小柳毅院長
こやなぎ内科循環器科クリニック(佐賀県鳥栖市)の従業員は全員女性で正社員3人、パート4人。子育ての期間は、従業員一人一人の事情に応じた働きやすさを追求している。こうした取り組みは安定雇用につながり、従業員7人中5人が5年以上働く。勤続15年も1人いる。
働き方改革への対応は、賃金や労働時間、良好な人間関係なども含め、全従業員にとって働きやすい職場とは何かを考えるいい機会になった。
2021年4月から中小企業に求められる「同一労働同一賃金」に関しては、佐賀働き方改革推進支援センターに依頼し、正社員とパートタイムの待遇に「不合理な差」がないかどうかを念入りに検討した。
各従業員の職務内容のほか、所定の労働日数・労働時間数、残業の有無などの実態を改めて精査し、全従業員間の責任・役割の違いなどを確認。各種手当の支給理由も一つ一つ点検した。
待合室のパンフレットを整理する事務員=12月
その結果、いくつかの課題が見つかり、早速改善に取り組んだ。パートタイムに支給する交通費の支給基準を従来と比べ増額となる、より手厚い正社員の基準に引き上げたほか、従業員にとって、支給の有無が分かりにくかった手当は、基本給として支給する形に改めた。
パートタイムも含め全従業員の人事評価を年2回実施し、公正、適切な待遇確保に努めている。小柳毅院長は「職員とのコミュニケーションが活発化した。以前より働きやすい環境になった」と改革の成果を語る。
今回は、小柳院長と事務長から話を聞いたが、職員に対する感謝の気持ちや職場環境を良くしたいとの気持ちが随所に感じられた。法令順守以外にも大切にすべきことがあることを強く感じる機会になった。