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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

オクラホマQBメイフィールドが4賞 2017年度米大学フットボール個人賞

2017.12.27 12:26 丹生 恭治 にぶ・きょうじ
「ハイズマン賞」など四つの個人賞を獲得した、オクラホマ大QBベイカー・メイフィールド(AP=共同)
「ハイズマン賞」など四つの個人賞を獲得した、オクラホマ大QBベイカー・メイフィールド(AP=共同)

 

 先日、オクラホマ大のQBベイカー・メイフィールドが、今季の全米最優秀選手賞の「ハイズマン賞」を獲得した話を書いた。

 米国の大学フットボール界では、個人賞といえば1935年に生まれた最古の伝統を誇るこのハイズマン賞が最も有名だが、ほかにも数多くの個人賞がある。

 

 このほど全米大学体育協会(NCAA)フットボール部門のボウル・サブディビジョン(FBS=旧1部A)がその一覧表を発表したので、その一端をご紹介したい。
 賞にはおおざっぱに分けて、ハイズマン賞のようにポジションにはかかわりなく、選手全体を対象にするものと、ポジションごとに選ぶものとがある。

 これまでハイズマン賞を受賞した選手は、同時にほかの賞を受賞することが多かった。そしてQBというポジションはそのどちらでも最も選ばれやすいのは確かである。

 

 メイフィールドも同様で、ハイズマン賞のほかに1937年に誕生したアウトスタンデング・プレーヤーを謳う「マクスウェル賞」。1967年にできたプレーヤー・オブ・ジ・イヤーの「ウォルター・キャンプ賞」の、二つを獲得。同時に国内の最優秀QBを対象にした「ダベイ・オブライエン賞」にも輝き、ハイズマン賞と合わせて4賞を手にした。

 あと一つで独占となるところだったが、最優秀4年生QBを対象にした「ジョニー・ユナイタス黄金の腕賞」は、同じリーグのオクラホマ州立大のQBメーソン・ルドルフが獲得した。

 

 ちなみにハイズマン賞受賞者のポジションを数えると、QBは今年のメイフィールドで34人になった。RBは一昨年のデリック・ヘンリー(アラバマ大)が42人目。このほかレシーバーがWRとTEを合わせて5人。あとはDBが一人で、合計82人となっている。

 選手ばかりではなく監督、助監督を対象にした個人賞もあって、監督の「ザ・ホーム・デポ賞」は、FBSで12戦無敗とただ1校全勝を守っているセントラルフロリダ大のスコット・フロスト監督が受賞した。最後のピーチボウルを制して、今季を終わるかどうかが注目される。

 

 なお、かつて監督賞は二つあって、監督協会と記者協会とがそれぞれ独自に選定し、どちらも「コーチ・オブ・ジ・イヤー」と一括りにしていたが、近年この両者が一つになって、デポ賞の名に統一された。
 助監督を対象にした賞は「フランク・ブロイルズ賞」と呼び、今季はクレムソン大のトニー・エリオット助監督に輝いた。この賞、昨季もクレムソン大で、ブレント・ベナブルズ氏が獲得、2年連続の受賞となったが、その前年の2015年には同校のダボ・スウィーニーが監督賞に輝いており、指導者に関していえばクレムソン大は3年連続の栄誉に輝いた。

 

 選手を対象とした賞は現在21。NCAAの年鑑を見ると20世紀で18。その後四つ増えたのだが、最優秀ラインマンへの「ビンス・ロンバルディ/ロータリー賞」が今季から中止になったので、21どまりとなったというわけだ。
 QB以外ではやはりRBが注目される。今季の最優秀RBはスタンフォード大のブライス・ラブで「ドク・ウォーカー賞」を獲得した。

 

 レシーバーへの賞は二つあって、レシーバーという言葉でまとめるケースと、ポジションで絞り込むケースとがある。

 前者では最優秀レシーバーとして「フレッド・ビレトニコフ賞」というのがあり、今季はオクラホマ州立大のジェームズ・ワシントン。TEのものは「ジョン・マッケー賞」。これはオクラホマ大のマーク・アンドルーズが受賞した。

 

 要するに現在では各ポジションごとに表彰選手が選び出されているわけで、いちいち紹介するとスペースが埋まってしまうので、ほどほどにしておく。

 しかし私の現役当時のポジションはセンターで、これだけは外せない。賞の名は「リミントン・トロフィー」と言い、今季はオハイオ州立大のビリー・プライス。昨季も同校の選手だった。

 

 このほか最優秀プレースキッカーや最優秀パンターに至るまで表彰してもらえるのだから米国の大学生は恵まれている。

 

 このほか珍しいタイプの表彰を紹介しておこう。まずは最優秀万能選手賞「ポール・ホーナン賞」の名で、機転が利き何でもこなせる器用な選手を対象に選考する。

 今季はペンシルベニア州立大のRBサクオン・バークリーが受賞した。「最優秀学業選手」というのもある。米国で学業を無視していると、試合に出られなくなるのはご承知の通り。つまりそれとは逆に、よく勉強した選手にスポットを当てようという試みである。

 

 賞の名は「キャンベル・トロフィー」。アイビーリーグのコロンビア大で選手として活躍し、卒業後、指導者、組織者として名をはせたウィリアム・V・キャンベルの名を冠した賞である。

 キャンベル監督は1940年ペンシルベニア州のホームステッドに生まれ、2016年4月18日にカリフォルニア州パロアルトで75歳の生涯を閉じた方だ。

 

 「ディズニー・スピリット賞」というのもユニークで、最も感銘を与えた選手もしくはチームを表彰する、という趣旨の賞である。

 何がどのように感銘を与えるのかはともかく、FBSも旧2部も関係なく選考されている。

 2015年はカナダのモントリオールにあるコンコーディア大のハンク・ゴルフ氏。16年はピッツバーグ大のジェームズ・コナー氏にそれぞれ渡され、今回はチームとしてのアイオワ大に授与された。

 

 アイオワ大は今年、本拠地のキニック・スタジアムでの試合中に、隣の小児病院の患者を観衆が励まし始めた。賞はこの行為に対して授与された。

 第1Qの終了時に観衆が立ち上がり、病院の方を向いて手を振るそれだけのことだが、これが若い患者を大いに激励する結果となったのである。

 このしぐさはやがて相手の観衆に、また審判団にも広がっていった。共感を呼んだことは間違いなかった。

 

 最後は「ワーフェル・トロフィー」。地域社会へチームを通して貢献した選手を表彰するもので、2005年から始まった。今季はケンタッキー大のMLBのコートニー・ラブが受賞した。

丹生 恭治 にぶ・きょうじ

名前 :丹生 恭治 にぶ・きょうじ

プロフィール:1934年生まれ。関西学院大学卒業後、東京新聞社で運動記者としてスタートし、1962年に共同通信社へ移籍。著書に、中学時代から関学で親しんだアメリカンフットボール生活を描いた「いざいざいざ」がある。甲子園ボウルには高校時代と合わせて6度優勝。

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