- 仮称・設置構想中
- 掲載内容は、構想中のものであり、変更される可能性があります。
大阪府寝屋川市と四條畷市にキャンパスを構え、実践的な教育方針とカリキュラムに定評のある大阪電気通信大学。
工学系や情報通信系の学部が充実する中、2024年春に開設予定の新学部「建築・デザイン学部」にいま注目が集まっている。
そのユニークな教育内容や新学部の特色について詳しく話を聞いてみた。

大阪電気通信大学は「実践型教育」が特色
──まずは、「大阪電気通信大学」全体について、特色や強みなどをお聞かせいただけますか。
「本学は2021年に学園創立80周年・大学開学60周年を迎え、工学部・情報通信工学部・医療健康科学部・総合情報学部からなる理工系の学部を中心とした大学です。ロボットからIT・ゲーム・スポーツ・医療まで、世の中の役に立つ実践的で専門性の高い学びが最大の特色です」
「将来のために情報通信や工学技術を学びたい学生はもちろん、特定分野のスキルを極めたい、将来に向けてやりたいことが明確にあるといった学生にも非常に人気があり、毎年幅広い層の受験生が集まります。卒業後の進路はIT系企業や電気・電子・機械のメーカーなどが多く、企業の中核を担う人材が年々増えています」

建築・デザイン学部開設の背景~データに基づく建築人材が求められている
2024年春に開設予定の「建築・デザイン学部」。開設までにはどのような社会的背景や、学生・保護者・企業などからのニーズがあったのだろうか。
──新学部開設にいたった経緯や理由を聞かせていただけますか。
「現在グローバルな流れとなっている業務のDX(Digital Transformation)ですが、日本では業界ごとの差が大きく、特に建設・建築業界ではDXがなかなか進まないとの声が聞かれます。設計段階ではCAD(Computer Aided Design/コンピュータによる設計支援システム)が普及しているものの、より先進的なBIM(Building Information Modeling)※1 が扱える人材は非常に少なく、世界に大きく遅れを取っている状況です」
「社会インフラの重要な一分野である建築において、今後もっと、AIをはじめとしたテクノロジーを駆使し、データサイエンスに基づいたコンセプト設計・ものづくりができる人材を育てていかなければならない……という危機感を抱くようになり、新学部開設の構想にいたりました」
- 1 BIMとは…デジタル空間に3次元で建物を再現し、設計から施工、維持管理まであらゆる情報を集約できるプラットフォームのこと
──学生側のニーズの変化も感じましたか?
「そうですね、もともと本学工学部に建築学科があり、建築士を目指す学生が在籍しています。ただその中には、デザインをしたい、ものづくりがしたいというニーズをあわせ持つ学生もいます。近年、メタバースなどの新技術によってITを活用したデザインやものづくりの可能性がより広がってきたこともあり、建築士あるいはBIM技術者に特化したカリキュラムだけでなく、都市デザインやインテリアなど建築周辺のスキルに幅広く関心を持ち、将来の仕事に生かしたいと考える学生が増えた印象です。さらにVR空間のデザインも今後需要が高まると予想されます」

新学部「建築・デザイン学部」の魅力とは
未来を見据え、ITを活用できる建築人材の教育をめざした新学部「建築・デザイン学部」。具体的にはどのようなことが学べるのだろうか。
──新学部の具体的なコースやカリキュラムの特色を教えて下さい。
「新学部には“建築専攻※”と“空間デザイン専攻※”の2つの専攻を設置する予定です。建築専攻では建築士を目指す学生に必要な科目をしっかりと学ぶことができ、空間デザイン専攻では都市計画やビル内環境・インテリアから仮想空間まで、人間を取り巻くあらゆる”空間”にかかわるデザインや技術を学ぶことができます」
「建築専攻では、建築士の受験資格に必要な幅広い分野の知識を基礎から応用まで学び、現在、人材や学習機会が非常に少ないBIMをはじめ、先進の建築系デジタルスキルを身につけることができます」

「空間デザイン専攻では、建築のベーシックな知識を学んだ上で、デジタルデザイン、データ指向の課題分析・解決スキル、価値をプラスするクリエイティブな発想、本学の実学教育を生かしたプロジェクトマネジメントスキルなど、現場での強みとなる力を幅広く身につけていきます」
「学部全体に共通する特色は、”建築は強く美しくあるべき”という理念に立脚したアート教育です。デジタル人材の育成を推進しつつも、一流の設計に欠かせないアーティスティックな視点を養うため、鉛筆を使ったデッサン実習なども取り入れる予定です」
「また本学全体に共通することですが、社会ニーズを見据えたフレキシブルな学びの環境整備が挙げられ、もちろん新学部も同様です。たとえば、新学部独自の授業スタイルの1つに”総合演習”というものがありますが、これはさまざまな専門分野を持つ教授陣と共にゼミのような研究活動が行えるというものです。また企業との連携にも力を入れており、データサイエンティスト・CG(コンピューターグラフィック)エンジニア・建築士・デザイナーなど幅広い業種業界の専門家を教授陣に迎え、社会の最前線の知見についてスピード感を持ってカリキュラムに反映させています」


受験生や保護者がぜひ知っておきたい新学部のメリット
大阪電気通信大学の新学部「建築・デザイン学部」には、建築分野で希少とされる、IT・データ活用人材育成と実践的で豊富な学びが用意されている……と聞いて、関心を持った受験生や保護者も少なくないのではないだろうか。
しかし新しい学部ということで実際に通っている先輩の声を聞くことはできない。そこで新学部のポイントを挙げてもらった。
──学生や保護者の視点からみた新学部の特色やメリットにはどのようなものがあるでしょう。
「従来、建築と名のつく学部では、卒業後に建築士を目指すのが一般的でした。しかし、新学部においては、引き続き建築士になるための課程はフルに提供しつつ、さらに幅広い分野で活躍できるような学びのバリエーションを用意しています。AIをはじめとする技術の進歩で人々の職業や働き方は大きく変化し、先行きが不透明な今の社会で、お子様の就職先に不安を抱いている親御さんもいらっしゃるかと思いますが、本学が育成を目指す”ITがわかる建築人材”は間違いなくスペシャリストとして活躍することでしょう」
──理系・文系の枠を超えて学べるような学生サポートがあると聞きました。
「多くの高校では2年生から文系・理系の選択があり履修科目が異なります。文系を選択した場合、理系の大学に入ったら高校で習っていない教科の知識を前提に授業が進むのではないか…と心配している、という受験生の声も聞きます。建築やデザインは人間の生活と密接な関連があり、理系の知識に加えて歴史や社会・心理学・芸術といった文系の教養やコミュニケーション力といった、文理の枠を超えた総合力が求められる分野だと考えており、高校でのコース選択に関わらず、本学ではすべての受験生を受け入れます」
「入学後は、建築のために必要な数学・物理の知識を基礎から学べる授業を用意し、理系科目に不安のある学生さんをフォローアップしていきます。また学内に”スタディラボ”と名付けた学習支援スペースを設け、理系専門教員に質問したり、自由に学習を進めたりできる環境を用意しています」

6月4日、7月16日、8月19日、9月10日、オープンキャンパス開催
大阪電気通信大学では、新学部開設を来春に控え、進路を検討中の受験生のためのスケジュールを以下のように予定している。
「6月4日、7月16日、8月19日、9月10日に寝屋川キャンパスにてオープンキャンパスを開催します。興味を持たれた方は、ぜひお越しいただければと思います。体験授業や施設紹介、学生対談などパンフレットなどではわからない情報を得ることができます。オープンキャンパスに来ていただければ、本学の魅力を感じていただけると思います」