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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

決勝はジョージアとアラバマ 米大学フットボール

2018.1.5 15:28 丹生 恭治 にぶ・きょうじ
自らのランで前進する、アラバマ大のQBハーツ(2)(AP=共同)
自らのランで前進する、アラバマ大のQBハーツ(2)(AP=共同)

 

 2017年12月半ばに始まったボウルゲームも、18年の元日で39試合を終えた。あとは全米注目の大勝負、1月8日にジョージア州アトランタのメルセデスベンツ・スタジアムで開かれる選手権決勝を残すだけとなった。

 勝ち残ったのはジョージア大とアラバマ大。南東リーグ(SEC)の2強の対決となった。

 

 SECの王座戦でオーバーン大を倒したジョージア大は、プレーオフ・ランキングの3位につけ、ビッグ12を制したランク2位のオクラホマ大と元日のローズボウルで対決した。

 ゲームは2度の延長戦の末にジョージア大が54―48でオクラホマ大を倒した。
 ランク4位でシュガーボウルへ駒を進めたアラバマ大は、大西洋岸リーグ(ACC)を勝ち抜いたランク首位のクレムソン大と対戦して24―6で快勝。昨季の決勝戦の雪辱を遂げた。

 

 4校のトーナメントになって4年目の選手権決勝が同一リーグのチーム同士で争われるのは今回が初めてである。

 

 このほか元日のボウルゲームでは、ピーチボウルでアメリカン体育連盟(AAC)のセントラルフロリダ大がSECのオーバーン大に34―27で競り勝ち13戦13勝を記録。全米大学体育協会(NCAA)フットボール部門のボウルサブディビジョン(FBS=旧1部A)の130校中ただ1校、黒星なしの成績で今季を終えた。

 またシトラスボウルでは、ランク14位の独立校ノートルダム大が、17位でSECのルイジアナ州立大を21―17で下した。

 

 暮れにはかつてのビッグボウルが分散して開かれ、登場したビッグ10勢が快調に白星を重ねた。

 まず12月28日のコットンボウルではランク5位のオハイオ州立大が同8位で太平洋12大学(Pac12)の南加大を24―7で退け、30日にはフィエスタボウルでランク9位のペンシルベニア州立大が、Pac12でランク11位のワシントン大を35―28でかわし、オレンジボウルでは6位のウィスコンシン大が10位のフロリダのマイアミ大(ACC)を34―24で破った。

 

 元日に移る。まずローズボウル。激しい点の取り合いが展開された。オクラホマ大はハイズマン賞に輝いたQBベイカー・メイフィールドが主役を務め、立ち上がりからフル回転。そのパスに呼応して、ランプレーではRBロドニー・アンダーソンが力走を重ねて差を開
いた。

 前半の残り13秒にはゴール前2ヤードに迫り、メイフィールドをレシーバーに出す奇策。控えのC・ラムが投げてTDを挙げ、31―14と差を広げた

 

 しかし、ジョージア大は食い下がった。好リターンで相手陣に攻め込んでの前半残り1秒、ロドリゴ・ブランケンシップが55ヤードものFGに成功して折り返した。

 さらに第3Qから第4Q初めにかけては、RBニック・チャブが50ヤード、ソニー・ミッチェルが38ヤードのロングゲインでTDを挙げ、QBジェイク・フロムがWRジャボン・ウィンズへ4ヤードのパスを決めるなど、一気の攻めで38―31と逆転した。

 だが、オクラホマ大もメイフィールドのTDパスで追いつき、続いてDBスティーブン・
パーカーがファンブルを拾って46ヤードをリターン、勝ち越し点を奪った。このまま逃げ切れるかどうか勝負だったが、ジョージア大は残り59秒、チャブがゴール前2ヤードからの突進で同点とし、延長戦にもつれ込んだ。

 

 第1延長は互いにFG。第2延長で先攻のオクラホマ大は7プレーを費やしたが効果は上がらず、揚げ句にFGをLBのロレンゾ・カーターにブロックされる始末。

 一方、後攻のジョージア大は2プレー目にミッチェルが27ヤードを快走してそのままTD。貴重な白星をものにした。

 

 アラバマ大は昨季の選手権決勝の雪辱を遂げた。自陣のエンドゾーン左隅に決められたクレムソン大のTDパスから1年。攻守にアラバマ大らしい貫禄を見せてクレムソン大を突き放した。

 2年生のQBジャレン・ハーツが堅実なプレーコールに徹し、第1Q5分27秒、まず24ヤードのFGで先取点。第1Q終了直前にはWRカルビン・リドリーへ12ヤードのパスが通って10-0と優位に立った。

 クレムソン大は第2Qにアレックス・スペンスが44ヤードのFG。第3Q初めにも42ヤードのFGを決めたが、これが精いっぱい。ドライブが進まず、TDが生まれる兆しは全く見られなかった。

 

 アラバマ大は第3Q半ば、ハーツからWRダロン・ペインへのパスで加点し、さらにその直後、M・ウィルソンが相手の18ヤード地点でケリー・ブライアントのパスを奪い、そのままエンドゾーンへ駆け込んで追加点を挙げた。

 

 アラバマ大は後半、クレムソン大の5度のドライブをパント3度、インターセプト2度、トータル45ヤード、無論TDは0と、完全に抑え込んでいた。

 クレムソン大との対戦成績はこれで14賞4敗。プレーオフに限ってみると2勝1敗である。

 

 ピーチボウルではセントラルフロリダ大が豊かな攻撃力を武器に、オーバーン大と互角に渡り合った。

 第1QにFGで先取されたが、第2Qに3点を返した後、QBマッケンジー・ミルトンが自ら18ヤードを駆け抜けて勝ち越した。

 後半はオーバーン大に2TDを奪われたが、そこからセントラルフロリダ大が本領を発揮。ミルトンの2TDパスで差を広げた後、パスインターセプトからTDを奪って34―20とした。

 肝心なところで見せる抜け目のない守りも、全勝無敗の原動力かもしれない。

丹生 恭治 にぶ・きょうじ

名前 :丹生 恭治 にぶ・きょうじ

プロフィール:1934年生まれ。関西学院大学卒業後、東京新聞社で運動記者としてスタートし、1962年に共同通信社へ移籍。著書に、中学時代から関学で親しんだアメリカンフットボール生活を描いた「いざいざいざ」がある。甲子園ボウルには高校時代と合わせて6度優勝。

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