマ相模原ライズの秋季リーグ第4戦の相手はLIXILディアーズでした。

 素晴らしいお天気に恵まれ、真夏のような日差しの中でゲームが行われました。両チーム合わせて11回の得点があり、リードが4回も入れ替わるという接戦(38―35)でなんとか勝利することができました。

 試合終了時間が少しずれるだけでどちらが勝ってもおかしくない展開で、関係者にとっては胃の痛くなる日でした。

 僕が担当しているRBユニットは、通常のRBとパントやキックオフのリターナーとしていろんな場面でそれぞれの役割を果たし、少しずつチーム内での信頼を獲得しているという手応えがあり、ホッとしています。

 昨シーズンはリーグ序盤でエースRBの宮幸崇が骨折で戦力外になり、その他の選手もけがなどが重なってしまい、RB専門のコーチが来たというのに何も仕事ができなかったという悲しいシーズンでしたが、今年は今のところ皆がけがなく無事に戦っています。

 前節、相模原で行われたホームゲームではIBMとの接戦をどうにか逃げ切り、今回も接戦でなんとか勝利しましたが、昨年も同じような感じで惜しくも勝てなかったことを思い出しました。

 僕はゲーム中、コーチですからもちろんフィールドにいるのですが、ノジマ相模原ライズの試合を観戦に来られているお客様がとても多いことに気づきました。

 相模原で行われたゲームはもちろん地元ですから、対戦相手のIBMより多くのお客様が観客席にいました。リクシル戦は調布市ということでLIXILのホームなのに、人数でも負けていなかったように見えました。

 以前のスポンサー会社が撤退する時、チームは残してスポンサーだけ降りれば済んだ話だったのに、協会へ脱会を申し出てしまったのでチームは消滅してしまいました。

 残った有志が団結して3部リーグから再出発し、再びトップリーグで優勝を狙える位置に戻って来たドラマを持つチームですが、いまだに決勝戦の舞台には立てていません。

 そこで複数のチームメートに「ライズの魅力って何よ?」「ライズの試合に多くの方が来てくれる理由は何?」と聞いてみました。

 まずは一番ちゃんと答えてくれそうな、事務局の飯島沙織さんに聞いてみました。

 「ライズの魅力は、本当に個性豊かなメンバーたちが、日本一という目標に向かって、どんな状況でも最後のワンプレーまであきらめずにしぶとくプレーするところだと思います。 アメフトに馴染みのなかった方にも、相模原のチームだからとファンになっていただいています。その点はライズ独自のものかもしれません。他にもいろいろあります。例えば、地元の複数企業が支えてくれています。市役所のスポーツ課や淵野辺商店会の方々が毎試合応援に来てくれ 、毎週相模原市内の小学校を選手が訪れて挨拶運動をしています。元々(オンワード)オークスのグラウンドが現在事務所のある淵野辺にあったので、チーム解散後はやはりここから再出発をしようということで、相模原を拠点にしたと聞いています。地元の複数企業にサポートしていただくことを目指したのも、一企業に大きな負担をかけずに支援をしてほしいという目的だったようです。現在は、相模原創業の株式会社ノジマ、相模原隣接の町田に店舗があるoverride、株式会社エコグリーンなどにスポンサーになっていただいています。相模原市のホームタウンチームに認定されているので、相模原市が全面的に協力してくださっています」

 選手、コーチからもこんな話が聞けました。

 「①地域貢献(清掃活動・小学校挨拶運動など)をしている②選手自ら集客している③QBデビン・ガードナーを見たいなどがファンを引きつけていると思います。ジュニアチームとキッズチアがあるのも大きいと思います。そして、3部に転落しても諦めない姿勢と、お互いを信じて必ず1部に返り咲いて優勝したいという気持ちが、チームに関わる全ての人の心を動かしていることですね。プロではないリーグで、いかにチームをプロモーションしてアピールしているかというところも、お客様が多い理由だと思います」(DB佐久間徹選手)

 「僕は1部昇格2年目の入団なので実際には経験していないのですが、3部からスタートして相模原という地域密着型のチームとして、地域に貢献する活動などが評価されているのではないでしょうか。そういう僕らの活動を見て入部される裏方の方も多いと聞いています」(RB東松瑛介選手)

 「立ち上げ当初から、地域とともに歩むという理念のもとに、さまざまな活動をしてきたからじゃないでしょうか。今もやっている試合後の挨拶だったり、小学校での挨拶運動、チアと選手の地域イベント参加などの積み重ねが、ファンの支持を得ていると思います」(DB河石泰主将)

 「前のスポンサーが急に降りてしまい、景気に左右されない地域密着型のチームを目指して活動をしてきたのが、今のファンの多さにつながっていると思います」(WR井本圭宣選手兼任コーチ)

 要するに地域に密着して貢献し、一生懸命頑張る姿を、地元の皆さんはちゃんと見てくれているんですね。

 リーグ戦は3勝1敗で残り2試合。プレーオフに進出できればまだまだシーズンは終わりません。しっかり練習して「強いライズ」見せなければいけません。僕も頑張ります!

中村 多聞 なかむら・たもん

名前 :中村 多聞 なかむら・たもん

プロフィール:1969年生まれ。幼少期からNFLプレーヤーになることを夢見てアメリカンフットボールを始め、NFLヨーロッパに参戦しワールドボウル優 勝を経験。日本ではパワフルな走りを生かして、アサヒ飲料チャレンジャーズの社会人2連覇の原動力となる。2000年シーズンの日本選手権(ライスボウル)では最優秀 選手賞を獲得した。河川敷、大学3部リーグからNFLまで、全てのレベルでプレーした日本でただ一人の選手。現在は梅田と西麻布でバーガーショップを運営する有限会社 タモンズ代表取締役。。

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